8
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

なりすましやPhishing対策としてのPlus Addressingのススメ

Last updated at Posted at 2022-04-20

Plus Addressingとは

日本語では「プラスアドレス」と言ったりするようです。
簡単に説明すると、メールアドレスの自分のローカルパートに「+好きな文字列」を追加しても、元のメールアドレスにメールが届くような仕組みです。

例えば、

hirano@example.jp

というメールアドレスを持っている場合、

hirano+hogehoge@example.jp

にメールを送っても、+以降が無視され、hirano@example.jpにメールが届きます。

gmailやM365などが、これに対応しています。

qmailがextension addressesという名前で「-」を使った同じ機能を前世紀から提供していますので、プロバイダによっては「+」ではない場合もあるかも知れません。

個人的には、かれこれ25年ほどこの技術を愛用しています。

Phishing・なりすまし対策

さて、これがどうやってなりすまし対策に使えるのか。

当たり前ですが、自分のメールアドレスを誰にも教えなければ、誰からもメールが来ることはありません。Qiitaからメールが送られてくるのは、Qiitaの会員になるときに、自分のメールアドレスをQiitaに登録したからです。

そこで、Qiitaにメールアドレスを登録するときに、例えば、

hirano+qiita@example.jp

のように、登録先のサービス名や会社名を「+」の後に追加します。

これで、Qiitaからメールが届くときは、

From: Qiita <なんたら@qiita.com>
To: hirano+qiita@example.jp
Subject: お知らせですよ

のように届きます。
フィルタリング機能か何かで、+qiitaはQiitaフォルダに振り分けられるように設定しておけば、Qiitaからのメールは全てQiitaフォルダに溜まります。

では、なりすましの場合はどうでしょうか。

From: 実は偽者 <なんたら@qiita.com>
To: hirano@example.jp
Subject: お知らせですよ

あるいは、

From: 実は偽者 <なんたら@qiita.com>
To: hirano+foobar-shop@example.jp
Subject: お知らせですよ

のようになると思います。

このメールがなりすましかどうか。
Fromのドメインを見て、DNSを引いて、DMARCを調べて、SPFも調べて・・・気が遠くなります。

Plus Addressingを使った、この方法なら、Toを見れば一目瞭然です。
+qiitaがToに入っていないので、Qiitaに登録したメールアドレスではありません。
つまり、Qiita以外のところから来たメールだとわかります。
自動的にフォルダに振り分けられるようにしていたのであれば、調べるまでもなく、見る機会さえないかも知れません。

もうひとつ、わかることがあります。
もし、hirano+foobar-shop@example.jp からQiitaを装ったメールが来たなら、foobar-shopはメールアドレスを漏洩させたのでしょう。
25年間もこの方式を使っていると、実際にいくつか見たことがあります。

なりすましの人が+qiitaを付けてきたら?

ま、そこまでしてこないと思いますが、心配なら+以降は別に連番でも適当な文字列でも構いませんので、わかりにくいものにしておけばいいですね。
振り分けルールでQiitaに入るようにさえ書いておけばいいだけですね。

まとめ

SPFやDKIM、DMARCをはじめとする、Fromドメインを中心とした送信ドメイン認証もすばらしいのですが、Plus Addressingを使用することで、もっとお手軽になりすましから身を守ることが出きます。
ぜひ、お試しください。

8
2
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
8
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?