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Raspi Picoで Grove LCD を使う (C++)

Last updated at Posted at 2021-10-07

Grove Starter Kit for Raspberry Piに付属するGrove Shield for Pi PicoGrove - 16x2 LCDをRaspberry Pi Picoで使う方法を説明します。
公式にはMicroPythonのサンプルコードがありますが、ここではC++を使って実装しました。

Grove Starter Kit for Raspberry PiGrove Shield for Pi Picoについては、こちらの記事を参照してください。Starter Kitに付属する他のGroveモジュールの使い方へのリンクもこの記事にあります。

今回実装したソースコードはGithubにアップしています。

Grove - 16x2 LCDについて

image.png

横16文字、縦2行の文字を出力できるLCDです。文字と背景の色は変えられません。
PicoへはI2Cで接続します。よって、Grove ShieldのI2C0I2C1に接続します。

公式のwikiでデバイスの詳細説明やArduinoを使ったサンプルコードが説明されています。
また、Grove Shield for Pi Picoのwikiでは、Pico + MicroPythonを使ったサンプルコードが説明されています。

ソースコード

実装方針

今回ほしいのはLCDモジュールをPicoで使うためのC++コードです。しかし、以下3つのサンプルコードはいずれも今回ほしいコードから少しずつずれています。
そのため3つのサンプルコードを組み合わせて実装しました。

参考にしたサンプルコード:

  1. Grove-LCD RGB Backlight
    • LCDの公式wikiよりダウンロード可能
    • Arduino用のサンプルコード
    • rgb_lcd.cpp / rgb_lcd.hというC++で実装されたソースコードがある。
      • Arduinoで使うことを想定しているため、Picoではそのまま使えない。(具体的にはI2C通信の箇所を変更する必要がある)
      • 公式wikiでも説明されているが、背景色を自由に設定できるLCD用のコードとなっている。今回のLCDは背景色を変えられないので、背景色を設定する機能については使用できない
  2. Beginners Guide of Raspberry Pi Pico Based on MicroPython
    • Starter Kitのマニュアルや、それに含まれる複数のモジュールのサンプルコードが説明されている
    • Picoで使用できるMicroPythonのコード
  3. Picoのサンプルコード (pico-examples)
    • C++で実装されたサンプルコード
    • LCDのサンプルコードもあるが、今回のLCD用というわけではない
    • Arduino用のrgb_lcd.cppと比べるとかなり差分がある

実装方針は、はArduino用のソースコード(No.1)をベースとして、Arduinoに依存した実装をPicoサンプルコード(No.3)を参考にして修正しました。

ソースコード

実装したコードをここに全て載せると長くなるので、重要な箇所だけ抜粋します。ソースコード全体はGithubにアップしています。

1. I2Cへデータ送信する処理

WireはArduino用のライブラリなので、PicoのI2C用の関数**i2c_write_blocking()**に変更します。
変更前:

rgb_lcd.cpp
void i2c_send_byte(unsigned char dta) {
    Wire.beginTransmission(LCD_ADDRESS);        // transmit to device #4
    Wire.write(dta);                            // sends five bytes
    Wire.endTransmission();                     // stop transmitting
}

void i2c_send_byteS(unsigned char* dta, unsigned char len) {
    Wire.beginTransmission(LCD_ADDRESS);        // transmit to device #4
    for (int i = 0; i < len; i++) {
        Wire.write(dta[i]);
    }
    Wire.endTransmission();                     // stop transmitting
}

変更後:

lcd_1602.cpp
void Lcd1602::SendByte(unsigned char dta) {
  i2c_write_blocking(i2c_inst_, LCD_ADDRESS, &dta, 1, false);
}

void Lcd1602::SendByteS(const unsigned char* dta, unsigned char len) {
  i2c_write_blocking(i2c_inst_, LCD_ADDRESS, dta, len, false);
}

2. 文字列を出力する関数

文字列を出力するためにArduino用のサンプルではprint()関数を読んでいます(サンプルのHelloWorld.ino参照)がrgb_lcd.cppにはそのような関数の実装がありません。
これはrgb_lcdクラスがPrintクラス`を継承しており、その継承元クラスの関数を呼んでいるためです。Picoにはそのようなクラスがないため、独自で実装する必要があります。

rgb_lcd.cpp
class rgb_lcd : public Print {
  ...
lcd_1602.cpp
void Lcd1602::Print(const std::string& str) {
  for (int i = 0; i < str.length(); i++) {
    unsigned char dta[2] = {LCD_SETCGRAMADDR, str.c_str()[i]};
    SendByteS(dta, 2);
  }
}

3. I2Cの初期化処理

PicoのI2Cを使うために、初期化処理を実装します。Picoのサンプルコードではi2c_defaultを使うようになっています。これは実際にはi2c0です。
I2C0とI2C1のそれぞれに対応できるように、以下のように実装します。

lcd_1602.cpp

Lcd1602::Lcd1602(const ShieldPort i2c) {
  if (i2c == ShieldPort::kI2C0) {
    i2c_inst_ = i2c0;
  } else if (i2c == ShieldPort::kI2C1) {
    i2c_inst_ = i2c1;
  } else {
    i2c_inst_ = i2c0;
  }

  i2c_init(i2c_inst_, 100 * 1000);
  ...

4. 背景色設定機能の削除

今回使用するLCDでは背景色の設定ができないため、該当する関数を削除します。

void setRGB(unsigned char r, unsigned char g, unsigned char b);
void setPWM(unsigned char color, unsigned char pwm);
void setColor(unsigned char color);
void setColorAll();
void setColorWhite();

5. その他変更箇所

クラス名や変数名、コーディングスタイルなどを自分の好みに変更しています。

ビルド

pico-examplesと同じようなCMakeファイルを用意してビルドします。

CMakeLists.txt

set(GROVE_LIB grove-sensors)
file(GLOB SOURCE *.cpp) 
add_library(${GROVE_LIB} STATIC ${SOURCE})
target_link_libraries(${GROVE_LIB} pico_stdlib hardware_i2c)

実行結果

DSC_1112.JPG

参考

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