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RevCommにおけるリモート開発を支える取り組みを紹介します

Last updated at Posted at 2020-12-11

この記事は2020年のRevCommアドベントカレンダー11日目の記事です。10日目は @series7 さんの GitHub Actionsを使ってServerless Frameworkチーム開発効率化 でした。

皆さまはじめまして。AI搭載IP電話MiiTelを開発・提供している、株式会社RevCommのCTO 兼 音声通信インフラ開発チームのマネージャーの平村です。

2020年、COVID-19による想定もしていなかった事態に直面し、このような環境下においてもスピードを落とさず、より多くのお客様の電話を使った業務を支えるため、RevCommでは様々な取り組みを進めました。この記事では、その特徴的な制度や内容についてご紹介したいと思います。

創業時から運用されていたリモートワーク制度

実は、RevCommでは創業当時からエンジニアだけでなく、管理部門まで全社員にフルリモート・フルフレックスタイム制を導入しており、働きたい場所で働きたい時間に働きたい道具で取り組むことで生産性を最大化できるのではないかという考えに基づいて、就業時間に裁量を設け、勤務場所もオフィスだけでなく会社が許可した場所での業務を就業規則で認めています。

私のように、午前中は自宅で集中して業務を進め午後から出社、といった働き方をしていたメンバーもいますし、家庭の事情などで地方都市から勤務し数ヶ月に1度だけオフィスに出社するメンバーもいます。

このため、物理的にオフィスに出社していなくても情報に不公平が生じないコミュニケーションを心がけるなど、創業当初から様々なルールを設けています。このため、リモート開発が本格化した後も事業の成長を止めることなく開発や運用を推進できた実績もあり、そのユニークな取組みをいくつか紹介したいと思います。

ミーティングルール

ミーティングは、数ある意思決定手法の中でも、全ての参加者の時間を拘束する最も時間的コストが高い方法です。このため、テキストチャットなどクイックに意思決定できるものであれば、それを優先すべきですが、どうしてもミーティングを開催したほうが効率性が高いと判断された場合にミーティングを実施しています。

そして、議論が発散することのないよう、事前に決定事項(選択肢を挙げ、起案者がベストだと考える選択肢を決めておく)まで記載された議事録を作成し、限られた時間を効率よく使えるようにしています。このため、現在では各チームのミーティングは週にたった1回、随時必要なメンバーのみで口頭で確認したほうが効率よく進められると判断されるものだけで平均的に週数回開催する程度です。

リモートワーク手当

リモートワークに向けた環境を本格的に整える必要のあるメンバーもいることから、2020年4月に1人あたり10万円のリモートワーク手当を支給しました。うち5万円はリモートワークの準備に、2万円は光熱費に、残り3万円は「世の為、人の為に使う思いやり予算」として定め、その使途の報告は不要としました。

その後も、2020年12月現在、通勤定期代の支給を希望しない方には毎月2,500円を上記の思いやり予算を含めたリモートワーク手当として支給しています。この詳細は、「RevCommのリモート手当「思いやり予算」について」をご覧ください。

エンジニアとして社会に貢献する

医療関係者が命の危険を冒してまで患者の検査や治療に追われ、製薬会社の研究者がワクチン開発を日々急いでいる中、我々の立場でもなにか社会に貢献ができないか、アイデアを集め、いくつかの取り組みを実施しました。

MiiTel無償提供

RevCommが開発・提供するMiiTelはリモートワーク、特に非対面での営業活動や顧客対応を支えるクラウドサービスの一つです。これまでオフィスに出社して据え付けの電話機を使っていた方々が、ヘッドセット1つでパソコンからインターネットを介して、自宅などリモートサイトから通話し、その通話内容を上司や同僚と共有することができ、感染拡大の抑止に大きく貢献できます。

2020年3月と4月に2回の無償提供を決定し、多くのお客様は無償提供終了後も活用頂いています。現在、第3波拡大の流れを受けて、3回目の無償提供を2021年2月まで実施しています。この取り組みの詳細は「新型コロナウイルス第3波対策として、テレワーク応援キャンペーン開催。音声解析AI電話「MiiTel」を2月末まで無償提供」に記載しています。

ニーズ急増に向けたインフラ構築自動化とパフォーマンス改善

これまで事業が急成長していた経緯もあり、MiiTelの運用環境では、基本的に全てのインフラをオートスケーリング可能な構成またはサーバレスの構成を採用し、突発的なニーズ急増への対策を実施しています。以下はMiiTelのユーザ数の推移で、2020年12月現在、2020年3月との比較でユーザ数が約2.7倍に増加しています。

chart (2).png

一部のオートスケーリング構成が難しいサーバ群に関しても、これまでTerraformによる構築自動化を行っていましたが、さらに独自開発したスクリプトによる構築の自動化や、Puppeteerを利用したサービスイン前、サービスイン後のテスト自動化に取り組みました。

また、Amazon Elasticsearch Serviceを使った全文検索エンジンをリリースし、データ増に対する検索性能の向上にも取り組み、それらの詳しい内容は、9月にオンライン開催されたAWS Summit 2020でも紹介しました。(参考: 【レポート】 CUS-114:[Startup Talks] Voice x AI で、With コロナ時代に急拡大する音声解析 AI 電話「 MiiTel 」 #AWSSummit | Developers.IO)

オンライン会議・IP電話用スピードテストの無償提供

多くのビジネスパーソンや学生らがオンライン会議を使う機会が今年に入って急増しました。そこで生まれる課題が、自宅のインターネット回線が快適にオンライン会議を利用できるかです。特に重要な商談に望むビジネスパーソンにとっては、ネットワークの品質が商談結果を左右するケースもあるでしょう。

通常、スピードテストといえば「上り○○Mbps、下り○○Mbps」といった回線の速度を測定するものが中心です。これはビデオ視聴やサイズの大きなファイルのダウンロードが快適に行えるかを図る指標としては十分ですが、インターネットを使ったIP電話やオンライン会議においては、ジッタ(単位時間内の通信速度の変動度合い)や、レイテンシ(パソコンとサーバーの間の通信にかかった時間)が通信品質を左右する極めて重要な要素になります。

例えば、高速なネットワークであれば高画質、高音質で通信できますが、急に低速になってしまうと、コーデックをより低い速度に対応したものに切り替えなければならないため、瞬間的な音飛びが発生してしまいます。レイテンシは音声や画像が相手に届くまでの時間を指します。レイテンシが高いと、相槌のタイミングがずれたり、会話のキャッチボールがスムーズにできず、不快な思いを与えるでしょう。

そこで、RevCommでは、MiiTel Speed Test として、実際に音声をサーバから再生し、同時に音声をパソコンからも再生することで、音飛びの発生状況を簡単にシミュレーションできるサービスを開発しました。

MiiTel-Speed-Test.png

そのシステム構成を以下に紹介します。
Screen Shot 2020-12-10 at 1.15.07.png

まとめ

RevCommでは、全てのメンバーが働きやすくパフォーマンスを発揮しやすい制度を設け、コミュニケーションの再発明を通して人が人の事を思う社会創りに貢献するエンジニアを募集しています。募集中のポジションは、株式会社RevComm 採用情報 をご覧ください。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

明日は @tomohiro86 さんの記事になります。

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