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検索関連のキーワード(FAISS、BM25、IVFインデックス)

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はじめに

  • FAISS: 高次元ベクトルデータの類似性検索のためのライブラリ。
  • BM25: 文書とクエリの関連度を評価するランキング関数。
  • IVFインデックス: 大規模なデータセットにおける近似最近傍探索を高速化するためのインデックス構造。

これらの技術を組み合わせることで、より効果的な情報検索システムを構築できます。例えば、FAISSで高速な類似性検索を行い、BM25で関連度を評価することで、精度と速度を両立した検索システムを実現できます。 IVFインデックスは、FAISSのようなライブラリで使用され、大規模なデータセットを効率的に処理するために不可欠な要素です。

1. FAISS (Facebook AI Similarity Search)

  • 概要: FAISSは、Facebook AI Research (FAIR) が開発した、高次元ベクトルデータの類似性検索を行うためのライブラリです。 大規模なデータセットに対して、高速かつ効率的に類似ベクトルを検索できます。
  • 仕組み: FAISSは、近似最近傍探索 (Approximate Nearest Neighbor: ANN) という手法を様々なアルゴリズムで実装しています。 ANNは、完全な最近傍探索よりも高速に、近似的な最近傍ベクトルを見つけ出す手法です。
  • 特徴:
    • 高速性: 大規模なデータセットでも高速な検索を実現します。
    • メモリ効率: データセット全体をメモリにロードする必要がないアルゴリズムも提供しています。
    • 多様なアルゴリズム: 様々なANNアルゴリズム (LSH, IVF, PQなど) をサポートしており、データセットの特性や要件に応じて最適なものを選択できます。
    • Python/C++ API: PythonとC++の両方のAPIを提供しています。
  • 用途:
    • 画像検索: 画像の特徴ベクトルに基づいて類似画像を検索します。
    • 文書検索: 文書の埋め込みベクトルに基づいて類似文書を検索します。
    • 推薦システム: ユーザーやアイテムの埋め込みベクトルに基づいて、類似のユーザーやアイテムを推薦します。

2. BM25 (Best Matching 25)

  • 概要: BM25は、情報検索において広く使用されているランキング関数の一つで、文書と検索クエリの関連度を評価します。 確率モデルに基づき、キーワードの出現頻度や文書の長さなどを考慮して、関連性の高い文書を上位にランク付けします。
  • 仕組み: BM25は、次の要素を考慮して文書のスコアを計算します。
    • Term Frequency (TF): 文書中のキーワードの出現頻度。
    • Inverse Document Frequency (IDF): キーワードの希少性。より多くの文書に出現するキーワードほど重要度が低くなります。
    • 文書の長さ: 文書が長いほど、キーワードの出現頻度が高くなる傾向があるため、文書の長さを正規化します。
  • 特徴:
    • シンプルで効果的: シンプルな数式で実装されており、計算コストが低く、かつ効果的なランキングを実現します。
    • パラメータ調整可能: 経験的なパラメータ (k1, b) を調整することで、パフォーマンスを改善できます。
    • 疎な特徴量: キーワードの出現頻度に基づくため、疎な特徴量 (キーワードの有無) に適しています。
  • 用途:
    • ウェブ検索: ウェブページと検索クエリの関連度を評価し、検索結果をランク付けします。
    • 企業内検索: 社内文書と検索クエリの関連度を評価し、必要な情報を見つけやすくします。
    • 質問応答システム: 質問と回答候補の関連度を評価し、最も適切な回答を選択します。

3. IVF インデックス (Inverted File Index)

  • 概要: IVF (Inverted File) は、大規模なデータセットにおける近似最近傍探索 (ANN) を高速化するためのインデックス構造の一つです。特に、FAISSなどのライブラリで頻繁に使用されます。
  • 仕組み: IVFは、データセットを複数のクラスタ (Voronoiセル) に分割し、各クラスタの中心ベクトル (centroids) を事前に計算します。検索時には、まずクエリベクトルに最も近いクラスタを特定し、そのクラスタ内のベクトルのみを検索します。これにより、データセット全体を検索する必要がなくなり、検索時間を大幅に短縮できます。
  • 特徴:
    • 速度向上: データセット全体ではなく、特定のクラスタのみを検索することで、検索速度を大幅に向上させます。
    • 精度と速度のトレードオフ: クラスタの数を増やすほど精度は向上しますが、計算コストも増加します。クラスタの数を減らすほど速度は向上しますが、精度は低下します。
    • パラメータ調整: クラスタ数や割り当て方法などのパラメータを調整することで、精度と速度のバランスを最適化できます。
  • 用途:
    • FAISSなどの類似性検索ライブラリで使用され、大規模なデータセットにおける近似最近傍探索を高速化します。
    • 画像検索、文書検索、推薦システムなど、様々なアプリケーションで利用されます。
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