書籍「図解コレ1枚でわかる最新ITトレンド」で登場した単語についてまとめてみた。
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目次
1.デジタル・トランスフォーメーション
デジタル・トランスフォーメーション(DX)
デジタルテクノロジーを駆使して、企業の文化や体質を変革し、ビジネスのやり方や組織の振る舞いを変化させること。
ITによる業務プロセスの強化、置き換え、業務とITの密接化を通して、変化への即応力、破壊的競争力を得ることができる。
ビッグデータ
膨大なデータのこと。
「誰が何に興味があるのか」「誰と誰がつながっているのか」「この製品はどういう評価を受けているか」などといった情報を、機械学習を使って分析し、最適解を得る。
例:YouTubeの視聴履歴、Amazonの購入履歴、映画感想サイトの評価など
CPS(サイバー・フィジカル・システム)
現実世界をデータで捉え、現実世界とITが一体となって社会やビジネスを動かす仕組み。
デザイン思考
デザイナー的なクリエイティブな視点で、最適な解決策を見つけ出す手法。
常にユーザー視点に立ち、ユーザー目線でのアイデアを考案する必要がある。
リーン・スタートアップ
最小限の機能に絞って短期間で開発しフィードバックを受けて、市場価値がないとわかれば撤退も考慮するなどをして、新規事業の成功確率を高める。
デジタイゼーション
デジタル技術を利用してビジネス・プロセスを変換し、効率化やコストの削減、あるいは付加価値の向上を実現する。
例:書籍→電子書籍にする、コピペ作業をRPAで代替する、など
デジタライゼーション
デジタル技術を利用してビジネス・モデルを変革し、新たな利益や価値を生み出す機会を創出する。
例:サブスクによる映画視聴、Zoomオンライン授業、など
GAFA
Google, Amazon, Facebook, Appleのアメリカの代表的なIT企業4社のこと。
VeriSM
- Value-driven(価値主導)
- Evolving(発展、展開する)
- Responsive(敏感に反応する)
- Integrated(統合、統合された)
- Service(サービス)
- Management(マネジメント)
DXを実現するための、マネジメント側に対しての運用モデル(フレームワーク)のこと。
2.IoT/モノのインターネット
IoT(Internet of Things)
2つの考え方がある。
- 現実世界の出来事を捉え、ネットに送る仕掛けや仕組みのこと。
- データの「収集」「分析」「活用」といった一連のサイクルのこと。
IoTは以下の3層に分けることができる。
- デバイス層...データを収集してネットワークに送り出す。
- エッジ・コンピューティング層...データを収集・集約しクラウドにデータを送り、すぐに処理して結果を返す。
- クラウド・コンピューティング層...膨大なデータ解析やアプリケーションを実行する。
5G
第五世代移動通信システム。
「高速・大容量データ通信」「大量端末の接続」「超低遅延・超高信頼性」の実現を目指している。
ネットワーク・スライシング
利用目的に応じて、ネットワーク仮想的に分離して提供すること。
例:ドローンを飛ばす場合は、大きな通信帯域は必要ないが、低遅延である必要があるため、低遅延のネットワークを優先的に使用する、など。
ローカル5G
自己の建物内部、自己の土地の敷地内に限定した自営の5G通信。
ドローン
遠隔操作が可能な無人飛行機の総称。
MaaS(Mobility as a Service)
車やバス、タクシー、鉄道などの交通手段を統合し、移動車に最適な組み合わせを提供するサービス。
3.AI/人口知能
AI
人間が行う知的作業をソフトウェアで実現する技術や研究。
- 汎用型人口知能(人間の知能そのものを持つ機械を作る)
- 特化型人口知能(人間が知能を使って行うことを機械にさせる)
の2種類がある。
ルールベース(エキスパート・システム)
機械学習と対比される。
人間の体験や伝聞によって得られた知識のこと。
機械学習
大量のデータを分析して規則性を見出すこと。
以下の3種類の学習方法がある。
- 教師あり学習...入力と正解例の関係を示したデータを学習データとして入力し、その関係を再現できる推論モデルを生成する。
- 教師なし学習...なんの説明もない学習データを入力し、抽出した特徴の組み合わせから類似したグループを見つけ出す推論モデルを生成する。
- 強化学習...推論の結果に対して評価を繰り返し与えることでどのような結果を出してほしいかを示し、その結果をもっともうまく再現できる推論モデルを生成する。
推論モデル
特徴の組み合わせをプログラムが見つけ出す。
推論モデルを作る処理を「学習」と呼ぶ
例:肺がんの患者のレントゲン写真から共通する特徴を見出す、など
データサイエンス
機械学習を使って得た規則性を分析したり、何に役立てるかなどを考える学問。
ディープラーニング
データの分類や認識の基準を人間が教えなくても、データを解析することで自ら見つけ出すこと。
大量の学習データが必要なこと、結果に至るまでの理由まで分析することはできない、などといった課題がある。
ニュートラルネットワーク
人間の脳で行われている知的処理のプロセスを数学的なモデルに置き換えてコンピュータで処理させようというプログラムの総称。
4.ITインフラストラクチャ
SDI (Software-Defined Infrastructure)
ソフトウェアでシステムの機能や性能を調達、設定、管理できるインフラ。
仮想化
標準的な構成のハードウェアをあらかじめ用意しておき、そこから必要となるシステム資源(CPU、ストレージ容量、ネットワーク機能など)をWebやコマンドラインから指定することで、調達や構成ができるソフトウェア技術のこと。
仮想化のタイプには以下の3種類がある。
- パーティショニング(分割)...1つのシステム資源を、複数の独立した個別の資源として機能させる。
- アグリゲーション(集約)...複数のシステム資源を、1つのシステム資源のように機能させる。
- エミュレーション(模倣)...あるシステム資源を異なるシステム資源として機能させる。
仮想サーバー(仮想マシン)
ハードウェアに搭載されているプロセッサ、メモリの使用時間やストレージの容量を細かく分割し、複数のユーザーに割り当てる。
これにより、物理的に1台のハードウェアを、複数のサーバーがあるかのように使用できる。
仮想マシンの設定ファイルをコピーすれば、別PCでも同じ環境を再現できる。
コンテナ
仮想マシンの構築は行わず、元のOS環境上に隔離されたエリアを作り、仮想的に新たなOS実行環境を作り出す。
仮想マシンとは異なり、1つのOS上で複数のコンテナを動かすことができる。
以下参照。
コンテナとは - IT用語辞典 e-Words
Docker
コンテナ管理ソフトウェアの一つ。
コンテナを生成する設定を「Dockerfile」として公開し、それを他のユーザーと共有できる仕組みがある。
これにより、アプリケーションを稼働させるためにOSをインストールして、設定・テストするなどの作業が不要となり、環境構築の手間を省くことができる。
Kubernetes
ネットワークにつながる複数台のサーバーで稼働するコンテナを横断的に管理する。(Dockerではできない)
複数台のサーバーから構成さえる実行環境を1台の実行環境のように扱うことができる。
仮想化の種類
-
デスクトップ仮想化
ユーザーの使用するPCを仮想PCとして動かし、ディスプレイ、キーボード、マウスをネットワーク越しに使えるようにする。 -
アプリケーション仮想化
WordやExcelといったアプリを、ネットワークを介して複数のユーザーで共同利用することができる。 -
クライアント仮想化
1台のPCでWindowsやMacOSなど異なるOSを同時に稼働させることができる。 -
ストレージ仮想化
ストレージ(記憶装置)を複数のコンピュータで共用する。 -
ネットワーク仮想化
ネットワークの接続ルートやQoS(Quality of Service:スループットやレスポンス、セキュリティなどの水準)、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器の構成をソフトウェアの設定だけで調達、変更できるようにする。
CSRIT
シーサート(Computer Security Incident Response Team)
「必ず起きる」前提で構築された情報セキュリティ対応の中核を担う組織。
5.クラウド・コンピューティング
クラウド・コンピューティング(クラウド)
コンピュータの機能や性能をネットを通じて共同利用するための仕組み。
アプリやプラットフォーム、インフラなどを所有せずに、サービスとして使用できる。
クラウドの種類
-
SaaS(Software as a Service)
電子メールやスケジュール管理、文書作成や表計算、財務会計や販売管理などのアプリケーションを提供するサービス。
例:Salesforce.com, G-Suite, Office365など。 -
PaaS(Platform as a Service)
アプリケーション開発やアプリケーションを実行するために必要な機能を提供するサービス。
OS、データベース、開発ツール、実行時に必要なライブラリや実行管理機能など。
例:Azure, Force.com, Google App Engine, Cybozu kintoneなど。 -
IaaS(Infrastructure as a Service)
サーバー、ストレージなどのハードウェアの機能や性能を提供するサービス。
AmazonEC2, Google Compute Engine, Azure IaaS, IBM Cloud IaaSなど。
配置モデル
クラウドサービスをシステムの設置場所の違いによって分類しようという考え方。
以下の種類がある。
- パブリッククラウド...複数のユーザー企業がインターネットを介して共用するもの
- プライベートクラウド...企業がシステム資源を自社で所有し、自社専用で使用する
- ハイブリッドクラウド...パブリッククラウドとプライベートクラウドを用途に合わせて使い分ける
- マルチクラウド...パブリッククラウドを組み合わせて、自分たちに最適なクラウドサービスを実現すること
クラウド・バイ・デフォルト原則
政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針。
政府情報システムは、クラウド・サービスの利用を第一候補としてその検討を行う。
- Step0:検討準備
- Step1:SaaS(パブリック・クラウド)の利用検討と利用方針
- Step2:SaaS(プライベート・クラウド)の利用検討
- Step3:IaaS/PaaS(パブリック・クラウド)の利用検討と利用方針
- Step4:IaaS/PaaS(プライベート・クラウド)の利用検討
6.開発と運用
アジャイル開発
プログラムに優先順をつけて、1~2週間程度の短いサイクルでユーザーに見てもらい、フィードバックをもらいながら完成度を高めて機能を積み上げいく開発手法。
DevOps(Development & Operation)
開発チームと運用チームがお互いに協調し、また運用や本番移行を自動化する仕組みを積極的に取り入れ、開発と運用が途切れることなく連続する仕組みを実現し、ビジネスを止めずに、継続的に本番以降する仕組み。
RPA
ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)。
コピペや天気、照合や入力などのキーボード、マウスを操作して行う作業を自動化するソフトウェア「ロボット」が、人力で行っていた作業を代行する。
イミュータブル・インフラストラクチャ
本番環境に対してバージョンアップやパッチ適用などの管理をしない考え方。
本番環境を変更するときは、全く同じ構成や能力のインフラを別に用意しておき、問題がなければネットワークの接続を本番環境からそちらに切り替える。
インフラストラクチャ・アズ・コード
ハードウェア、OS、コンテナ、開発・実行環境までを一元的にソフトウェアで制御し、自動で移行させようというやり方。
マイクロサービスアーキテクチャ
ソフトウェアを互いに独立した単一機能の部品に分割し、それらを連結させることで全体の機能を実現しようとするもの。
サービスの連結
以下の2種類の方式がある。
-
リクエスト・リプライ方式
全体の処理の流れを制御する指揮者にあたるプログラムが存在し、そこからのリクエストによってサービスを実行し、実行結果をレスポンスとして指揮者に返して次の処理に引き継ぐ方式。 -
イベント・ドリブン方式
個々のサービスにあらかじめ動作条件や次にどのサービスを起動させるかといった設定が与えられており、それに従って各サービスが自律的に動作する方式。
FaaS(Function as a Service)
サーバレス(アプリケーションの実行に必要なサーバーのセットアップと管理を気にせず開発)でアプリケーションを開発し実行できるクラウドサービス。
必要なインフラの調達や管理をクラウドサービスに任せて開発する。
クラウドネイティブ
ミドルウェアの設定、インフラの構築、セキュリティ・バッチの適用、キャパシティ・プランニングなどの作業をクラウドサービスに任せ、開発者の負担を開発する取り組み。
APIエコノミー
APIを提供し、お互いに利用できるエコシステム。
例:Qiita API、YouTube APIなど
SRE
開発者や運用者に対して組織横断的なインフラ整備を行う技術者たち。
7.いま注目しておきたいテクノロジー
VR / AR / MR
- VR(仮想現実)...コンピュータが描き出した仮想世界の中に入り込み、自分がそこにいるかのような感覚を体験。
- AR(拡張現実)...現実に見ている視覚空間にコンピュータが作り出した情報を重ね合わせて表示。
- MR(複合現実)...現実世界とコンピュータで作り出されたデジタル世界を重ね、そのデジタル世界に触れて操作したり作用をおよぼしたりできる。
3Dプリンタ
デジタルデータから立体の造形物を直接作り出す装置。
ブロックチェーン(分散台帳)
取引に関わる複数のシステムで取引履歴を分散共有し、信頼できる第三者機関による仲介がなくても、
データの改ざんを困難にすることで、取引の正当性を保証する技術。
ビットコインの信頼性を保証するための基盤技術として誕生され、現在ではビットコインだけでなく、仮想通過においても使われている。
ニューロモーフィック・コンピュータ(脳型コンピュータ)
脳の神経細胞であるニューロンを模した電子回路で構成されるコンピュータのこと。
脳のニューロン(神経細胞)とシナプス(ニューロンのつながり)を再現したチップを大量に搭載し、
情報の種類に応じて、情報の結びつきや演算方法を変化させる仕組み。(ここ間違っていたら教えてください。)
機械学習・推論を高速かつ低消費電力で実行できるとともに、一部回路に不具合が起きても、大量にある他の回路が代替してくれる。
量子コンピュータ
量子物理学(量子力学)の物理現象を利用して計算を行うコンピュータのこと。
従来のコンピューターは、計算の最小単位(ビット)が0or1のどちらかだが、量子コンピューターは、計算の最小単位(量子ビット)が0と1の両方の状態となっている。
そのため、従来だと4ビットの組み合わせの計算が16回必要なのに対して、1回の計算で全ての組み合わせを計算できる。
まだ研究中だが、以下のような種類がある。
-
万能型量子コンピュータ
量子物理学の基礎方程式を、全て計算できるコンピュータ。
量子ゲート方式とも呼ばれている。 -
特化型量子コンピュータ
特定の計算問題に特化して、高速に計算できるコンピュータ。
量子イジング・マシン方式とも呼ばれている。