【初心者向け】WindowsでDockerを使ってKali Linux環境を構築する方法
【注意事項】ハッキングの違法性と価値観について
ハッキング技術は違法行為に使われる可能性がありますが、本記事は教育的目的で提供するものです。
技術は道徳を持って正しく利用しましょう。
【概要】Kali Linuxを安全に使う
Kali LinuxはセキュリティテストやCTF練習で便利なLinuxディストリビューションですが、直接マシンにインストールするのは危険です。
セキュリティツールには強力な攻撃機能を持つものが多く、誤操作によりシステムを不安定にしたり、他のネットワーク機器へ影響を与えてしまう恐れがあります。
そのため、本番環境とは分離された仮想環境(今回はDockerを利用)が推奨です。
【Dockerについて】
Dockerは「コンテナ」と呼ばれる分離された仮想環境でアプリを実行できるシステムです。
仮想環境でアプリを実行できる手段はいくつかありますが、Dockerには以下のような明確なメリットがあります:
✅ Dockerのメリット:
軽量で高速(仮想マシンより起動が速い)
システムに影響を与えずに環境構築ができる
再現性が高く、環境の共有も簡単
実際の環境構築については以下に記載します。
【Kaliを使うのに必要なスペック】
Kali Linuxを快適に動かすための推奨スペックは以下の通りです:
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CPU:6コア以上
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メモリ:16GB以上
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ストレージ:20GB以上の空き容量
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OS:Windows 10 / 11(64bit)
【必要なアプリのインストール手順】
🔹 Docker Desktop for Windows
公式サイト:
https://www.docker.com/products/docker-desktop/
ダウンロード後、インストーラーを実行し、すべてデフォルトでインストール
完了後に以下で確認:
docker --version
🔹 VcXsrv(GUI表示のためのXサーバ)
ダウンロード:
https://sourceforge.net/projects/vcxsrv/
インストール後、XLaunch を起動して以下を選択:
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Multiple windows
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Start no client
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Disable access control にチェック
🔹 PulseAudio for Windows(音声出力用)
参考ページ:
https://www.freedesktop.org/wiki/Software/PulseAudio/Ports/Windows/Support/
上記からZIPファイルをダウンロードして解凍、pulseaudio.exe を起動しておく
【環境変数の設定(Windows専用)】
上記アプリのインストールと起動が完了したら、WindowsでGUIや音声を使うために環境変数を設定します。
🔽 バッチファイルのダウンロード
setup.bat:
https://github.com/K4zushi0701/kali-linux/blob/main/setup.bat
⚙️ 実行手順
上記URLにアクセスし、右上の「Raw」をクリックして右クリック→名前を付けて保存
ダウンロードした setup.bat をダブルクリック
正常に実行されると「環境変数が設定されました」と表示されます
【Dockerfileの作成】
以下のDockerfileを使えば、ツールやワードリストが設定されたKali Linuxを簡単にビルドできます。
🔽 ダウンロード
Dockerfile:
https://github.com/K4zushi0701/kali-linux/blob/main/dockerfile
📂 手順
任意のフォルダを作成(例:C:\Users\YourName\kali-docker)
上記URLから dockerfile をダウンロードしてその中に保存
フォルダ内でターミナルを開き、以下のコマンドでビルド:
docker build -t kali-linux_image .
※ 初回ビルドには数分かかります
【Kali Linuxコンテナの実行】
Dockerイメージのビルドが完了したら、以下のコマンドでKali Linuxを起動します。
docker run -it --network host --privileged --name kali-linux \
-m 12g --memory-swap 16g --cpus=6.0 \
-e DISPLAY=host.docker.internal:0.0 \
-e PULSE_SERVER=tcp:host.docker.internal \
-v /tmp/.X11-unix:/tmp/.X11-unix --device /dev/snd \
kali-linux_image bash
このコマンドにより、GUIアプリ(例:Wireshark、Firefox)や音声出力が可能なKali環境が起動します。
【まとめ】
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Kali Linuxはハッキング演習に最適な環境
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Dockerを使えば、システムを汚さず安全に環境を構築できる
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Windows環境でもGUIや音声出力の設定が可能
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必要なファイルはGitHubからダウンロードしてすぐに実行可能
この環境が構築できたら、TryHackMeやHack The Boxなどの実践演習に進むのがおすすめです