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社内 DeepRacerLeague の取り組みと縁の下から支えた超短期間での構築手法(前編)

Last updated at Posted at 2020-05-12

こんにちは。
株式会社日立システムズ ビジネスクラウドサービス事業グループの藤巻です。

当社当事業部では昨年2019年9月より2020年3月にかけて、事業部内 DeepRacer League を開催していました。
image.png

※当時、社内に貼られていたポスター。 AWS DeepRacer ロゴなどは AWS 様の許諾を得ています。

はじまり

2019年7月中旬。わたしが AWS Japan APN Ambassadors に選出されたことと当社内のスキルコンテストで準優勝したことに対する祝賀会の会場でした。

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本部長「あらためて APN Ambassador 選出おめでとう」
わたし「ありがとうございます」

本部長「AWS のサービスってたくさんあるけど、今、面白いのって何かな?」
わたし「…今、面白いというかハマってるのは DeepRacer です」
本部長「DeepRacer?何それ?」
わたし「機械学習の強化学習でラジコンカーを自動運転する AWS のサービスです」
本部長「DeepRacer って機械学習のサービスって言ったけど、 AWS の勉強にもなるかな」
わたし「やり方によってはなると思いますよ」
本部長「知ってのとおり、クラウドの案件はたくさんあってどんどん伸びているよね。だから、もっと、クラウドエンジニアを戦略的に増やしたいと考えてるいんだ」
わたし「楽しんで学ぶことができますし、例えばログ解析から CloudWatch Logs に触れていき、徐々に触る領域を増やしていけるので導入にはよいと思いますよ」
本部長「普段、業務でクラウドを使っていない…例えば、メインフレームのサポートのメンバーも巻き込んで技術習得できたらよいよね」
わたし「はい!」
本部長「なら、予算つけるから、DeepRacer を使って事業部横断でやろうよ。9月初めから」

といった流れから、AWS DeepRacer を用いたクラウド人財育成の試みが始まりました。

社内 DeepRacer League

取り組み内容

AWS DeepRacer を利用したクラウド・AI 基盤人財育成

AWS DeepPacer をとおして、AWS システム構築および機械学習(強化学習)の動作を経験し、その経験とスキルを社内・社外での競争を通じて技術者の育成につなげる。

目的

  • 「クラウドアレルギー」の払拭
  • オープン開発に慣れる
  • 強化学習(RL)技術の習得

体制

事務局 ←わたしはここで環境取りまとめ、導入を担当
├チーム1
├チーム2
| :
└チーム13

期間

2019年9月初週から2020年3月頃まで

参加者属性(2020年3月時点)

image.png

  • エントリー数43名、1チームあたり3名前後で構成
  • 本部長:4名(本部長のみで構成されたチーム「イニシャルH」)
  • 部長職:10名
  • 課長職:4名
  • 主任職:16名
  • 担当職:9名(2019年度新卒社員含む)

このように職位や職種、年代を超えて参加者が集まりました。

AWS未経験者は半数程度。
当事業部は、ミドルウェア(ソフトウェア)やオンプレミス、メインフレームといったレガシーだが社会基盤になっている製品をサポートする業務のメンバーが非常に多い部署です。

だからこそ、冒頭の本部長の発言にあったように「普段、業務でクラウドを使っていないメンバー」を巻き込んで社員みんなで成長しようとの想いで取り組みが始まりました。

レギュレーション

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  • AWS のサービスは自由に使ってよし
  • DeepRacer コンソールに限らず、自由に使用 OK としました。
  • 各チームの予算
  • 400ドル/月。超えると、順位付けの際に減点。
  • 順位を付ける
  • 社内1位、世界1位をめざす
  • 毎月 LT 形式で振り返り会を実施
  • 部署を超えて情報共有して横連携を強化
  • 情報発信(アウトプット)を意識づける
  • 人前で話すことの経験を得る

Virtual League 参戦の結果

AWS 社が開催している仮想的な競技会である、 Virtual League があります。
わたしたちは、2019年10月と11月に参戦し世界と競い合いました。結果は以下のとおりでした。

  • 2019年10月
  • 参加者 1983 名に対して 105 位(社内参加者最高順位に対する世界順位)
  • 2019年11月
  • 参加者 902 名に対して 12 位(社内参加者最高順位に対するの世界順位)

AWS DeepRacer Japan Cup への参戦

AWS 社主催で AWS パートナー企業を対象とした実機レース開催される予定でした。
この開催発表の前後に、社内にコースを用意し、実機をお借りして 仮想環境と実機の差異に四苦八苦しながらも最適なモデル作成を楽しみながら模索していました。
image.png

image.png

しかし、こちらについては、COVID-19 の影響により残念ながら延期となりました。
現在は、チームで上位をめざせるように再始動に向けてエンジンを暖めて待っているところです。

参加者からのコメント(抜粋)

  • 普段、バグの修正依頼や原因の究明などの仕事をしているので、自分が構築したものが動くのは面白い経験でした。
  • 普通の製品の場合は設定どおりに動作しますが、強化学習はパラメーターを変更しても意図どおりに動作せず苦労しました。
  • パラメータの調整などに苦労しましたが、やればやっただけ成果がついてくる点が面白く達成感がありました。
  • 機械学習や AI といった技術に対して、「難しそう」であったり、「取り組みにくい」と思うような苦手意識を取り除くよい機会になったと感じました。
  • 解析やプログラミング、考え方、AWS ツール利用でどうすればもっと使いこなせるか?を教えてくれる講師が欲しい。
  • 目的に掲げていたアレルギーをなくし、というところで、なくなるどころかアレルゲンが増えました。

まとめ・振り返り

もともと経験や興味があったメンバーは問題なく強化学習に触れ、楽しみながら学べたと感じました。
中には、入社1年目にもかかわらず、AWS 認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナルに合格したメンバーも出てきました。

しかし、職場単位でチーム編成を行っていたため、AWS や機械学習を知っているもしくは興味があるメンバーの偏りが発生していました。
そのため、ケアが行き届かず、結果的にアレルゲンが強くなったと感じた方も出てしまいました。
「分からないところがあれば聞いてください・調べてください」を基本スタンスにしていましたが、次回以降は、開催前に不安がある方向けに勉強会を開催したり、研修への出席をお勧めしようと思います。

そして、この DeepRacer League の実施を契機に、さまざまな取り組みに柔軟に挑戦できるよう社内を活性化していけたらと思います。

技術面の話

この 社内 DeepRace League を縁の下から技術面で支えた内容について、後編にて引き続きお伝えします。

日立システムズについて

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