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フィクションなどから拾う情報処理用語 その18 サンドボックス (宇宙鉄人キョーダイン)

Last updated at Posted at 2023-02-16

宇宙鉄人キョーダイン 第42話「ついに来た!! ダダ星よりの使者」、第43話「デスマッチ!! 殺人サイボーグの涙」(脚本:上原正三、監督:竹本弘一、技斗:岡田勝、(C)石森プロ、東映))より

葉山一家の末っ子・健治の誕生日パーティの最中、世界的ロボット工学者の父・葉山博士、長兄・譲治、次兄・竜治が、知識を狙って侵入して来たダダ星人によって拉致された。
やがてダダ星人のロボット群ダダロイドによる地球侵攻が始まったが、発足した地球防衛軍は苦戦した。

1年後、ロケットに乗って現れた2体のロボット、スカイゼルとグランゼル。それは葉山博士が、健治と地球をダダ星人から守るため、2人の兄の記憶・人格を全てロボットに移植したサイバロイドだった。健治は、父と兄が帰れない事実を受け入れられないながらも、2体のサイバロイドと共にダダ星人と戦うことを決意した。なおスカイゼルとグランゼルをまとめて呼んだ呼称がキョーダインである。

サイバロイドとは電子頭脳の複創コンピューターに特定の人間の人格をコピーしたロボットで、いわば「身代わりロボット」。その人間の過去の記憶、感情、性格、癖も全て記憶している。ただしクローンなどとは異なっている。

当初はスカイゼルとグランゼルの姿のままで、顔をオープンフェースするとスカイゼルには譲治の顔(の映像)が、グランゼルには竜治の顔(の映像)が表示されていた。

だがある時から、スカイゼルもグランゼルも複創コンピューターによって生み出されたコピー体が飛び出るようになった。スカイゼルからはサイバグラフィー譲治が、グランゼルからはサイバグラフィー竜治が飛び出るようになった。普段はその姿で過ごし、必要に応じて元に戻るようになった。サイバグラフィー譲治は「インダースカイゼル」によりスカイゼル本体と合体し、サイバグラフィー竜治は「インダーグランゼル」によりグランゼル本体と合体し、それぞれの人格を反映させるようになった。なおサイバーグラフィーとは仮想人格アンドロイド、つまり、三次元立体映像みたいなものである。

でまあ、長々と書いたのだが、要するにサイバロイドの姿のままのみでいた状態では視聴率が高くはなかったので、従来の変身物(っぽい話)にするための苦肉の策をこうじたのである。これは当時小1だった私も薄々勘付いていたが敢えて深く突っ込まずに見ていた。やっぱりそうしたのねえ、という感じで。そこは東映制作の特撮番組。理屈っぽく考えてはダメなのである。

なおベース円盤にはキョーダインの2人(?)の他にゴンベスというロボットもいた。ベース円盤とキョーダイン、ゴンベスを葉山博士は作ってダダ星から地球へ送り、ダダ星からの侵略に備えたのである。ただし、葉山博士、葉山譲治、葉山竜治の3人はダダ星に捕えられたままだったのである。

そしてここからが本編である。ある時、ダダ星からルーマン(父)、カリーン(母)、ルナ(娘)の親子が逃げてきた。親子はリリーという蝶も連れていた。ルーマン親子と葉山健治は(狭山湖のそばで)知り合った。ルーマン親子はダダ星人で葉山博士達と知り合いなのだという。ブラックナイトが襲ってきたので、その関係でルーマン親子はベース円盤(要するにキョーダインのいる円盤兼住居)に匿われることになった。

ゴンベス「ベース円盤なら、ぜーったい安全。もう心配することはないんだベス。」

と笑うゴンベスだったが突如、ダダ兵団のガブリンクイーンの高笑いする声が聞こえてきた。全員立ち上がって、ベッドに寝るルナを見た。するとルナは起き上がり、突如、こう言った。

ルナ「我々の目的は、このベース円盤に潜り込むことであったのだ。こっちへ来い、サイボーグ42号。」

なーんとダダ星から逃げてきたというのは真っ赤なウソだというのである。サイボーグ42号とはルーマンのこと。ではカリーンは?

ルナ(とガブリンクイーン)の声「サイボーグ43号」

だったのだ。

ルナ(とガブリンクイーン)の声「こっちへ来い。」

ルーマンとカリーン、というか、サイボーグ42号とサイボーグ43号、どっちだかよくわからないが、兎に角、2人はルナのところへ行った。でルナ本人はというと

サイバグラフィー譲治「その声はガブリンクイーン。」

というや否や、ルナの体が縦に2つに割れて中からガブリンクイーンが登場。
え?
ルナは子供の葉山健治と同じくらいの背丈だが、ガブリンクイーンは大人と同じくらいの背丈である。明らかに無理があるが、そういう話だから仕方がない。事態を受け入れるしかないのであーる。閑話休題。

ガブリンクイーン「キョーダインを倒すにはまず合体させぬこと。だが合体装置がどこにあるのか知らなかった。」

驚くサイバグラフィー竜治、白川エツ子、サイバグラフィー譲治…って長えよ、呼び名が。面倒臭いので以後、「サイバーグラフィー」とつけるのはやめておこう。

竜治「だからルーマンとカリーンを使って設計図を!」
ガブリンクイーン「左様。リリー。」

ガブリンクイーンは蝶のリリーをカゴから出した。そういえば蝶にしては巨大な姿である、リリーは。ダダ星から来たのでそんなにでかいのかと思っていたら、実は違った。

ガブリンクイーン「合体装置はあれだ。」

ガブリンクイーンの目の前の壁にスカイゼル本体とグランゼル本体が立っているのが見えた。
サイバーグラフィーと合体していない状態では直立不動の姿(らしいの)だ。

ガブリンクイーン「それ。」

ガブリンクイーンはリリーを放した。リリーはそのままキョーダイン本体のいるところへ飛んで行き、爆発。キョーダイン本体も爆発四散した。高笑いするガブリンクイーン。

羽佐間道夫「ガブリンクイーンはダダ星から2人の人間サイボーグを呼び寄せ、見事戦略を成功させたのだ。キョーダインの運命は。」

「人間サイボーグ」ってサイボーグなんじゃないの? とは思うのだが、兎に角、次回へと続く。だが、私が本放送で観たのはここまで。次回を本放送で観てはいない。その内容をきちんと知ったのは東映チャンネルで再放送を観てからだ。もっともその後の話でキョーダインが五体満足で登場していたので、なんとかなったのねえ、と思ってはいた。

さて次回冒頭。

譲治「みんな、大丈夫か?」
竜治「(エツ子に)大丈夫か?」
エツ子「ええ。」
竜治「エツ子さんも大丈夫だ。」

譲治にも聞こえていると思うのだが竜治はそう言った。

譲治「健治。」

健治はカリーン(サイボーグ43号)に抱かれていた格好になっていた。サイボーグ43号と書くべきなのかもしてないが、長いので以後はカリーンと書くことにする。兎に角、カリーンは爆風から健治を守ろうとしたようである。

健治「僕、大丈夫だよ。」

本当に大丈夫なのか? ガブリンクイーンの部下だぞ、カリーンは。そう譲治も思ったのだろう。

譲治「健治、触るな!」

とカリーンに言った。
それを聞いたルーマン(と書くことにしよう)はカリーンを健治から引き離した。
立ち上がりながら怪訝な表情の健治。
カリーンは無言だが健治を見る表情は何故か慈愛に満ちたものである。
健治もそれを感じたようだ。実はこれは後の伏線なのだが、本題とは関係ないので、これ以上は書かない。とその時、

ガブリンクイーン「42号。43号。これでキョーダインは合体できなくなったぞ。2人を片付けろ。」

だが

譲治「早とちりするな、ガブリンクイーン。誰が合体できないと言った。」

竜治も落ち着き払っていた。ガブリンクイーンはその理由に気がついていなかった。
すると譲治は右手を高く挙げて叫んだ。

譲治「スカイゼルー!」

竜治は左手を挙げて叫んだ。

竜治「グランゼルー!」

え? 破壊されたんじゃなかったの? と思う間もなく先ほどキョーダイン本体が立っていた壁がぐるりと回り、キョーダイン本体がまた現れた! 想定外の展開にガブリンクイーンは驚いた。スカイゼル本体はぴょこんと跳ねて前に降りた。グランゼル本体も跳ねて前に降りた。

譲治「インダースカイゼル!」

譲治はスカイゼル本体と合体した。

竜治「インダーグランゼル!」

竜治もグランゼル本体と合体した。
ガブリンクイーン「ん! どうして? 何故じゃ?」

未だ事態を飲み込みきれていないガブリンクイーンはそうきいた。

グランゼル「ネタバラシをしてやろう。お前たちの陰謀が薄々読めたんでなあ、ちょいとばかり細工をしておいたんだ。」

要するにサンドボックスに当たるものを用意しておいたのである。

ガブリンクイーン「おのれ。サイボーグ42号、43号。かかれ。」
ルーマン「といやーあ。」

なんだかぎこちない動きだがルーマンとカリーンはガブリンクイーンの指令を聞いてキョーダインに襲いかかったが、2人はキョーダインに軽くいなされた。その間にガブリンクイーンはベース円盤の機器にチョップすると(チョップしただけなのに何故か)機器は爆発した。

ゴンベス「何をするベス。」

ゴンベスは無謀にもガブリンクイーンに近づいたが

スカイゼル「ゴンベス、気をつけろ。」
ゴンベス「はいベス。」

スカイゼルも加勢してガブリンクイーンに襲いかかった。ルーマンはガブリンクイーンを救うためにスカイゼルに襲いかかった。グランゼルにはカリーンが襲いかかった。

ガブリンクイーン「キョーダイン。この礼は必ず返すぞ。」

要するに「今日はこれくらいにしといてやるわ」と言って退散したのである。
かくしてベース円盤の危機は収まったのであった。
それにしてもガブリンクイーンは詰めが甘い。
キョーダインにとっては強敵だったが最終回で倒された理由がなんとなくわかる一戦であった。

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