本記事はNutanix Advent Calendar 2019 #4 12/15 分の記事です。
前回はNutanix Clustersの特徴を
他のサービスと比較してご紹介しました。
今回は実際のユースケースを考えてみたいと思います。
なお、今回も予めのお断りですが、
正式なマーケティングメッセージではなく、
個人的に想定するシーンという非公式な
記事である点はご了承ください。
[シーン1]パブリッククラウド利用のトライアル
パブリッククラウドを止める顧客も
実際一定数は存在します。
それはパブリッククラウドだけですべての要件を満たす、
というわけではないからです。
どんな要件もすべて満たす万能なものは
もちろん世の中に存在しないわけで、
現実的には要件に応じて使い分けていきます。
しかしながら、要件に合致するのかは、試してみないと、
という面も少なからずあるでしょう。
試すということになった場合に、多くのケースでは、
アプリケーションがオンプレミス向けに構築されており、
クラウド化の検討を行うインフラ担当者では
必ずしもタッチできる話であるとは限りません。
今までと異なる仕掛けになることに、
アプリケーションの担当者から強い抵抗を受ける可能性もあります。
そういったシーンでは、Nutanix Clustersを活用することで、
アプリケーション側を改修することなく、
オンプレミス側にあった仮想マシンたちを引っ越しし、
評価してみることが可能です。
そして、ダメならまたオンプレミスに戻してくることが可能です。
特にクラウド化してみてわかる重要なアンマッチポイントに、
ネットワークの遅延があるわけですが、
この辺りも実際に評価して試してもらうことで、
業務環境がクラウド化されて問題がないか、
変換もなく、戻せて、操作はオンプレと同じという、
低いハードルの環境下で試すことができます。
これであれば、アプリケーションの担当者にも
大きな反発を受けることなく、トライアルが
進めるのではないでしょうか。
[シーン2]一時的な開発環境として
Nutanix Clustersでは、クラスタを停止することによって、
コンピュートリソースを止め、
課金を抑えることができることは、前回解説しました。
つまり一時的なクラスタの構築ができ、
それを安価に保持することができることになります。
これをうまく活用すれば、
オンプレミスで構築する本番環境に対して、
アプリケーションの保全(保守)環境を
Nutanix Clustersで構築することで、
必要な時だけ立ち上げ、保守が終われば落とすことで、
投資を最小限に抑えることが可能となります。
EC2のインスタンスでやらない理由は、
一時的にオンプレミスに持ってくるなどの
柔軟な対応も可能となり、
システム開発に柔軟性を持たせることができるためです。
ハイブリッドクラウドならではの、
非常に面白い使い方なのではないかと思います。
[シーン3]オンプレ環境調達までのリードタイムを埋める利用
Nutanix Clustersはセルフサービス型で、
いつでも簡単に構築ができます。
(詳細なライセンス等の提供方法は別途GA時のアナウンスをお待ちください)
これをうまく活用すると、NutanixのHCIクラスタを
1時間以内に構築して利用可能になります。
例えばアプリケーション開発で要件の定義がずれ込んで、
ハードウェアの発注が遅れたが、
アプリケーションの開発の都合で今すぐ使える
環境を作りたい場合には、
Nutanix Clustersを活用して今すぐに
リソースを提供して開発を続行し、
後日ハードウェアが届いたタイミングで移行し、
リリースするというやり方も可能になります。
こういう要件定義遅れというのはあまりあってほしくないですが、
可能性として存在する事象なので、
取りうる方策として持っておくと、
PMとしてはリスク回避の新たな手段にできるのではないでしょうか。
[シーン4]環境依存リスクのないハイブリッド・マルチ環境構築
こちらはシーン1の延長であり、
Nutanix で実現するハイブリッドクラウドな世界~その1
でもご紹介しましたが、
特定のプラットフォームに依存しない仕掛けづくりを、
Nutanix Clustersで実現します。
結局のところ、オンプレミスであっても、
AWSや他のクラウドであっても、
NutanixのEnterprise Cloud OSの技術(AOS&AHV)を被せてしまうことで、
技術的にプラットフォーム環境とは疎結合となり、
変換などなしに、行ったり来たりをすることができる
環境依存リスクをヘッジしたプラットフォーム環境を実現します。
これにより、特定のクラウドによる問題が発生したときに、
他の環境を利用してサービスを再開するということを可能にします。
サプライチェーンのリスクと同じですね。
特定のプラットフォームベンダーに自社のビジネスの生殺与奪を
握られないという重要なBCPの検討項目に対応します。
今後はわかりませんが、
Nutanix Clustersが複数のパブリッククラウドに対応してこれば、
最終的にハイブリッドクラウド・マルチクラウドの
双方に対応した仕掛けづくりが可能になるでしょう。
一考の必要がある利用シーン:DR
DRについては、利用を一考する必要があります。
確かに利用していない間、コンピュートの課金が止められる点で、
Nutanix ClustersをDRに利用できれば非常に魅力的な選択肢となります。
しかしながら、DRの実現にはデータをDR側でも受け取る仕組みが
稼働しなければなりません。
Nutanix Clustersの一時停止機能はクラスタ全体を止めてしまう為、
完全停止をしてしまうと、データが受け取れずDRの意図を満たしません。
一方で、止めなければよいので、
例えば、3Nodeクラスタで運用しておき、
DR発動時に拡張することで、本格展開をするなど、
DRサイトの小規模化というシーンには十分に活用可能です。
この際気になるのはコストですが、
AWSのコストエクスプローラーで翌日には利用状況を確認できますので、
使い過ぎてないかコスト管理をしながらDR環境を
運用していくことが可能です。
ということで、今回までNutanix Clustersについての
ご紹介を投稿しました。
より詳細な情報は正式リリースを待って、
改めてご紹介できればと思います。
今回の投稿は以上です。