■ はじめに
-
Ansibleとは
Ansibleについて簡単に紹介しておきます。- エージェントレスでサーバ構築を自動化してくれるツールです。
- sshdが動作しているマシンにSSHで接続し環境を構築してくれます。
- 設定ファイルはYAMLで書きます。プログラムの知識(Ruby、Python、etc.)は不要です。
- 数台~数十台規模のサーバ構築だったらchef, puppetよりも簡単です。
makeモジュール
makeモジュールは、Ansible ver.2.1から追加された新機能です。
make - Run targets in a Makefile
環境の準備
以前の記事を参照してください。
Ansible 最初の一歩
Gitを手動でソースからインストールする方法は下記の記事を参照してください。
最新のGit(ver.2.9)をソースからインストールする
■ GitをソースからインストールするPlayBook
- バージョンを指定できるようにしました。
- インストールする場所を指定できるようにしました。
- 既に同じバージョンのGitがインストールされている場合はタスクをスキップします。
- Ansible ver.2.1の新機能、makeモジュールを利用してみました。
---
- hosts: all
remote_user: ec2-user
become: true
vars:
version: 2.9.0
prefix_dir: /usr/local
src_dir: "{{ prefix_dir }}/src"
bin_dir: "{{ prefix_dir }}/bin"
tasks:
- name: original git exist check
stat: path={{ bin_dir }}/git
register: exist_git
- debug: msg="git not installed."
when: exist_git.stat.exists == false
- name: original git version check
command: "{{ bin_dir }}/git --version warn=false"
register: org_version
changed_when: false
when: exist_git.stat.exists == true
- name: install dependences
yum: name={{ item }}
with_items:
- curl-devel
- expat-devel
- gettext-devel
- openssl-devel
- zlib-devel
- gcc
- perl-ExtUtils-MakeMaker
when: (exist_git.stat.exists == false) or
(exist_git.stat.exists == true and org_version.stdout != "git version {{ version }}")
- name: make download dir
file: path={{ src_dir }} state=directory owner=root group=root mode=755
when: (exist_git.stat.exists == false) or
(exist_git.stat.exists == true and org_version.stdout != "git version {{ version }}")
- name: download git version {{ version }}
unarchive:
src: https://www.kernel.org/pub/software/scm/git/git-{{ version }}.tar.gz
dest: "{{ src_dir }}"
copy: no
when: (exist_git.stat.exists == false) or
(exist_git.stat.exists == true and org_version.stdout != "git version {{ version }}")
- name: make all
make:
chdir: "{{ src_dir }}/git-{{ version }}"
target: all
params:
prefix: "{{ prefix_dir }}"
when: (exist_git.stat.exists == false) or
(exist_git.stat.exists == true and org_version.stdout != "git version {{ version }}")
- name: make install
make:
chdir: "{{ src_dir }}/git-{{ version }}"
target: install
params:
prefix: "{{ prefix_dir }}"
when: (exist_git.stat.exists == false) or
(exist_git.stat.exists == true and org_version.stdout != "git version {{ version }}")
実行は以下になります。
$ ansible-playbook playbook.yml
備考
command
モジュールでgit --version
していますが、Ansibleのデフォルトの動作では、git
モジュールを利用するように警告されます。Ansibleのgit
モジュールには、executableのバージョンを取得するパラメータがありません。そこで、今のところはcommand
モジュールを利用してバージョンを取得し、warn=false
を指定してgit
モジュールの利用を促す警告を消しています。
Source Control Modules - git(リンク)when
の同じ条件判断の繰り返し部分は、set_fact
モジュールを使って変数に格納すればよりスマートです。become
とPATHの取り扱いについては、以下の記事を参考にしてください。
Ansibleのenvironmentを利用して「sudo su -」相当のPATHを設定する
■ makeモジュールとchanged について
Ansibleのmakeモジュールは、そのまま実行すると毎回chenged
になってしまいます。
PlayBookを最初に実行したときはchanged
になってほしいですが、同じPlayBookを再実行したときはchanged
ではなくok
になってほしいところです。
とはいえ、changed_when: False
を指定しまうと、初回実行時に変更が加わっているのにok
になってしまうのでchanged_when: False
の指定も避けたいところです。
そこで、今回は、register
とwhen
を組み合わせたバージョンチェック機能を入れてみました。
■ unarchiveモジュールとhttpsの組み合わせについて
unarchive
とhttps
の組み合わせが曲者でした。
Amazon Linuxでは問題なく動作していましたが、プロキシが認証する環境ではプロキシを設定しても動作しませんでした。おそらく、原因はSSL証明書を無効にする指定をしていないから。
unarchive
モジュールには、validate_certs
オプションがあり、validate_crets=no
を指定すればOKなのですが、このオプションは、Ansible ver.2.2以降でないとサポートされていません。
Ansible ver.2.1以前の環境では、get_url
とhttps
とvalidate_crets=no
の組み合わせでダウンロードする必要がありました。
■ おわりに
今回は、Gitをソースからインストールしてみましたが、rpmで公開されていないパッケージをソースからインストールする場合は、このPlayBookを応用できそうです。
それでは。