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reactiveに業務をしながらproactiveに動くこと、持つべき視座について(別名:EM忙殺問題)

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キャディ株式会社でエンジニアリングマネージャーをしている平岩です。
本エントリは Engineering Manager Advent Calendar 2022
のカレンダー1の5日目の記事です。

今年もアドベントカレンダーのシーズンになりましたね。クリスマスシーズンだからポエムを書こうと思います。

クリスマスプレゼントの提案です。
敵には許しを、
競争相手には寛大さを、
友には心を、
顧客にはサービスを、
すべての人に慈悲を、
すべての子供たちには良き先例を、
そして自分自身には尊敬の念を。

by オーレン・アーノルド (1960年代に活躍したアメリカのジャーナリスト・小説家)

(「クリスマス ポエム」で検索した結果を貼りました。)

非常に抽象的でよくわからないタイトルのエントリに見えるかもしれませんが、こんな感じの素敵なポエムになったら良いなという気持ちで、綴っていこうと思います。

ではさて、

EMの皆さん、こんなことありませんか?

  • カレンダーがスクラムイベントと組織系の会議と1on1で全部埋まった
  • 会議や採用面接が連続していて、準備とアフターフォローをする時間もない
  • 突発的なトラブルのフォローで予定を全部リスケしてしまった
  • ちょっと手が空いたなと思ったら、差し込みタスクが大量に来た
  • あまりに手が空かないので会議中に内職してしまい、他参加者から不興を買う
  • すぐやらなくても大丈夫な仕事を先延ばしにし続けて半年くらい経った
  • どんどん舞い込む仕事に対応しつづけていたら
    • 上司やメンバーから「何をしているのかわからない」と言われる
    • 自分自身も何屋なのかわからなくなってくる…

reactiveに動くことの限界

エンジニアリングチームやエンジニアリング組織の様々なマネジメントに向き合っているEMにとって、イベントが発生してからそれに対応するということはよくあることだと思います。もちろん、そういうイベントを発生させるための仕組み(プロダクト戦略や人事戦略など)も含めてEMの仕事の範疇とも言えるのですが、運用に載った段階で対応の仕方としてはどうしてもreactiveな動き方になってしまうことも多いと思います。

そうして、どんどんreactiveな仕事が多くなっていった結果、どうしても普段の業務を切り離してじっくり考える時間が取れず、EMとして本当に価値発揮すべき仕事を見失ってしまうこともありうると思います。

経験的にですが、reactiveな仕事とproactiveな仕事、結構使うアタマが違う気がするんですよね。reactiveな仕事が大半を占めた結果として、proactiveにアタマを使うことのコストが大きくなってくるような、コンテキストスイッチといえばそうなのかもしれませんが、reactiveにアタマを使うことが多いとproactiveな発想が出てきづらくなることはある気がしています。

proactiveに動くためにreactiveな仕事を何とかする

では、その状況への回答として、proactiveに動いていくにはどうすれば良いのでしょうか。

問題の一つはreactiveなマネジメント仕事がEMに集中しやすいことです。チームや組織のサイズやカルチャーにもよりますが、採用やピープルマネジメントだけでなく、EMは担当範囲内でこぼれたボールは全部拾うことになりがちです。マネジメントスキル的に他メンバーが対応しづらい、エンジニアにやってもらうのは忍びないから自分で巻き取っちゃう、といったケースがあるでしょう。

この状況を打破するには、やらないことを増やすか、仕事をシェアするか、大枠どちらかしかないように思います。業務整理や見直しによって少ないトレードオフでやらないことを増やせれば、それに越したことはないですが、そうもいかない場合はつらいところ。どれも不可欠な仕事なのであれば、他の人でもやれるように仕組み化や育成や採用を行っていくしかなくなりますが、どうしてもリードタイムが長くなります。その徴候を感じたら、将来的にエンジニアリング組織が迷走する要因になりかねません。組織課題として担当範囲のメンバーだけでなく、上長や経営陣に相談しておき、半年〜1年での組織課題としてマイルストーンも考えた方が良いと思います。

proactiveに動くための方法を考える

仮に、ある程度は仕事の集中を緩和できて、EMが考える時間を確保できたとします。その後、どうやってproactiveなアクションを決めて実施していくのでしょうか。その一つは、現在の課題ではなく(現在の課題という時点でreactiveでもある)、将来的な課題に目を向けることが基本になる気がしています。

例えば、将来的にそのプロジェクトが本格始動したら浮きそうなボールをあらかじめ拾いにいくといったものです。ちょうど、今年のアドベントカレンダーの記事でそれに近いことを主題に議論されている記事がありました。

やや抽象的ではありますが、事業戦略や組織戦略を理解し、現状や理想を照らしあわせることで、エアスポットになっていたり、曖昧になっている部分をケアしにいく、という発想ですが、EMがproactiveに動くための考え方として参考になります。

一方、EMがproactiveに動かざるを得ない仕組みを作る、という発想もあると思います。OKRやKPIのオーナーになることや、大きな定性目標をまずは標榜してしまうといった、目標ドリブンに動き、目標からの逆算で実際の行動を決めていくというのは定番に近いやり方だと思います。

また他の仕組みとしては、以下の今年のアドベントカレンダーの記事で紹介されていた、LayerXさんの「20%口出しルール」は面白いものだと思いました。

EMだけが対象ではないですが、よりproactiveな動きを奨励していくカルチャーの作り方として参考になります。

EMの付加価値って何だろう?

去年のこちらのふざけたエントリでも軽く言及させていただきましたが、開発チームに明確な課題がある場合は、マイナスをゼロにする的な意味でEMは価値を発揮しやすいと思います。そうでないとき、ゼロをプラスにさらに上げていきたい場合に、どういった価値を発揮していくかがEMの持つべき考えとして重要なのではないかと最近考えています。

なぜなら、事業やプロダクトの競合優位性を築くには、問題ないことを超えて、明確な強みが必要になると思うからです。起こり続ける課題や問題に対応し続けることに忙殺されてしまうと、なかなかそこまで考えを巡らすことは難しいことも多いかもしれませんが、少なくともそういったアップサイドを取りに行く意思をEMとして大事にしていきたい、そんなことを思った師走でした。

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