※この記事はモチベーションクラウドシリーズ Advent Calendar 2022 の8日目の記事です。
はじめに
初めまして、CRE(Customer Reliability Engenieering)チームでテクニカルサポートとプロダクトマネジャーを担っている粟田です。CREチームではお客様からの問い合わせのうち、技術的に解決する必要がある内容について、JIRA Service Management(以下JIRA)を使って管理をしています。
本記事では、JIRAを使ってきたからできた、よかったことを紹介していきたいと思います。
問い合わせ対応の体制
前提として、弊社におけるお客様からの問い合わせの対応は、以下のように、
- 一次対応はカスタマーサポートが応対
- カスタマーサポートにて解決できない問題が発生した場合に、カスタマーサポートよりCREに依頼
という体制をとっております。
上記における、カスタマーサポート⇆CRE間で、JIRAを用いております。
JIRAを用いてよかったこと
それまではメールを用いて行っていた問い合わせ管理でしたが、
- カスタマーサポートがメールに問い合わせを記載するのに一定のコストがかかる
- 受信した依頼を、開発チームが利用するツールに転記する不要な作業が必要になる
- 問い合わせ応対に対してのデータが取得できない
といった課題があったため、去年の7月ごろにJIRAを導入しました。
その後JIRAを継続的に利用していますが、結果として、以下の3点に価値を感じました。
- 問い合わせ応対品質をSLOとして計測可能に
- 問い合わせ対応の工数削減を目的とした分析が容易に
- 必要な情報を摺り合わせるための依頼フォームの修正が容易に
具体的な設計方法を含めて説明いたします。
問い合わせ応対品質をSLOとして計測可能に
JIRAを導入する以前のメールでの問い合わせ受付を行っていた際、問い合わせ対応における目標設定は、一件ごとに設ける返信までの期日ルールが遵守できているかどうか、カスタマーサポートの方々へのアンケートでの定性的な評価を元に行っておりました。
しかし、
- 1件でも期日を漏らしてしまうと、その期間の目標は未達となり、改善が不可能
- 評価のために一定のコストがかかるため、頻度高い振り返りが実施できない
といった課題をはらんでおりました。
そのため、JIRAを用いて
- 初回応答速度(=カスタマーサポートの方からの依頼を受信してから、一次応答するまでの時間)
- 平均解決時間(=チケットが解決されるまでの平均時間)
の2点が測定されるようにし、過去平均をもとに目標とすることで、問い合わせ応対の品質に対して継続的に改善を行うことができるようになりました。
問い合わせ対応の工数削減を目的とした分析が容易に
問い合わせ対応をやっている部署は、日々増え続ける問い合わせをなんとか改善して減らさなければと思いながらも、何に時間を使っているのかを測定するのに時間がかかるため、結局課題を明確にできず、打ち手も打てないような状況に陥ることがあるのではないでしょうか。
自チームでもよくどの機能に対しての問い合わせが多いのだろう、調査対応に時間がかかっているのだろうと考えるものの、それら情報を全ての問い合わせに付与しようと思うと時間がとられるため改善に手が回せない状況が発生しておりました。
そこで、問い合わせをクローズする処理の中で、
- JIRAのラベルで機能種別
- チケットの解決までの調査対応にかかった時間
を入力項目として用意し、負荷のない範囲で分類/測定できるようにしました。
※画像は少し古いため、機能種別の入力項目はありませんが、現在は選択できるよう修正しています
結果として、定期的に機能分類や依頼種別ごとに、件数や対応時間がかかっているのかが容易に閲覧可能になり、課題や改善策の検討も容易にすることができています。
必要な情報を摺り合わせるための依頼フォームの修正が容易に
問い合わせ対応の中で、発生している問題を調査をするためには、原因究明のため、さまざまな情報が必要になります。また自チームの場合は、機能として提供できていない特定のデータの出力等の作業も依頼をいただき対応しておりますが、その際も対象の認識の齟齬を生まないために、具体的な情報のすり合わせは必須でした。
JIRAを用いた利点として、上記のような必要な情報の取得をフォームを用いて行うことができ、またその入力フォームを容易に改善できる点がありました。
この観点は依頼をもらってから確認し直すことが多いため入力フォームに追加する、このデータ出しをよく相談もらうため依頼フォームを作成しくり返す情報のすり合わせを不要とする、など改善が促進されるようになりました。
まとめ
今回は、問い合わせ対応のうち、利用しているJIRAについて、改善に向けた利用の観点や活用方法について説明させていただきました。
どの企業でも、問い合わせ対応は必要でありつつも、その難易度などから改善が後回しになってしまったり、改善に時間が割けなくなったりすることがよくあるのではないかと想像しています。
そんな方々に、少しでも改善の観点をご共有できたら幸いです。
また、こんなこと聞いてみたい、などの質問や、もっと良い方法知ってるよ、などの情報共有も、もしありましたら是非コメントいただけると幸いです!