Raspberry Piには標準で電源スイッチがありません。開発時はターミナルから sudo shutdown -h now でシャットダウンできますが、店頭や現場で運用する場合、毎回コマンド入力は非現実的です。また、電源ケーブルを直接抜くのは推奨されません。
そこで、安全に電源を落とすためのシャットダウンボタンを自作する方法をまとめます。
準備するもの
• モーメンタリスイッチ(今回はシンプルなステンレス製を使用)
• 塩化ビニール被覆平行電線(0.2sq 10mなど)
• 収縮チューブ
• はんだ・はんだごて
• Raspberry Pi本体
スイッチの種類について
スイッチには「モーメンタリ」と「オルタネイト」があります。
• モーメンタリ:押している間だけON
• オルタネイト:押すたびにON/OFFが切り替わる(例:100均のフロアライト)
Raspberry Piのシャットダウンボタンにはモーメンタリタイプを使用します。
ハードウェアの実装
1. スイッチに配線をはんだ付け
塩化ビニール線をスイッチの両端にはんだ付けします。 はんだ付け部分は収縮チューブで保護しましょう。
2. Raspberry PiのGPIO端子に接続
- スイッチの片方をGPIO3(SCL)に、もう片方をGNDに接続します。
- GPIOピンが抜けやすい場合は、ブレークアウトモジュールを利用すると安心です。
ソフトウェアの設定
Raspberry Pi OSでは、GPIO3ピンにシャットダウン機能を割り当てることができます。
1. ターミナルで以下を実行し、/boot/config.txt を編集します。
sudo vi /boot/config.txt
2. ファイル末尾などに下記の1行を追記します。
dtoverlay=gpio-shutdown,gpio_pin=3,debounce=2000
debounce=2000 とすることで2秒長押ししたときだけシャットダウンするようになります(誤動作防止)。
再起動後、設定が有効になります。
動作確認
• シャットダウン時:スイッチを2秒ほど長押し
• 起動時:電源OFFの状態で同じスイッチを押すと起動
これで、Raspberry Pi本体から離れた場所に電源ボタンを設置しても、安全に電源のオン・オフができるようになります。
まとめ
Raspberry Piを店頭や現場で安全・便利に運用したい方は、シャットダウンボタンの導入がおすすめです。 配線や設定もシンプルなので、ぜひ試してみてください!