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【マニュアル制作 | プロのノウハウをkintoneに】kintone導入ガイドブックの制作に、カスタマージャーニーマップを活かしてみた。

Last updated at Posted at 2019-12-01

#ごあいさつ
kintone Advent Calendar 2019 part2」の2日目の投稿です。

こんにちは。製品やサービスの取扱説明書(取説、トリセツ、マニュアル、ガイドブック、ヘルプ等)、Preziの制作を行っています Polaris Infotech株式会社 代表取締役、「情報親方®」こと東野誠と申します。

2019年現在、取扱説明書制作21年目に入り、ハードウェア、ソフトウェア、IoT、システム、サービスなどに関わるコンテンツ、ざっくりというと、製品やサービスをはじめて知る、使う、困った ・・・そういう場合に目にするコンテンツを作ってきました。

最近は、「うまくほめるをカンタンに」できるオンライン表彰状作成サービス「活才」の企画・運営も行っています。

IT分野のエンジニアではありませんが、この界隈でのバックグラウンドはこんな感じです。

  • はじめてのコンピュータは、赤いMSX(1983年頃、松田聖子がイメージキャラクターだったHiTBiT)
  • はじめての言語は、BASIC
  • はじめて買ったIT雑誌は、テクノポリス
  • はじめてのテレビゲーム機は、スーパーカセットビジョン(エポック社)
  • はじめてのIT資格は、GoogleApps導入スペシャリスト
  • はじめての大学は、工学部で無機化学分野(その後、働きながら武蔵野美大に通う)
  • はじめての会社は、複写機を作る会社(マニュアル制作部門で働いたが入社1年後に倒産。その後、マニュアル制作の道に)
  • はじめて作った会社の信条は「トリセツで、人の心をつなぎます。」

#kintoneとの出会い
kintoneをはじめて知ったのは、2015年頃入居していた墨田区のインキュベーション勉強会でした。

マニュアル制作システムを効率よく作れないかと試行錯誤していた時期だったので、
「ウホッ! (構造化ドキュメントを作るための)トピック指向ライティングにお安く使えるんじゃないか?」
と思ったものでした。

自社や(近しい)他社への導入支援、自社でのkintoneを使ったしくみづくり、地域クラウド交流会にも参加したり、となキンにも掲載いただき、kintoneに親しんできました。

#人間とクラウドサービスは心でつながれるか

おっと・・・いきなりビッグな課題提起をしてしまいました。
(個人的には)いつかはつながれると思っていて、つなげられたプラットフォームが勝者になっていくと信じています。

##取扱説明書制作でのアプローチ:よくある取説の構成

取扱説明書制作の重要な作業が、ターゲットユーザーにあわせた情報の「設計」です。

一般的な家電等の取扱説明書を例に、コンテンツの構成を考えてみます。
ストーリー3.png
出典:2019/11/15 kintone Café 東京 Vol.9 登壇資料より(Polaris Infotech株式会社 東野誠)

企業目線で「部品」として必要な項目も入れつつ、時系列で必要になってくる順に構成を組み立てた「例」です。
仕様や目的、ターゲットにより、構成や並べ方は変わりますが、「中の人」が作ると赤枠内だけになりがちで情報不足になったりします。

こんな感じの取説、よく見ませんか?

市場に「カテゴリーができている」製品やサービス場合はユーザーの使い方も一般化しているため、取扱説明書の制作でも既存の構成を元に制作を行うことがあります。

新カテゴリーの商品やクラウドサービスなどでは、アクセス方法や利用形態が複雑化し、必要な構成要素が見つけにくくなってしまいます。

サービスやソフトウェアだとヘルプや事例、設定などは使い方とわかれてはいますが、要素全体としてはそろっていることが多いです。
(ただ、見つけられないことも多々…。)

##ユーザーの体験するストーリーにあわせて行動を可視化し、構成やコンテンツを作る: カスタマージャーニーマップ

ユーザー(ペルソナ)の行動を「カスタマージャーニーマップ」にそって時系列で可視化すると、課題が明確になり、制作者や利用者が複数であっても共通認識が得られやすくなります。

下記はカスタマージャーニーマップの例です。
※カスタマージャーニーマップをウェブで検索すると、日本国内、海外ともにいろんな表現で制作されています。

rapid_ux04_01.png
引用:Web担当者Forum https://webtan.impress.co.jp/e/2014/03/24/16722

#kintone導入ガイドブックにカスタマージャーニーマップを

2019年11月7、8日のCybozuDays東京で正式お披露目となりましたが、kintone導入ガイドブックを弊社で制作させていただきました。

ストーリー4.png
出典:2019/11/15 kintone Café 東京 Vol.9 登壇資料より(Polaris Infotech株式会社 東野誠)

前作「はじめてのkintoneガイドブック」では、kintoneの使い方が中心となっていました。
今回はコンセプトから「導入」を見直し、「お試し」「導入計画」「仲間を巻き込む」「上司を説得」「社内で広げる」というステップをスムーズに進められるように設計しています。

クラウドサービスは、ある程度のソフトウェアや製品の知識がないと製品導入が難しく、製品の良さを感じにくくなり、結果的にサービスからの離脱率が高くなってしまいます。
一度も製品を触ったことがないユーザーは、これらのステップがあることすら分からず、導入に困ってしまいます。

ストーリー5.png
出典:kintone製品サイト 資料ダウンロード

ストーリー6.jpg
出典:2019/11/15 kintone Café 東京 Vol.9 登壇資料より(Polaris Infotech株式会社 東野誠)

そしてこの「やること見える化シート」では、
上半分が「ストーリーや行程(カスタマージャーニーマップ)」
下半分が「ユーザーが体験(UX)により自分ごとにしてもらえる書き込み式」
になっていて、目次も兼ねています。

人間の目線は横書きだと左上から右下に向かってZの字を書くように動くので、ステップごとに違和感なく見られます。

##暗黙知 取扱説明書にない項目(UIのないUX)の存在
「見えないところをきれいにすると、見えるところが光りだす。」

と言われたのは松下幸之助翁でしたが、クラウドサービス導入時は見えないところが多くあるものです。

特に導入先で作業が属人化している場合は暗黙知が導入の妨げにもなり、導入や説得の「手がない」と諦めてしまったり、スムーズに進まなかったり、いろんな壁があるわけです。

カスタマージャーニーマップの考え方を活かしてできた今回のkintone導入ガイドブックで、ひとつでも多くの企業にお役立ちいただければうれしいです。

冊子は、12月5日、6日の Cybozu Days 2019 大阪 でも配布される予定です。
ぜひ、お手にとってご覧ください。

#ご参考

###記事について
kintone Advent Calendar 2019 part2」の11日目の投稿です。
Part1も読みたくなったらこちら「kintone Advent Calendar 2019 part1

###UX、UXD、UI
UX (ユーザーエクスペリエンス)、UXD(ユーザーエクスペリエンスデザイン)、UI はそれぞれ違った概念です。
※このあたりは先人が多数述べられていて、話し出すと100年は軽くかかるのでリンク先をご覧ください。

###となキン

###地域クラウド交流会

###情報親方が過去に書いた記事

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