概要
Google Cloudでは、VMインスタンスにGPUをアタッチすることで、機械学習やデータ処理などの特定のワークロードを高速化できます。大きく分けて、GPUが自動的にアタッチされた「アクセラレータ最適化VM」と、汎用VM(N1シリーズなど)にGPUを手動でアタッチする方法があります。
GPUの種類と性能
Google Cloudで利用できる主要なGPUと、その性能、主な用途は以下の通りです。
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NVIDIA H200 (A3 Ultra VM)
- メモリ: 141 GB HBM3e
- 相互接続: NVLink Full Mesh
- 主な用途: 大規模な機械学習モデルのトレーニング、推論、HPC
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NVIDIA H100 (A3 Mega, High, Edge VM)
- メモリ: 80 GB HBM3
- 相互接続: NVLink Full Mesh
- 主な用途: 大規模な機械学習モデルのトレーニング、推論、HPC
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NVIDIA A100 (A2 Ultra, Standard VM)
- メモリ: 80 GB または 40 GB HBM2
- 相互接続: NVLink Full Mesh
- 主な用途: 機械学習のトレーニング、推論、HPC
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NVIDIA L4 (G2 VM)
- メモリ: 24 GB GDDR6
- 相互接続: なし
- 主な用途: 機械学習の推論、トレーニング、リモート可視化ワークステーション、ビデオトランスコーディング
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NVIDIA T4 (N1 VM)
- メモリ: 16 GB GDDR6
- 相互接続: なし
- 主な用途: 機械学習の推論、トレーニング、リモート可視化ワークステーション、ビデオトランスコーディング
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NVIDIA V100 (N1 VM)
- メモリ: 16 GB HBM2
- 相互接続: NVLink Ring
- 主な用途: 機械学習のトレーニング、推論、HPC
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NVIDIA P100 (N1 VM)
- メモリ: 16 GB HBM2
- 相互接続: なし
- 主な用途: 機械学習のトレーニング、推論、HPC、リモート可視化ワークステーション
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NVIDIA P4 (N1 VM)
- メモリ: 8 GB GDDR5
- 相互接続: なし
- 主な用途: リモート可視化ワークステーション、機械学習の推論、ビデオトランスコーディング
GPUの価格
GPUの価格は、リージョン、GPUの種類、利用方法(オンデマンド、コミットメント割引、スポットVM)によって異なります。
- オンデマンド価格: 時間単位で課金されます。
- コミットメント割引: 1年または3年の期間でリソースの使用を確約することで、割引が適用されます。
- スポットVM: 余剰リソースを利用するため、大幅な割引が適用されますが、VMが中断される可能性があります。
料金例(米国アイオワリージョン、2024年5月時点)
GPU | 時間あたりの価格(USD) | 1年コミットメント割引後の価格(USD) | 3年コミットメント割引後の価格(USD) |
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NVIDIA T4 | $0.35 | $0.22 | $0.16 |
NVIDIA P4 | $0.60 | $0.378 | $0.27 |
NVIDIA V100 | $2.48 | $1.562 | $1.116 |
NVIDIA P100 | $1.46 | $0.919 | $0.657 |
NVIDIA RTX Virtual Workstations
3D可視化などのグラフィック集約型ワークロード向けには、NVIDIA RTX Virtual Workstations (vWS)が利用できます。これらのワークステーションでは、NVIDIA RTX vWSライセンスが自動的にVMに追加されます。
価格に関する注意点
- 上記はあくまで例であり、実際の価格は変動する可能性があります。
- 価格には、VMインスタンスの料金は含まれていません。
- ディスク、ネットワーク、イメージなどの料金は別途発生します。
- 最新の正確な価格については、Google Cloudの料金計算ツールまたは料金表をご確認ください。
まとめ
Google CloudのGPUは、多様なワークロードに対応できる幅広い選択肢があります。最適なGPUを選択するには、ワークロードの要件(計算性能、メモリ容量、相互接続など)と予算を考慮する必要があります。