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HoudiniをAzure NV仮想マシンで動かす

Last updated at Posted at 2016-12-29

はじめに

これはHoudini Advent Calendar 2016の22日目の記事です。

エフェクト作成時の悩みとして、処理が終わるまでの待機時間がありますが、
その待機時間を高性能なマシンで短縮しようというのが、この記事の趣旨です。

この記事では、高性能なマシンをサクッと確保するため、
Microsoftが提供するAzure NV仮想マシンを用います。

Azure NV仮想マシンとは?

Azure NV仮想マシンは、大雑把にまとめると、NVIDIA Tesla M60 GPUを搭載した、OpenGLを使用するアプリケーションが動く仮想マシンです。詳細はMicrosoftが下記のリンク先の通り案内を出していますので、そちらをご覧ください。

Azure NV仮想マシンは以下のとおり、3つのラインナップがあります。
いずれもCPUはXeon E5-2690 2.60GHzです。(2016年12月20日時点の情報です。)

NV6 NV12 NV24
コア数 6 12 24
GPU 1 x M60 GPU 2 x M60 GPU 4 x M60 GPU
メモリ 56 GB 112 GB 224 GB

料金

Azureは従量課金制なので、電気やガスと同様に使った分だけ料金が発生します。
料金はMicrosoftが提供する料金計算ツールで試算できます。
例えば、Azure NV仮想マシンの1時間あたりの料金は、下表のとおりです。
(※下表は2016年12月20日時点の情報ですので、最新の情報はご確認ください。)

米国中南部 西ヨーロッパ 東南アジア
NV6 ¥137 ¥163 ¥190
NV12 ¥275 ¥325 ¥380
NV24 ¥550 ¥650 ¥760

Azure NV仮想マシンは、NV6が最も単価が安く、NV24が最も単価が高いです。
どの地域で仮想マシンを立てるかによっても価格が変わります。
この中では米国中南部が一番安いことがわかります。

仮想マシンの課金の仕組みは色々ルールがありますが、仮想マシンについては以下のとおりになっています。

仮想マシンの課金は時間ごとに課金され、割り当てがされている時間の分だけ課金が発生します。課金を停止するにはポータルから停止し、「割り当て解除済み」状態にすることで、CPUおよびメモリが解放され課金を停止することができます。

いずれにせよ、恵比寿のランチ代よりは安いと思っています。

マシンの性能アップとHoudiniの処理速度

「待機時間を高性能なマシンで短縮」するためには、お題となる処理が必要です。
そこで、今回は下記のチュートリアル動画にある「ジオメトリをファイルに起こすまでの処理」(動画 3:56)を使ってみます。

このチュートリアル動画(3:56)まで、ほぼ同様な手順を踏み、
ジオメトリをファイルに起こすまでの処理時間をNV6とNV24で比較してみます。

比較した結果は下表の通りです。

NV6 NV24
コア数 6 24
所要時間 22分 7分30秒

所要時間についてはHoudiniのダイアログに表示された経過時間です。
表をみると、コア数が4倍になると、所要時間は1/3になっていることがわかります。
Houdiniがイケてるアプリケーションと思わせてくれますね。

また別の機能で調べてみると、面白いことがわかるかもしれませんね。

Houdiniを動かすまで

ざっくりとした手順を示します。

  1. Azure NV仮想マシンを作る
  2. NVIDIAのドライバーをインストールする
  3. Houdiniをインストールする
    • Houdiniの機能を試すだけであればHoudini Apprenticeで十分かと思います。

下図はAzure N24のデバイスマネージャの様子です。
Tesla M60が4枚搭載されていることがわかります。圧巻ですね。

AzureNV24-DeviceManager-after.png

下図はAzure N24のHoudiniにシミュレーションさせたときのタスクマネージャの様子です。
CPUを使っていることがわかります。

AzureNV24-TaskManager.png

まとめ

以上の通り、HoudiniをAzure NV仮想マシンで動かす方法について紹介しました。

Azure NV仮想マシンは金銭面では利用の敷居が低いので、「高性能なマシンは持っていないけど、Houdiniのこの機能を試してみたい」という場合や、シミュレーション結果をディスクに残したい場合などでは有効だと思います。

マシンを調達する方法として、HPやDELL、そしてBOXXから買う以外に、クラウドサービスも視野に入れると良いことあるかもしれませんね。

本エントリーが読者様に少しでもお役に立てれば幸いです。

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