みなさん、小学校の教科書って、どんなだったか、覚えてますか?
この文章は、おとなたちが集まって教科書を読み、感じたこと、気づいたことを話し合う「教科書night」というイベントを開催した記録です。
ハッシュタグは、#教科書night です。
開催終了していますが、イベント案内は、こんなかんじ。
https://fujimi.connpass.com/event/155864/
会を開いた動機
2020年度(令和2年度)から小学校で、プログラミング教育が必修化されるって、ご存知ですか?
わたしはそれを知ったの3〜4年ほど前だったのですが、社会人となってからずっとプログラミング関係で、ご飯を食べている身として、多分にもれず「未来をになう子どもたちに、プログラミング?!それは素敵なことなんだけど、どのような義務教育がはじまるのかなぁ。いまの学校の先生が、プログラミングを上手に教えられるのかなぁ?」と、なんとなく気にはなっておりました。
文部科学省の新学習指導要領も公開されているので、目を通してみましたが、素人には要領が得られませんでした。要領なのに。な〜んて。
※注:学習指導要領は、とてもわかりやすくできています。プログラミング教育の実際についてが、わたしの理解力不足もあり、わかりづらかっただけで。
もちろん、そこに、原則的なことがもちろん書かれているのですが、実際の現場に・どの程度・どのような形で、プログラミングが導入されるのかは、結局それぞれの学校ごとの判断になるらしく、具体までを想像できなかったのです。
また「プログラミング」という科目が増えるわけではなく、すべての教科で『まんべんなく』プログラミング教育(論理的思考)を取り入れるともなっており、どの教科にどのようにプログラミング教育がやってくるのかが、???、でした。
※『まんべんなく』について:算数と理科は最低限プログラミング要素が必須と定められていたりするので、やや表現に齟齬がありますが、わかりやすい言葉として「まんべんなく」を選んでいます。
そんなある日「おや?教科書があれば、それを読んだほうが、小学生向けに書かれてるモノだし、理解しやすいのではないかしら?」と、思いつきました。
でも、来年度の教科書なんて、どこで売っているかなんて知りません。しかも教科書というのは0円らしい。小学校に通う以外、どのように入手したらいいか、さっぱり、わかりません。
※ここ、教科書の買い方とか入手方法ご存知の方、いらっしゃいましたら、ぜひ、コメントなどで、お教えいただけると助かります。
そこで、地元の役場の方にそのことを相談すると、教育委員会の方が、新教科書を見せてくださる機会をつくってくださることになりました。
本当にありがとうございます。
8月に、来年度の教科書の選定(たくさんの出版社から発刊される教科書の中から、地元で採用するものを、選定する)が終わるということで、それを待って、役場に伺いました。
そこには、小1から小6の新教科書フルセットを、ご用意いただいてました。
脳裏に描かれたのは「あかん、この量、この場では全部に目を通すのはムリかも(汗」でした。
それが態度に出ていたのか「、、、いま全部読むとかムリですよね、読み込みたいのなら、貸し出しますよ」と、とてもうれしい対応をいただきました。
本当にありがとうございます。
家に持ち帰って、さっそく手にとり読みはじめてみました。
まずは、一番期待値が高い、高学年の理科と算数の教科書からです。
・・・
「ふむ〜、こんな感じか〜」
・・・
プログラミング教育について、思うこと、感じることがありました。
他の教科書もいくつか読んでみました。
・・・
「ふむ〜、こんな感じか〜」
・・・
プログラミング教育について、思うこと、感じることがありました。
いいなと感じることも、おやおや?と感じることも。
ネタバレになるので、ここには詳しく書きません。
思わぬ副産物といいましょうか、プログラミング教育以外でも、発見がありました。
こちらは、多少ネタバレになりますが、挙げると、
- 某未来の猫型ロボットが教科書に登場してる。まじか?
- 昔と比べて、カラフルだ。フォントもなんか全然違うぞ
- 教科書のあちこちにQRコードがついている、、、だと?!
などなどなど、、、
ワクワクとは違うかもしれませんが、教科書が、とても楽しい読み物に思えたのです。
これは、現在の小学校の教科書を、おとなたちが改めて手にとり、読んで感じたことを話しってみる会を開いたら、とても楽しいのではないか?
と、思いつきました。
プログラミング教育が始まる云々を抜きにしても、楽しいのではないかと、思えたのです。
思いつきはしたものの、日々もそれなりに忙しく、それを実行にうつすのは、なにか「きっかけ」が必要で、脳内企画のまま、2〜3ヶ月が過ぎていき、、、
ある日、Facebookで「アトリエ秋葉原」の運営の方が、「会場を無償で貸し出しはじめるよ」という案内を出されているのを目にしたのです。
※もちろん場所の目的にそくしたイベントに限られています。
これは「教科書を読む会」を、やるべきタイミングではないかしら?
しかも、会場が入っている建物は、廃校になった元中学校で、貸していただけるのは、元教室です。
イベントと雰囲気合うじゃないですか!!
と、「くすぶりつつあった思いつき」に火がつきました。
すぐにメッセを送るなどし、企画内容を伝えたら、会場を貸していただけることになりました。
本当にありがとうございます。
個人的な都合からも、開催するとなると、約一週間後の設定です。
イベント集客期間が一週間は、小規模イベントではあるものの、とても短い部類に入ると思います。
しかも「世界初!」とまで大げさには言いませんが(苦笑)、「教科書を読み合わせる会」なんて、今までに私の周りでは聞いたことがないイベントです。
会の進行方法についても、ぼんやりとしたイメージはありましたが「ハウツー、教科書を読み合わせる会の開き方」なんて、手引書もありません。
そんなのに参加したいと思うでしょうか?
まだ形がない会の魅力や内容を、上手に伝えることができるでしょうか?
さらに、教科書というものに対しては、ひとはどちらかというと、ぼんやりとした苦手意識があったりしないでしょうか。
また「あらためて読むことが面白い」なんて思いつきも考えつきもしない大人が、ほとんどじゃないかな?な〜んて気もしてきます。
告知先も、自身のSNSに書いてみるくらいしか、思いつきません。
このような状況なので、
「参加したい!」
と、そういう動機にまで、至っていただける方がどれくらいいるのか、やはり、不安でしたが、、、
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いいや、わたしと同じように、来年度からの小学校でのプログラミング教育が具体にどうなるのか、気になってる方はたくさんいるはず。
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それをカジュアルに知る方法として、新教科書を読んでみるってのは、「発明!」とまでは言わないけれど、面白い手法だとと感じてくださる方はいるはず。
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4月になったら、教科書は流通し始めるし(一般人が買いやすいかどうかはわからないけど、図書館などでも閲覧しやすくなるはず)、まだ来年度の教科書を入手しにくそうな今の時期の開催しかない。
と、せっかくの機会だし、やってみるか〜!と、
内容は、ただの「教科書の読み合わせ会」でもよかったのですが、やはりスパイスになるから「令和2年度から始まるプログラミング教育と小学校教科書と」というサブタイトルをつけ、
イベント告知ページをたちあげました。
そうしたら、
「こいつ集客方法あんま持ってねぇな」
という雰囲気を感じていただいたのか、アトリエ秋葉原のかたから
「内容が場所の目的にもあってるし、会場としても、イベント告知をシェアするよ」
という、大変うれしい協力もいただきました。
そんなこんなで、ふたをあけると、定員が15名と、小粒なイベント設定ではありましたが、満員御礼です。
本当にありがとうございます。
当日開催直前
当日の若干のドタキャン(とはいえ、きちんとウェブ上でキャンセル申請はいただきましたが)は、やはり悲しいですね。
イベントを運営する側になると、痛いくらいに感じます。開催日が迫ったキャンセルは、できるだけしないようにせねばと。
※無料イベントってむずかしいですよね。定員がある場合、とりあえず申し込んでおいて席を確保しておき、後々、参加するか精査されるような方が、少なからずいらっしゃる。特に東京開催のイベントは、あっという間に満席になるイベントも少なくないからキャンセルが多いような風潮を感じます。こういう主砲が「席をおさえるテクニック」になっちゃってるような、、、いやなテクニックですが、、、あ、話が逸れた。
教科書night 直前の午後は、わたしはデペロッパーさんが集まるイベントに参加していたため、そこで「来年度からのプログラミング教育うんぬん〜、、、に興味ない?実は、今晩イベントするのだけれど来ない?」と何名かにお声がけしたところ、「えらい急な話やないか〜い」というような返しをいただきながらも、何名かに、ご参加いただけました。
当日キャンセル分の参加者さん数を補填できて、なんだか、ホッとしました。
会場入りが、ぎりぎりでした。
アトリエ秋葉原産にて、ふだんは使ってない、中学校当時の、机と椅子を、倉庫から出してまで用意くださっていて、これまた大感謝でした。
机4つの島を3つ用意し、それぞれに、1-2年生、3-4年生、5-6年生の教科書をならべ、設営完了です。
さぁ、教科書night
ざっとしていた進行イメージ
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最初に、すきな教科書を選び、そこにプログラミングっぽい要素が、いくつあるか予想する。
教科書はまだ開いちゃだめ。表紙をみて、きめて、予想します。
例)書写なんて教科書には、プログラミング要素はさすがに0が濃厚だけど、はたして?
高学年、算数とか理科とか、まぁ要素は見つかりそうだが、5個くらい?30個くらい?数の予想は難しい? -
予想発表とともに自己紹介
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手当たり次第読む
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気づいたことは、机の島ごとになんとなく共有する。しゃべりながら読む。
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このとき、プログラミングっぽいのには大きな付箋を。プログラミング関係ないけど、おもしろい!とか、自分の頃と違う!など、きづいたことには小さな付箋を貼っておく。
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20〜30分で、島を移動したり、メンバーを入れ替えたりする
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最後に、最初の予想とどう違ったか、なにを発見できたかを発表しあう
雰囲気は、なごやかに。
だから、ハッピーターンとか、缶ビールもってこようぜ!っていうかんじで、募集時にアナウンスさせていただいてました。
始まった
自己紹介がおわって、みんな、ざくざく読み始めたんだけど、、、、
もうね、なんだろう、すごかった。
今後、同じような会を開く奇特な方がいらっしゃったらとおもうと、ネタバレしたらもったいないから、詳細は、ここに書けないんだけど。。。
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教科書をわくわくしながら読んでるおとなたちってシーンがまず、おかしい。徐々に変なテンションに、みんななっていったとおもう。かるくアルコールをいれてもらったのも、良かった。
└ ここ、元中学校の教室で、中学生の机と椅子で、、、とかシチュエーションにも、めっちゃアシストしてもらった。 -
徐々に、論理的な屁理屈がとびかいはじめる。それはプログラミングじゃないやろー!
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えっと、その「配列」は、あの「配列」ですか?
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プログラミングぽいのもあるけど、ICTリテラシーっぽいのもあるね。<= 丁寧にするなら付箋の色を分けるとかしてもいいかもしれない
もっともっと、おもしろい発見が飛び交います。
プログラミング脳だけじゃなく、デザイナー脳からの発想や、来年から小1になるおこさんをもたれる親からの視点などなど。。。
あっという間に時間がすぎちゃいました。
ぼくのファシリテーションは、グダグダだったのに(滝汗)、ほんとにもう、楽しかった。
参加者さんにも楽しんでいただけたと思う。だって、みんな顔が、ほころんでいたのですもの。
そう思いたい。
反省点
時間があっとうてきにたりない〜〜〜
机の島ごとのメンバーを変える。は、できませんでした。
教科書は、読みたいのを適宜島ごとに交換してもらいましたが。
「小4の理科とって〜」とか「図工どこ〜?」とか、声かけながら。
すべて参加者に、すべての教科書を読んだり感じたりしてもらうことはできなかった。
うまれた迷言!?パワーワード!!
『だって、6年間かけて読むものを、2時間で読むのはムリに決まってるやん』
はい。おっしゃるとおりです。
どうしたらいいのか。6年かけて、教科書night をやるべきなのか!?(違
プレを1時間くらい、4〜5冊で読み合わせる会をやって、もっとやりたい!って変態がたくさんでてきたら、温泉合宿教科書night ってスペシャル開催かなぁ。
お片付け
おわってから、お片付け。ってなったのに、みなさんには、机を運んでいただいたり、教科書をかたづけていただいたりご協力ありがとうございました。
解散予定時刻を大幅にオーバーしちゃって、主催としては、申し訳なかったです。
ごめんなさいでした。
やってよかった!!
なんだか、すごくリーズナブルに開催できて、満足度も比較的たかい、イベントの枠組みをつくれたんじゃないかしら?くらい、自画自賛中です。
もっともっと、ファシリテーションや、アジェンダを精査する必要はありますが、とにかくなんだかとても楽しいんです。
もしかしたら、ファシリテーションなんてなくとも、だらだら読んで、しゃべるネタにするだけでもいいかもしれない。いろいろ試したいな。
プログラミング脳というか、屁理屈マン!?が、多く集まることが、面白くなる要素 ではありますが。
だって、一年生のあの文系教科書から「これはabstract宣言で、プログラミングやな」とか見つけて言い出すんですよ。おかしいでしょ。
とはいえ、プログラミング脳以外でも、デザイナー脳でみたり、まったくほかの、例えば薬剤師さんが読むと「実はこの教科のここが、今の業務に関連してるな〜」って発見いただいたり、いろいろ楽しみ方はありそうです。
今回の「プログラミング教育の必修化」は、あくまできっかけで、教科書nightが、おとなたちが、こどもたちの今の教育を知る機会に育っていったらいいなぁと、夢想しています。
つぎの構想は?
・はやく地元(長野県諏訪郡富士見町)で、開催しなくちゃ。茅野辺りまでいくのもいいけど。
・教頭ひとすじ30年!みたいな方が参加してみてほしいかも。現役でも定年退職されていても。
・日本以外の教育を受けてこられた方で、日本語を読める方が参加したら、どう感じるかなぁ。
・だれか他の地域や場所で、やってみたい!っていう、同志とつながってみたいなぁ。
ハッシュタグ、#教科書night が、増えていったら、楽しいなぁ。
教科書バー
だが、いちばん、やりたいのは 教科書バー
ただただ教科書がならんでいるバー。常設までは、大変かもしれないけれど、さりとて、この3ヶ月くらいは、まぁまぁイベント性があるから、お客さんを呼び込めそうな気がしています。
「おれはプログラミング脳だ!」って自覚症状あるひとは、あたらしい教科書を飲みながら読むの、とっても楽しいことは保証します。
まずは、大阪は、あのサブスクリプションバーで、臨時にやらせてもらう可能性相談しようかな。
コナイトさんに集うメンバーだと、8時間くらい、飲みながら読みながら駄弁れそうだ。
ゆくゆくは、教科書は最新のもあれば、旧いのがあってもいい。自分たちが小学生当時のものまで。全種類揃えるのは大変そうだけれど。紙の教科書を持ち運ぶ超大変だから、常設店になったら。
もしくは、キッチン&図書館カー!?、、、これ可能性あるかも。全国行脚しようかしら。
謝辞
教科書をこころよく貸し出していただいた、役場・教育委員会の方にはもちろん
会場をこころよく貸し出していただいた、アトリエ秋葉原さま
そして、イベント内容が超ベータ版にもかかわらず、あたたかく素敵な時間を共有してやろうとしてくださった、参加者のみなさんに、何より感謝です。
ありがとうございました。
ここまでかいてみて、ふと
「教科書を読み合わせる会」って、ふつうにあるよ、ガイシュツだよ!!
もしそうだったら、ご容赦ください。
そして、そういう会について、教えていただけませんか?
真面目な教科書選定の会じゃなく、カジュアルっぽい会があれば。
おまけ1
教科書重い、重たすぎるよ。かばん壊れそうだったよ。
おまけ2
簡単にかくつもりが、だらだら長文になってるし、句読点おおすぎたりするし、まずは国語の教科書よまなくちゃです (^^;