24
8

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

MySQL 5.7で生成カラムを使ってCHECK制約もどきを実装する

Last updated at Posted at 2016-11-08

MySQL 5.7で生成カラムを使って関数INDEXを作成する の続きです。

MySQLでは、DDLにCHECK制約(検査制約)を記述することはできますが、動作上は無視されてしまいます。
そのため、MySQL 5.6までであれば、トリガで代用するのが定番でした。

MySQL 5.7で実装された生成カラム機能を使うと、CHECK制約と同じようなことが可能になります。

2019/12/01追記:
MySQL 8.0.16から、CHECK制約が有効に機能するようになりました。

[参考情報]

実装例

定義されたドメイン(=登録値として許される範囲)から外れる値が登録されないようにするケースを考えます。

先のエントリで使ったテーブル定義では、都道府県(pref)カラムの値から地方/地域(area)カラムの値を導出する形で生成カラムを使っていましたが、この生成カラムは、

「都道府県名として正しくない値が(で)挿入/更新されるのを防ぐ」

ことに流用することも可能です。

先のエントリで示したテーブル定義を、以下のように変更します。

制約を掛けるためのテーブル定義
mysql> CREATE TABLE `virt_test`.`yuruchara3` (
    ->   `id` bigint(20) NOT NULL AUTO_INCREMENT,
    ->   `name` varchar(100) NOT NULL,
    ->   `pref` varchar(3) NOT NULL,
    ->   `area` varchar(3) AS ((case when (`pref` = '北海道') then '北海道'
    ->                               when (`pref` in ('青森','岩手','秋田','宮城','山形','福島')) then '東北'
    ->                               when (`pref` in ('茨城','栃木','群馬','埼玉','千葉','東京','神奈川')) then '関東'
    ->                               when (`pref` in ('山梨','長野','新潟','富山','石川','福井','静岡','愛知','岐阜')) then '中部'
    ->                               when (`pref` in ('三重','滋賀','京都','大阪','兵庫','奈良','和歌 山')) then '近畿'
    ->                               when (`pref` in ('鳥取','島根','岡山','広島','山口')) then '中国'
    ->                               when (`pref` in ('香川','愛媛','徳島','高知')) then '四国'
    ->                               when (`pref` in ('福岡','佐賀','長崎','熊本','大分','宮崎','鹿児島','沖縄')) then '九州' else NULL end)) NOT NULL,
    ->   `point` int(10) NOT NULL,
    ->   PRIMARY KEY (`id`),
    ->   KEY `idx_pref` (`pref`),
    ->   KEY `idx_area` (`area`)
    -> ) ENGINE=InnoDB DEFAULT CHARSET=utf8;
Query OK, 0 rows affected (0.01 sec)

yuruchara2テーブルとの違いが分かりづらいですが、

  • areaカラムにNOT NULL制約を付けたまま、
  • 入力値が、列挙された都道府県名に合致しない場合の、else時に返す値をNULLにする(変更前は「その他」)

ことで、

  • 正しくない都道府県名がやってくると、
  • areaカラムでNOT NULL制約違反になる

ようにしてあります。

例えば、都道府県名と間違えて市町村名(「須崎」)を入れようとした場合、

以前のテーブルでINSERT
mysql> INSERT INTO virt_test.yuruchara2 SET name = 'しんじょう君', pref = '須崎', point = 4345960;
Query OK, 1 row affected (0.00 sec)

普通にINSERTされてしまいますが、変更後のテーブル定義では、

変更後のテーブルでINSERT
mysql> INSERT INTO virt_test.yuruchara3 SET name = 'しんじょう君', pref = '須崎', point = 4345960;
ERROR 1048 (23000): Column 'area' cannot be null

怒られます。

出力されるエラーメッセージが分かりづらいのが難点ですが、CHECK制約のかわりに使えることがイメージできたと思います。

但し、生成カラムの式にサブクエリを含めることはできません。

例のように、値ドメインを都道府県名に限定するような場合はいいとして(都道府県名は数が少なく、変化することもほどんどないため)、市町村名をチェックするような用途には不適当です。

他テーブルを参照するような制約を掛けるときは、従来通りトリガなどを利用することになります。


【おまけ】
MySQL 5.7関連投稿記事へのリンクを集めました。

24
8
3

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
24
8

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?