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【非エンジニア向け】営業こそGeminiを使おう!明日から試せる業務効率化シナリオ

Last updated at Posted at 2025-06-30

はじめに

こんにちは!株式会社うるるの松下です。

先日、下記の記事にて「営業組織でのNotebookLM活用シナリオ」をご紹介したところ、多くの反響をいただきました。

そこで今回は「営業組織でGeminiを活用する場合の具体的な活用例」について、ご紹介します。その中でも特に今回は「日々商談を行うセールス部門」に着目して「Gemini」の機能や活用シナリオをご紹介します。

こちらは、現在進行系で弊社内での活用提案を行っている内容の一部抜粋となり、成功事例の紹介ではございません。イチ事例として参考程度に見ていただけますと幸いです。

「結局AIって騒がれてるけど、実際に業務効率化できるのはエンジニアだけでしょ?」
「Geminiをchat形式でしか使ったことないけど、他にも業務効率化できる点ある?」
と思われている方こそ、ぜひご一読いただきたい内容です。

そもそも「Gemini」とは?

Geminiは、Googleが開発した最新のマルチモーダル生成AIです。テキストだけでなく、画像、音声、動画、コードといった多様な情報を統合的に理解し、高度な対話やコンテンツ生成を行うことができます。

Google Gemini 公式サイト

ざっくり言うと、「なんでも屋さん」です。
ざっくりしすぎで語弊が生まれる表現ですが、Geminiは「世界中の情報にアクセスしながら、あなたのあらゆる業務をサポートする万能なアシスタント」というイメージかと思います。

※ 余談ですが、いまGoogle検索すると「AI概要」という表記が出てくると思いますが、これもGeminiの一部です。
スクリーンショット 2025-06-29 22.58.44.png

主な特徴

  • 🌐 Google Workspaceとのシームレスな連携:
    多くの企業で導入されているGoogleWorkspaceとシームレスに連携します。Gmailでのメール文面作成、Googleドキュメントでの文章推敲、Google Meetでの議事録自動要約、スプレッドシートなどの、Googleが提供している各種サービスとの連結がスムーズで、普段の業務フロー全体にAIが溶け込み、生産性を飛躍的に向上させます。

  • 🧠 高度なマルチモーダル性能:
    よく想像がつきやすい「テキストでの指示」はもちろん、グラフの画像を読み込んで傾向を分析させたり、WebサイトのURLを渡して要約させたりと、様々な形式の情報を扱えるため、幅広いタスクに対応可能です。

なぜGeminiなのか?

恐らく世間一般のイメージとしては「ChatGPT」が強いと思います。
他にも優れた生成AIも存在する中で、私が今回Geminiに注目し紹介している理由は、先ほども触れたGoogle Workspaceとの圧倒的な連携力にあります。

特に企業においてGoogleWorkspaceを使用しているケースは多々ある中で、多くのビジネスパーソンが日常的に利用するGmailやGoogleスプレッドシート、Googleドキュメント上で、ツールを切り替えることなく直接AIを呼び出せる手軽さや連携の容易さは、他のツールにはない大きな魅力です。

本記事では、その中でも一番馴染みのある「Geminiアプリ(Web版)」の活用にフォーカスします。

スクリーンショット 2025-06-30 9.45.05.png

解決したい課題

エンジニアに限らず、特にセールス部門の方で下記の課題を感じていませんか?

  • 商談準備のための顧客リサーチや資料探しに時間がかかりすぎる
  • 議事録作成やフォローアップメールなどの事務作業に追われ、本来の営業活動に集中できない
  • トップセールスのノウハウが属人化しており、チーム全体の成果に繋がらない
  • 新人メンバーの育成、浸透に時間がかかり、育成担当の負担も大きい

これらの課題を「GeminiなどのAIを活用することでどう解決できるか」に着目し、具体的な活用シナリオをご紹介します。

【Tips】具体的な活用シナリオ

では、実際に実務にどうGeminiを取り入れていくのか。
自身のアイデアをベースに、具体的な活用シーンをご紹介します。

① 「DeepResearch」で商談準備の質とスピードを劇的に向上

Deep Researchを使えば、商談前の事前リサーチの質が格段に上がります。
方法は簡単で、Geminiアプリを開き、チャット欄下部にある「deep research」というボタンを選択した状態でchatに調べてほしい内容を記入するだけ。内容によりますが、バックグラウンドで5〜10分ほど待てば、詳細なレポートが生成されるので、商談前日に、顧客の業界や具体的な業務内容をインプットしてDeep Researchを実行しておけば、顧客理解が深まり、課題に対する自社製品の価値を的確に伝えることが格段にしやすくなります。準備時間も大幅に削減できると思います。

プロンプト例:
「[対象業界名]における最新の事業トレンドと、その中で[ターゲット役職名]が現在直面しているであろう経営課題を5つ挙げてください。それぞれの課題に対して、当社の[製品名]がどのように貢献できるか、仮説を立ててください。」

Screenshot (69).png

各種サイトを隈なく参照してくれるので、情報の偏りが起きにくく、特に顧客ごと業種や業務内容が異なる状態で商談をするセールスマンの事前準備としては最適だと感じています。

② 定型業務を自動化する自分だけのカスタムAIを作成

Geminiでは、よく使うプロンプトを「Gem」と呼ばれるものに保存し、ワンクリックで呼び出すことができます。

Screenshot (71).png

デフォルトでGoogleが作成したGem(画像参照)がありますが、Gems内でも独自の資料(コンテキスト)を読み込ませることで、自分だけのオリジナルAIパートナーも作れます。

例えば、「商談フィードバックbot」をGemで作成することで、自身が行った商談の文字起こしデータからフィードバックを受け、営業スキルを磨くといった活用も可能です。

具体例としては以下のような点でGemを作ってみると面白いかもしれません。

  • Gemの例:
    • 商談フィードバックGem: 自身の商談の文字起こしデータを読み込ませ、客観的なフィードバックをもらう。トップセールスのスクリプトと比較させ、改善点を洗い出す。
    • キャリア相談Gem: 自身の経歴や価値観、評価シートなどを読み込ませ、キャリアプランの壁打ち相手にする。
    • セールスピッチ作成支援Gem: 顧客の課題と製品資料を読み込ませ、説得力のある営業スクリプトや提案の切り口を複数パターン作成させる。

このように、「面白そうだけど、実際どういうGemを作れば良いんだろう?」と悩んだ場合は、Geminiに「Gemを作りたいけど、アイデアください!具体でこういうことに困っていて、、、」と相談してみると、より自分にあったアイデアを出しれくれるかもしれません💡

※ 余談①
自分はまさに「エンジニアとしてのキャリア形成」をカスタムGemを作成し雑談ベースで会話しています🗣️
Screenshot (72).png

※ 余談②
「MECEトレーニングbot君」をGemini内で作成してトレーニングとして使ってます👀
Screenshot (70).png

営業フロー別:AI活用表

営業部門でよくある業務の各フェーズで、AIがどのように貢献できるかを一覧にまとめました。
(便宜上、「NotebookLM」も同じ括りとして推奨ツールに含んでおります。こちらは私の主観を元に作成しました)

営業フェーズ 典型的な課題 推奨ツール 具体的な活用例 プロンプト例
商談準備 顧客リサーチと競合分析に時間がかかる Gemini 過去の議事録、提案書、顧客や競合他社の企業サイトURLをアップロードし、顧客の課題と競合との差別化ポイントを瞬時に把握する。 「@[顧客名]との過去の全議事録から、最も重要視されていた課題を3つ抽出してください。また、当社の製品と競合A社の製品を機能・価格面で比較する表を作成してください。」
商談準備 新規顧客へのアプローチメール作成に悩む。 Gemini ターゲットの業界課題をリサーチし、それを基にパーソナライズされたアプローチメールのドラフトを複数パターン生成する。 「あなたはBtoB SaaSのトップセールスです。ターゲットは製造業の工場長です。工場の生産性向上という課題に対し、弊社の〇〇がどう貢献できるかを述べ、オンラインデモを提案するメールを作成してください。」
商談実施 議事録作成に追われ、顧客との対話に集中できない。 Gemini in Meet オンライン商談中に「メモを作成」機能を有効にし、議事録作成を完全に自動化。会話に100%集中する。 (機能ボタンをクリックするのみ)
商談後 議事録ベースのフォローアップメール作成が遅れがち。 Gemini in Gmail Google Meetが生成した議事録サマリーを引用し、決定事項とToDoをまとめたフォローアップメールを数分で作成する。 「この会議メモ(@[会議メモ])を基に、[顧客名]様へのフォローアップメールを作成してください。決定事項と次回の宿題を明確に記載し、感謝の意を伝えてください。」
商談後 営業ノウハウが個人に留まり、チームで共有されない。 NotebookLM 受注・失注案件の議事録を分析させ、成功要因や失注原因を抽出し、チーム全体のナレッジとして蓄積・共有する。 「これらの受注案件の議事録に共通する、顧客が最も価値を感じた提案ポイントは何ですか?」

さいごに

今回は、営業組織(特にセールス部門)におけるGeminiの具体的な活用例をご紹介しました。

今回例に挙げた活用法は、セールス部門だけでなく、エンジニア組織やバックオフィス部門にも応用できる部分があると思います。

ちょうど現在進行系で弊社内のセールス部門へのAI活用(主にGeminiやNotebookLMなど)の対話を始めています。AIを活用してもらうことが目的ではないですが、使い方次第でとっても便利で優秀なパートナーになることを確信しているので、地道にこの浸透活動を続けていきたいです。

もちろん、AIに頼りすぎたり、その回答を盲信したりしないよう注意は必要ですが、まずはこの記事で紹介した中から「これ、面白そう」「うちの業務でも使えるかも?」と感じたものを、ぜひ試してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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