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職務範囲が増え続けるのを防ぐジョブディスクリプション・ポーカー

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「それもお願い❤」に対する防衛術

前口上

仕事をしていると元々やっていなかった業務が急に増えることがあります。単に前に担当していた人が辞めて自動的に引き継いだ場合もあるでしょうし、昇進して職責が変わった場合もあるでしょう。また急成長企業だとビジネスの成長によっていままでなかった業務が自然発生することも多いです。

ダンバー数でいうところの村や部族を超えるような組織だと職務要件が定まってきて、異なるチームのとある職種Aのやることの差分がほとんどないかもしれないですが、ラーメン屋より多いといわれるIT企業では得てして組織サイズが小さく間のボールを誰が拾うかでもめやすいように思います。

意図的につらいボールを取りに行くことで社内ポジションを優位にすることもあるので、すべてが悪いわけではないですが、時にはつらくなってしまうこともあります。辞めた人の仕事を巻き取って、新しい開発に必要な本来の職責と少しずれた仕事も巻き取って、気づいたら俺/私やること多くない?

そんな時に周囲を巻き込んでジョブディスクリプション・ポーカーをやってみるのはどうだろう?とふと思ったので素案を置いておきます。

デリゲーション・ポーカーとは

ジョブディスクリプション・ポーカーはデリゲーション・ポーカーの亜種なのでまずはデリゲーションポーカーから説明します。

デリゲーションポーカーは管理者・メンバー間で権限委譲の合意を細かくとっていくためのツールです。業務を7つのカテゴリーに分けて整理します。カテゴリーは以下です。

  1. Tell: I will tell them
  2. Sell: I will try and sell it to them
  3. Consult: I will consult and then decide
  4. Agree: We will agree together
  5. Advise: I will advise but they decide
  6. Inquire: I will inquire after they decide
  7. Delegate: I will fully delegate

Lv1が何も委譲していなくてLv7が完全委譲している状態。マネージャーが決めて伝えるから相談割合が増えていってLv4が均衡点。事後報告でいいよを経て完全に任せるに。

マネジメント3.0のツールなので基本上下関係のある二人の業務を整理するのに使います。

仕事がかぶる職種間でジョブディスクリプション・ポーカーをする

このフレームワークを聞いてもったいないと思ったのは権限委譲に特化している部分です。任意の職種間のボールを誰が拾うかの調整にも使えると思うんですよね。

営業とPMでもいいですし、PMとEMでもいいです。EMとテックリードの間の仕事でもいいかもしれません。

デリゲーションポーカーを拡張して仕事がかぶる職種間でジョブディスクリプション・ポーカーをやってみるのはどうだろうというのが提案です。

7項目を改変するとこんな感じでしょうか。細かすぎたら5項目や3項目に減らしてもいいかもしれないです。

  1. A完結: Aが全部決める。自分からBに報告はしない
  2. A決B報:Aが決めてBに報告する
  3. A決B相: Aが骨子を作ってBに相談してAが決める
  4. AB議論: AとBがフェアに議論して決める
  5. B決A相: Bが骨子を作ってAに相談してBが決める
  6. B決A報: Bが決めてAに報告する
  7. B完結: Bが全部決める。自分からAに報告はしない

デリゲーション・ポーカーだと物理カードもあるのですが結果はデリゲーションボードにまとめることが多いようです。

ジョブディスクリプション・ポーカーでもカンバン系のツールかスプレッドシートにまとめるとよいように思います。

ジョブディスクリプション・ボードを求人票に昇格させる

ジョブディスクリプション・ボードの効果は間のボールの整理だけではありません。

別チームでの同一職種間のやり取りが可視化されてくると、組織全体での職務要件が定まってきます。「うちのチームではこの業務は職種Aがやっているけれど会社全体でみると職種Bが担当しているので寄せよっか」という判断材料になります。

間のボールが多い組織だと入社した後のサプライズが多いと思うんですよね。その会社でしかないカスタム職種を作り混みすぎても応募してくれる人が減るのでサステナブルではないのですが、こういった整理をしていくことで求人票の要件の確度があがっていくようにも思います。

終わりに

間のボールを拾ってくれる人が他にもいる場合に職務要件が増え続けるのを防ぐ方法について書きました。

間のボールを拾ってくれる人が他にもいない場合はうーんどうですかね、SaaS活用や内製システム開発によって業務を軽くする、コンサルやフリーランスを活用するのは一つの方法ですが、本質的には同じレベルの人を採用する以外解はない気もします。

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