はじめに
OpenShift(OCP)をPower Systems Virtual Server (以降PowerVS)にデプロイする、という記事はこれまでいくつか投稿があり、非常に参考にさせていただいてます。ただ、OpenShiftやPowerVSの進化が早く、必ずしも現状について行けていない点があることに気づきました。そこで、本記事(および「詳細編」)では、最新のOCP 4.10を、2022年7月1日現在のPowerVS(東京/大阪リージョン)にデプロイする方法を紹介したいと思います。
本記事は、以下のページを参考にしています。
Installing Red Hat OpenShift Container Platform 4.x on IBM Power Systems Virtual Servers
https://developer.ibm.com/tutorials/install-ocp-on-power-vs/
Install OpenShift on PowerVS
https://github.com/ocp-power-automation/openshift-install-power
手順概要
OCPをPowerVSに導入する手順は、基本的に上記の"Installing Red Hat OpenShift Container Platform 4.x on IBM Power Systems Virtual Servers"の記事に従います。
手順:
- OCP導入のためのPowerVSの準備
- RHELとRHCOSのOVAイメージを作成して、PowerVSに登録
- OCPをPowerVSへ展開
ただし、わたしが試したときは、「2. RHELとRHCOSのOVAイメージを作成して、PowerVSに登録」の部分について、以下の手順を変更しました。
RHEL 8.xのイメージは、OSAとTOKでは既に準備されているので作成不要
以前はPowerVSではRHEL 8.xのイメージは提供されていなかったのですが、現在は提供されています。OCPのデプロイ手順では、提供済みのイメージを使うことも可能です。ライセンス的に問題なければ、PowerVS提供のイメージを利用すると手間を少し減らすことができます。
なお、RHCOSのイメージはPowerVSでは提供されていないので、予め作成してインポートしておく必要があります。
RHCOSのイメージとして4.10を使う
OCP 4.10を導入するので、RHCOSのイメージも4.10.xを使いました。
rhcos-4.10.16-ppc64le-openstack.ppc64le.qcow2.gz
https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/ppc64le/dependencies/rhcos/latest/rhcos-4.10.16-ppc64le-openstack.ppc64le.qcow2.gz
OVAをPowerVSへインポートするとき、Webコンソールを使う
上記のチュートリアルでは、以下のCLIを使ってICOSへアップロードしたRHCOSのOVAをPowerVSへインポートすることになっています。
export IBMCLOUD_API_KEY=<IBM_CLOUD_API_KEY>
pvsadm image import –pvs-instance-name <instance-name> --bucket <bucket-name> --object <object-name> --pvs-image-name <image-name> --bucket-region <region>
ただ、わたしが試した限りでは「rhcosのディストリビューションはサポートされていないよ」というエラーになってしまいました。
そこで、PowerVSのGUIで試したところ、うまくインポートすることができました。ただし、GUIでインポートを実行してから、実際にインポートが完了するまで1時間くらいかかります。その間、画面上にプログレス表示が無いので不安になります。が、インポートをキックして、しばーらくしてからリロードするとインポートが完了していました。
詳細編へ続く
ここまでが、OCP 4.10をPowerVSへ導入するときに参考資料と手順が異なった部分の概要です。
実際に導入したときの詳細手順や、トラブルについては「詳細編」でご紹介したいと思います。