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NUCで始めるVMware Tanzu - TKG紹介

Last updated at Posted at 2020-12-12

本日は、(やっと・・)TKGの紹介をしたいと思います。
ここまでで、企業のインフラを支える基盤の大変さを、少しでも理解していただけると幸いです:grinning:

TKG?

そう聞くと、やっぱり「アレ」を思い浮かべますよね・・?
念のため、Googleさんに聞いてみました。
スクリーンショット 2020-12-12 11 39 38
そうです、日本では「卵かけご飯」を連想してしまう人が、ほとんどでしょうw
では、プライベートウィンドウにして、英語で検索すると、どうなるでしょう・・?
スクリーンショット 2020-12-12 11 44 55
これは、予想外:sweat: 卵かけご飯、世界的にも有名だったのか・・・。
ただこちらには、「What is VMware Tkg?」と、サジェスチョンが出てきます。
つまり、卵かけご飯の次くらいには、VMwareのTKGが有名だということですねw

いきなり脱線してしまいましたが、TKGとは、Tanzu Kubernetes Grid の略です。
ちなみにGridとは、Weblioで検索するといくつか意味が出てきますが、この中では、「(電線・水道・ガスなどの)敷設網」の意味が近いです。2000年代前半に、「グリッド・コンピューティング」というバズワードがありましたが、そのKubernetes版と思って下さい。

また、公式ドキュメントDay3でも触れていますが、TKGには2つの意味があります。

  1. Kubernetesランタイム:VMwareによってテスト、署名、サポートされた、アップストリームと互換性のあるKubernetes実装の提供。vSphere with TanzuやTMCといった他の導入ソリューションでも、こちらの意味でのTKG(VMwareがサポートするKubernetes)が使われている。
  2. マルチクラウドKubernetesクラスタ基盤の導入ソリューション:1に加え、VMwareがサポートするOSSアプリケーション(レジストリ、ネットワーク、監視、認証、イングレス制御、ログサービス)が含まれる。2020年12月12日時点の対象環境は、vSphere(オンプレミス環境)、VMC on AWS、Amazon EC2、Microsoft Azure。

前置きなくTKGというワードが出てきた場合、上記のいずれかを意味することを、覚えておいて下さい。(2の意味の方がよく使われるかも。。)

Cluster APIについて

皆さんは、Cluster APIとはなにか、ご存知でしょうか?
なぜ急にこんな話をするかというと、TKGがマルチクラウド環境を実現する技術の核となっているのが、このCluster APIだからです。2020年12月1日、奇しくも同日に、AmazonからEKS Distroが発表され、GoogleからはAnthos on bare metalが発表されました。共に、オンプレミス環境に自社ソリューションを入れるためにCluster APIが用いられており、今、最も注目の技術の一つと言えます:sunglasses:

で、Cluster APIって何?

皆さんは、Kubernetesクラスタのインストールを経験したことはありますでしょうか?あれ、結構面倒ですよね?やっぱりそう考えている人は結構多くて、「Kubernetesクラスタを管理するのもKubernetesに任せたらいいんじゃね?」と、始まったプロジェクトが、Cluster APIです。
Introductonによると、「Cluster APIは、複数のKubernetesクラスタのプロビジョニング、アップグレード、運用を簡素化するための宣言的なAPIとツールを提供することに焦点を当てたKubernetesのサブプロジェクト」とのことです。
クラスタのライフサイクルに関するKubernetes SIG(Special Interest Group)として立ち上がり、2018年6月に最初のα版のTagがついています。Top Contributorsを見ると、VMwareのメンバーが名を連ね、TKGとしても2020年4月9日にGAしているため、VMwareに一日の長がある技術と言えます。

どんな仕組みなの?

割とこの絵にある3匹の亀が、Cluster APIをよく表していますw

  1. Bootstrap provider(親ガメ):対象インフラ(vSphereとかEC2とか)にアクセス可能であれば、ローカルPCでも踏み台環境でもどこでも良いです。利用者は事前に、kubectl、docker、kind(kubernetes in docker)、そして、clusterctlを準備します。initコマンドにより、対象インフラの情報を与えることで、子ガメ(Management Cluster)を産み出します。
  2. Management cluster(子ガメ):対象インフラ毎に一つ必要であり、たくさんの孫ガメ(Workload cluster)を生み出すためのKubernetesクラスタです。
  3. Workload cluster(孫ガメ):実際にAPPを動作させるためのKubernetesクラスタです。手軽に複数のWorkload clusterを生成・管理することが可能です。なお、TKG環境では、Workload clusterのことを、Tanzu Kubernetes Cluster(TKC)と呼びます。

この3世代のカメにより、マルチクラウド・マルチクラスタ環境で一貫性のあるKubernetesクラスタの量産を実現します。(もっと掘り下げると、VMのデプロイを実現するためのCRDの話とかもありますが、、止めておきますw)

もう一つの技術ポイントとして、Cluster APIでは、Control Planeの導入に kubeadm が用いられています。こちらのプロジェクトにも、VMwareの技術者が大きく貢献しています。

TKGがサポートするOSSアプリケーション

まず、VMware docsにより、TKGでの導入方法のドキュメントサポート(ただし、現時点では英語のみ。。)が提供されています。私の感想ですが、TKG v1.2になって、割と筋のいいOSSラインナップが揃ってきたなと思います。

カテゴリ OSS名 docs どんなOSS?
コンテナレジストリ Harbor here 組織内にプライベートコンテナレジストリを構築するソフトウェア。
CNI Antrea here TKG v1.2からTKGのデフォルトのCNIとなった。Open vSwitch(OVS)により、様々なプロトコルを取り扱えるようになっているのが特徴。将来的にWindowsコンテナのサポートを見据えての変更と思われる。
CNI Calico here Kubernetesで最も実績のあるCNIの一つ。Network Policyにいち早く対応し、柔軟なアクセス制限をかけられるようになった実績がある。TKG
Backup/Restore Velero here Heptioが開発した、KubernetesリソースのBackup & Restoreで最も実績のあるソリューションの一つ。
Log Fluentbit here コンテナログのフォワーダ。fluentdの方が実績があるが、軽量版なのでコンテナ向き。
ユーザ認証 Dex /
Gangway
here Dexは、managementクラスタに導入し、IDプロバイダと接続。GangwayはTKCに導入し、Dexと連携してkubeconfigを払い出す。
Ingress Contour here Heptioが開発した、EnvoyベースのIngress実装。HTTPProxyというCRDにより、通常のIngressよりも柔軟なL7ルーティング管理を実現している。
Monitoring Prometheus here Kubernetes監視ツールの定番。Kubernetes内のあらゆるメトリクスを時系列でデータ取得する術を持つ。また、AlertManagerという通知ツールも同梱される。
Monitoring Grafana here データ可視化ツール。Prometheusのデータを可視化するため、セットで使用される事が多い。
オペレーション支援 Carvel Tools here 旧k14s。ytt/kbld/kapp/imgpkg/kapp-controller/vendirの6つのツールの集合。TKGの他のツールのインストール時、ちょいちょいお世話になる。

ただし、詳細な各OSSのサポートレベルは、Tanu Editionsによっても異なってきますので、気になる方は問い合わせすると良いかと思います。

はい、本日は終了です。明日はいよいよ、TKGを導入してみます!

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