Overview
本投稿は個人的・非商用の立場でESRI社ArcGIS GeoBIMを使っている中で、「公式ドキュメントと情報が散逸しすぎていわかりにくいぞ??!!」と考え、調べたこと、思ったことを記したものであり、各コンテンツの正確性・更新を保証するものではありません。
What is ArcGIS GeoBIM?
以下の公式HPで記載されているように、ArcGIS GeoBIMとは、Autodesk社のクラウド製品(BIM360 & Autodesk Construction Cloud)とESRI社のクラウド製品(ArcGIS Online)をAPI連携させることで、建設プロジェクトにおけるコンテクスト(地理空間情報)とコンテンツ(設計情報・維持管理情報)を統合的に管理できるようにするWebベースのアプリケーションであると言えます。
ArcGIS GeoBIM delivers an innovative, easy-to-use web-based experience for teams to explore and collaborate on building information modeling (BIM) projects and issues, using data from multiple systems in a geospatial context.
ArcGIS GeoBIM は、AEC プロジェクト (BIM/CIM) と地理空間 (GIS) を結びつけ意思決定を支援する Web ベースのアプリケーションです。
Bacground of ArcGIS GeoBIM release: How to eliminate "Information Silo" ?
ArcGIS GeoBIMがターゲットとしている、AEC 業界とは 建築設計: Architecture、エンジニアリング設計: Engineering、建設サービス: Construction (個人的には運営: Operation もセットだと思っていますが)を提供する建設業界のセクター示しており、住宅、商業、公共インフラ、工業など社会基盤に広範に関わる業界です。
国連の統計(2018 Revision of World Urbanization Prospects)によると、2018年時点の世界人口約76億人のうち、55.3%が都市及びその郊外で生活しており、この割合は今後も増加すると言われています。拡大する都市開発は様々な課題に直面しており、都市の成熟が進む先進国においては、インフラの老朽化・気候変動への適応・カーボンニュートラル化等の課題に対応するため効率的な都市運営が求められ、新興国や発展途上国においては急速に進む都市開発と環境・地域社会との共存が喫緊の課題となっています。
こういった課題に直面する都市開発において、AECプロジェクトが抱える問題の一つが、情報のサイロ化(Information Silo)です。
組織の分断や利用しているデータ、プラットフォームの違いから、デザイン設計→エンジニアリング設計→建設→運営 といった各段階へ移行する際のデータ変換・引継ぎ(Transition)において、情報ロスが生じるという問題です。
建設・建築プロジェクトにおいて、実施されるエリアには自然環境、社会環境、政治的・行政的な要求などが「コンテクスト」として存在し、それらの要求にこたえ、適応するように「コンテンツ」である構造物が設計・建造されるべきです。しかし、上記に示したような分断のほか、個人・組織・機関など多くの利害関係者が参画するプロジェクトにおいて、この「コンテクスト」と「コンテンツ」に関わる情報をいかに一貫して引き継ぎ、共有し、アクセスできる状態に保つか、ということは非常に大きく、困難な課題として存在しています。
プロジェクトの効率的な遂行、建設するものの性能の発揮、効率的な管理運営などを実現するためには、Transitionによる情報の欠落を最小化することが必要であり、この課題を解決する1つの方法が、「プロジェクトを単一の統合プラットフォームで作成する」ことであり、コンテクスト:GISとコンテンツ:BIM/CIM&CAD を統合するために開発されたソフトがArcGIS GeoBIMと言えます。
image from: GOV Design HUB: Simplifying the AEC Project Lifecycle
「建設DX」という文脈から見た「統合プラットフォーム」の役割
情報伝達時の情報の欠落と「情報のサイロ化」と言う問題は、社内の一プロジェクトにスケールダウンして考えるとより分かりやすくなります。
以下の図はAutodeskが開催したウェビナーからの資料の抜粋です。
個々で管理していたデータをプラットフォームで管理し、作業者、意思決定者からいつでも参照できるような状態にしたうえで、「見える化」の部分をコンピュータによって補助することで、報告のためだけに行われていたレポート業務の時間・労力が不要になり、情報伝達の際に発生していた情報の選別と欠落・タイムラグが解消される、ということをわかりやすく図解しています。
image from: Autodeskウェビナー「DXを実現するオートデスクのプラットフォーム」(2022/6/22)
ArcGIS GeoBIMにおいては、「コンテクスト」部分のプラットフォームにArcGIS Onlineを使い、「コンテンツ」部分のプラットフォームにAutodesk Construction Clourd(もしくはBIM360)を使い、コンピュータによる「見える化」をArcGIS GeoBIMが担う、といった図式です。
image from: 【ArcGIS Story Map】Introducing ArcGIS GeoBIM
Case Studies
- Metro Construction project in France ESRI User Conference 2022: Egis
Document list
Official Documents
【ArcGIS Blog】 ArcGIS GeoBIM: An Introduction
【ArcGIS Blog】 Introduction to Schedules in ArcGIS GeoBIM
【ArcGIS Story Map】Introducing ArcGIS GeoBIM
Release Notes
ArcGIS GeoBIM/Resources/Release Note 2021年12月
ArcGIS GeoBIM/Resources/Release Note 2022年6月
Videos
ESRI User Conference 2021: ArcGIS GeoBIM
ESRI: Introducing ArcGIS GeoBIM
ESRI: Bridging GIS-BIM to Design, Build & Maintain Resilient Infrastructure
ESRI Malaysia: GeoBIM デジタルエンジニアリングの新時代
Other Documents
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