182
147

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

GoogleMapへのリンクURL作成方法を調べた

Last updated at Posted at 2019-05-29

サイトにGoogleMapを埋め込む場合、Googleが提供しているJavaScriptのAPIを使用するのが一般的です。

そうではなく、a要素で作るような単なるリンクを作成したい、という場合にどういう規則でURLを作成すればよいのか調べてみたものです。

前提

システム側で、マップを作成するための住所や緯度経度、建物名を保持していて、URLを自動生成するものとします。つまり、一つ一つの所在地をGoogleMapで調べてリンクを取得したり、短縮URLを取得していく方法は使いません。

更新

Google Maps APIを調べた結果の変更点のみ記載します。最新仕様は各自調べてください。また、見落とし等あるかもしれませんがご容赦ください。

日付 内容
2019年5月29日 新規
2020年11月14日 Display a maplayerパラメータ追加
2021年3月28日 Google Mapへのリンクがリンクカードに置き換わっていたので通常のリンクに修正

公式ドキュメント

Maps URLsという文書があり、そこに書いてあります。公式ドキュメントを引用すると、

簡単な解説

Using Maps URLs, you can build a universal, cross-platform URL to launch Google Maps and perform searches, get directions and navigation, and display map views and panoramic images.

Google翻訳結果

GoogleマップのURLを使用すると、Googleマップを起動して検索を実行したり、方向やナビゲーションを取得したり、マップビューやパノラマ画像を表示したりするための、ユニバーサルでクロスプラットフォームのURLを構築できます。

使用について

You don't need a Google API key to use Maps URLs.

Google翻訳結果

Maps URLを使用するのにGoogle APIキーは必要ありません。

との記述がある通り、URLを使う場合Google API keyは不要です。手間なく扱えるようです。各OSでGoogle Mapアプリがインストールされている場合どういう挙動をするか、などについても書いてあります。

以下、上記ドキュメントに基づいて記載します。

作れるリンクの種類

Search(検索)

特定の場所にピンを立てる、または一般的な検索のリクエスト

https://www.google.com/maps/search/?api=1&parametersという形式

仕様上、ズーム指定できません。

Direction(道順)

指定した場所間の道順を表示するリクエスト

https://www.google.com/maps/dir/?api=1&parametersという形式

Display a map(地図を表示)

SearchやDirectionと異なり、ピンや道順を表示せずに、単に地図を表示するリクエスト

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&parametersという形式

Display a Street View panorama(ストリートビュー表示)

ストリートビューのパノラマ画像表示のリクエスト

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=pano&parametersという形式

試してみる

東京駅をターゲットにしてみます。GoogleMapで検索すると、緯度経度は35.6812362,139.7649361 (緯度・・・latitude, 経度・・・longitude)となっているので、それを使いましょう。

検証にはEdgeを使っています。

Search

パラメータは、queryが必須、オプションでquery_place_idを指定できます。
query_place_idhttps://developers.google.com/places/web-service/place-id?hl=jaで調べられました。

queryquery_place_idの両方が指定された場合、query_place_idが示す場所が見つからない場合のみ、queryで指定した検索が行われます。

https://www.google.com/maps/search/?api=1&query=東京駅

image.png

ウィンドウ小さくした影響か、ピンは隠れていますが出てきます。日本語でそのまま検索しても、一応問題なく使えます。検証は必要かと思います。

次に緯度経度(緯度・・・latitude, 経度・・・longitude)です。
緯度、経度の順です。

https://www.google.com/maps/search/?api=1&query=35.6812362,139.7649361

image.png

こちらも問題ないですね。

東京駅周りの書店、なんて指定もできます。キーワードを+で区切ります。

https://www.google.com/maps/search/?api=1&query=東京駅+書店

image.png

Direction

必須パラメーターは、

パラメーター名 意味
origin スタート地点
destination 目的地

です。Searchと同じく、place_idも使えるようです。

東京駅から横浜駅に行ってみます。

https://www.google.com/maps/dir/?api=1&origin=東京駅&destination=横浜駅

image.png

おお…これはすごい。ちゃんと出る。

以下、オプションのパラメーターを見ていきます。

travelmode

初期に表示される移動方法を指定できるようです。

  • 車(driving)

https://www.google.com/maps/dir/?api=1&origin=東京駅&destination=横浜駅&travelmode=driving

image.png

おお…!

他にも指定できます。指定しない場合は、ルートやユーザー設定に基づいて選択されるそうです。

dir_action=navigate

経路案内してくれるパラメーターのようです。現在位置や区間に基づいて行われるようで、詳細な検証ができませんでした…。
経路案内できない場合は、このパラメーター無視するよ、と書いてあります。

waypoints

経由地を加味したルート検索を行ってくれます。waypointsに指定するのは、origindestinationと同じく、建物名や緯度経度等になります。複数指定する場合は|で区切ります。

経由地計算も、行えない場合は無視されるそうです。

Display a map

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map

と、パラメータ無しで開けます。この場合は現在地等に基づいた表示になるのだろうと思います。

以下、オプションのパラメーターを見ていきます。

center

中心点を指定します。緯度経度での指定になります。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&center=35.6812362,139.7649361

image.png

東京駅が中心になりました。

zoom

地図の倍率を指定します。0~21だそうです。最大にしてみましょう。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&center=35.6812362,139.7649361&zoom=21

image.png

最大は大きすぎますね。

basemap

地図タイプ指定です。roadmap(通常、未指定の場合これ)、satellite(衛星)、terrain(地形図)の三種類です。

  • satellite

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&center=35.6812362,139.7649361&&basemap=satellite

image.png

  • terrain

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&center=35.6812362,139.7649361&&basemap=terrain

image.png

東京で地形図を出しても、高低差が無いのであまり意味が無いですね…

layer

追加レイヤーを表示したい場合、指定します。none(表示なし、未指定の場合これ)、transit(路線図)、traffic(交通量)、bicycling(自転車道)のいずれかが選択できます。

transit

地下鉄などの路線が色分けされます。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&center=35.6812362,139.7649361&basemap=satellite&layer=transit

image.png

traffic

交通量を表示します。地図の下にライブ交通情報という表示が増え、道路が色分けされます。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&center=35.6812362,139.7649361&basemap=satellite&layer=traffic

image.png

bicycling

自転車で通る場合の情報、ですかね。自転車専用道であるかどうかなどの情報が追加されます。

東京では表示されなかったので、アメリカのGoogle本社の座標に変えています。日本だと自転車専用道はあまり聞かないので、表示されないのかもしれません。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=map&center=37.422061,-122.084525&basemap=satellite&layer=bicycling

image.png

Display a Street View panorama

基本URLはhttps://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=panoです。が、これ以上パラメーターを指定しない場合は単にマップが開きます。

以下のいずれかが必須です。

パラメーター 内容
viewpoint 表示する地点の緯度経度
pano パノラマID

両方指定した場合、panoで指定したIDのパノラマが見つからない場合にviwepointを使用する、という挙動になるそうです。どちらでもパノラマ画像が見つからない場合は、マップのデフォルト挙動をするそうです。

試してみましょう。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=pano&parameters&viewpoint=35.6812362,139.7649361

image.png

思いっきり、駅構内みたいですね。

追加パラメーターも見ていきます。

heading

デフォルトを北として、そこから何度向き直すか、という指定です。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=pano&parameters&viewpoint=35.6812362,139.7649361&heading=-90

image.png

-90だと、左を向くようです。つまりプラスだと(自分が)時計回りするイメージみたいです。

pitch

上を向くか下を向くか、という感じです。-90~90の範囲で指定します。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=pano&parameters&viewpoint=35.6812362,139.7649361&heading=-90&pitch=45

image.png

headingと同じ位置で45度上を向いてみました。なるほど。

fov

ズーム倍率、のようです。値が小さいほどズーム倍率が大きくなる(近くなる)ようです。

https://www.google.com/maps/@?api=1&map_action=pano&parameters&viewpoint=35.6812362,139.7649361&heading=-90&fov=40

image.png

余談

これらのURLを使って、ブラウザからGoogleMapにアクセスすると、URLが別のもの(GoogleMapが使用するもの)に置き換わります。そのURLはGoogleの仕様によって変わりうると想定されます。

なので、URLを生成する場合はAPIに準拠した形で生成するほうがよさそうですね。

おためし:Geolocation APIと組み合わせる

デザインは適当です。また、細かいエラーチェック等は割愛しています。

index.html
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
    <meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="ie=edge">
    <title>Document</title>
</head>
<body>
    <button id="mapper">現在地を取得して経路を出す</button>
    <script src="main.js"></script>
</body>
</html>

上のようなHTMLを用意して、

main.js
const btn = document.getElementById("mapper");
btn.addEventListener("click", e => {
    if (navigator.geolocation) {
        //Geolocation APIを利用できる環境向けの処理
        const navi = navigator.geolocation;
        navi.getCurrentPosition((pos) => {
            const latlng = `${pos.coords.latitude},${pos.coords.longitude}`;

            const link = `https://www.google.com/maps/dir/?api=1&origin=${latlng}&destination=東京駅`;

            const anchor = document.createElement("a");
            anchor.text = "GoogleMapで経路を見る"
            anchor.target = "_blank";
            anchor.href = link;
            document.body.appendChild(anchor);
        });
    } else {
        //Geolocation APIを利用できない環境向けの処理
    } 
});

上のようなJavaScriptを用意します。すると、

image.png

image.png

image.png

ユーザーの許可を得て現在位置を取得した上で、Directionを指定してGoogleMapを呼び出す、なんてこともできますね。

使い方次第でいろいろ便利かもしれない、と思った次第です。

182
147
5

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
182
147

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?