🌍GBFS世界旅行～車両編～

Last updated at 2022-12-13Posted at 2022-12-12

前回、GBFSで世界中のシェアモビリティのステーション所在地をマッピングしました🌎

今回はステーションではなく車両のマッピングをしてみました。GBFSではfree_bike_status.jsonという、現在レンタルされていない車両を公開するためのファイル仕様があります。今回はこれをすべて可視化します。全世界で330サービス/約19万台！出典は後掲の通りです¹

本記事では筆者が取得に成功したGBFSを根拠にサービス数・車両数を算出しています。例えばデータの取得漏れ（サービス側のDBメンテナンスでデータ取得ができなかった等）や公開されているデータが古い・誤っているなど、実体を正確に反映しきれていない可能性がゼロではないこと、ご留意ください。

free_bike_status.jsonとは？

GBFSはシェアモビリティのリアルタイムな乗換案内を実現するためのデータフォーマットです²。

シェアモビリティサービスを大別すると、乗降拠点があらかじめ設置されてあるステーション型と、街中どこでも乗り捨て・借り出し可能なドックレス型の2種類があります。両方を採用したハイブリッド型も存在します。日本ではステーション型が一般的です。

ステーション型であれば、ステーション情報さえ公開すれば乗換案内は実現できますが、ドックレス型やハイブリッド型の場合、車両そのものの位置情報を公開しないと乗換案内が実現できません。free_bike_status.jsonは、ドックレス型サービスでも乗換案内ができるようにレンタル前の車両の位置情報等のデータを公開するためのファイルフォーマットです。

近日公開されるGBFS ver3.0では、free_bike_status.jsonは廃止され、代わってvehicle_status.jsonというファイルが使用される予定です。GBFSがシェアサイクルだけでなく、スクーターやカーシェア対応したことが背景にあるようです。

サービス体系との関係性

GBFSの仕様上、ステーション型ではステーション情報を公開必須、ドックレス型サービスでは車両情報を公開必須となっています。ただ、ステーション型であっても車両情報の公開は可能なため、車両情報があるからといってドックレス型とは限らないことに注意が必要です。

収集したデータを見ていると、ステーション型サービスでも車両情報を公開してるパターンが見受けられました（その逆も若干ありました）。ファイル構成とサービスタイプの関係を整理すると、どうやら下図のようになっていそうです。

GBFSは700近く公開されているので、実際にはもっと複雑なパターンが存在しそうですが、今回そこには深入りしないようにします。単純に車両情報の可視化を試みます。

やり方

前回同様、GBFSの取得に特化したモジュールgbfs-clientを使用します。

from gbfs.services import SystemDiscoveryService
import pandas as pd

ds = SystemDiscoveryService()

#システム一覧を取得（gbfs-clientを使用）
system_list = ds.systems

#ステーション一覧格納用の空DFを用意
column = ['system_id','bike_id','lon','lat']
df = pd.DataFrame(columns=column)

#各システムの第一言語（）
for system in system_list:
    
    #systemIDの取得
    system_id = system["System ID"]    
    
    #gbfsのurlを取得
    gbfs_url = system["Auto-Discovery URL"]
    
    #systemID使って該当サービスの情報を保持（gbfs-clientを使用）
    try:
        #英語で取得をトライ
        client = ds.instantiate_client(system_id,'en')
    except BaseException as e:       
        #英語でのデータ公開がない場合、エラーメッセージをもとに第一言語を特定
        error_message = str(e)
        first_language = error_message.split(':')[1].split(',')[0].replace(' ','')
        
        try:
            #第一言語で再取得をトライ
            client = ds.instantiate_client(system_id,first_language)
        except:
            #それでも失敗した場合は処理中断
            print("言語情報の取得失敗, " + system_id )
            continue
    
    #車両情報が存在する場合、車両情報をDFに追加
    if 'free_bike_status' in client.feed_names:
          
        #車両一覧を取得（id）
        try:
            bikes = [ [system_id , bike["bike_id"] ,bike["lon"],bike["lat"]] for bike in client.request_feed('free_bike_status').get('data').get('bikes') ]   
        except:
            print("フリーバイク情報取得失敗, " + system_id )
            continue
            
        #車両一覧のDFに追加
        df = pd.concat([df, pd.DataFrame(bikes,columns=column)], ignore_index=True)
        print("フリーバイク取得成功！, " + system_id )
    else:
        print("フリーバイク情報なし, " + system_id )
        
        
#csv出力
df.to_csv('C:\\Users\\***\\Downloads\\free_bike.csv')