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【Laravel8】Eloquentのupsertメソッドで複数レコードのupdateとinsertをよしなに行う

Last updated at Posted at 2022-02-16

業務で、複数のデータについて、
・既存のデータがDBにあれば更新
・既存のデータがDBになければレコード追加
を行いたいという場面がありました。

そこでupdateinsertのどちらを行うかよしなに判断してBulk insertを行ってくれるという、すごく便利なEloquentupsertメソッドの存在を知ったので、備忘録を書いておきます。

upsertメソッドとは

Laravel8から実装された機能で、1つのクエリで複数のアップサートを実行できるメソッドです。

※アップサート(upsert)とは
update + insertのことで、データの更新(update)とデータの挿入(insert)の両方の機能を併せ持つ。
対象のレコードがあればそのレコードを更新し、レコードがなければレコードの新規追加をするという場合で使う。

Laravel7までにもupdateOrCreateメソッドやfirstOrCreateメソッドという一つのレコードをアップサートするメソッドはありましたが、upsertメソッドにより複数レコードをBulk insertできるようになったようです。

使い方

usersテーブルに複数のデータをupsertする例を書いてみます。

前提として、DBのusersテーブルには
・id:1、name:taro
・id:2、name:hanako
の2つのレコードが既に存在するとします。

これに対して以下の通りupsertメソッドを実行します。

User::upsert([
  ['id' => 1, 'name' => 'taro', 'age' => 20],      // update
  ['id' => 2, 'name' => 'jiro', 'age' => 22],      // update
  ['id' => null, 'name' => 'taro', 'age' => 24]    // insert
], ['id'], ['name', 'age']);

結果は、第2引数に渡したidが一致するレコードがあった1つ目と2つ目はupdateとなり、3つ目はinsertになります。

構文

upsertメソッドは3つの引数を持ちます。

  • 第1引数
    updateまたはinsertを行いたい値を配列で渡す。

  • 第2引数
    レコードを一意に識別するカラム(プライマリーキーかユニークキー)を配列で渡す。

  • 第3引数(省略可)
    updateが行われる際に、更新する必要があるカラムを配列で渡す。
    省略すると全カラム更新される。

注意点

色んな引数を渡して動作確認をしてみて、気を付けるべきと思ったことを挙げておきます。

第2引数に指定して意味があるのはプライマリーキーもしくはユニークキーのみ

上記の例で第2引数に['id', 'name']を渡したとします。

すると2つ目のデータ['id' => 2, 'name' => 'jiro', 'age' => 22]については、既存のDBのデータはid:2、name:hanakoでありnameが一致しないのでinsertになる…と思いきや、updateが実行されました。

Readoubleにも

2番目の引数は、関連付けられたテーブル内のレコードを一意に識別するカラムをリストします。

と書いてあるので、第2引数に渡せるのは一意に識別できるカラムに限るようです。

第2引数には第1引数に渡しているカラムを渡す

先ほどの例で、以下のように第1引数にはidを渡さず、第2引数にidを渡したとします。

User::upsert([
  ['name' => 'taro', 'age' => 20],
  ['name' => 'jiro', 'age' => 22],
  ['name' => 'taro', 'age' => 24] 
], ['id'], ['name', 'age']);

この場合はidが一致するカラムがあったとしても全てinsertになりました。
なので第2引数に指定するカラムは、必ず第1引数にも渡しておかないといけません。

created_atとupdated_atは自動で設定される

モデルのタイムスタンプが有効になっている場合、created_atupdated_atのカラムは自動的に値を入れてくれます。

第1引数にはcreated_atupdated_atについて何も書かなくても、

  • updateupdated_atのみ更新
  • insertcreated_atupdated_atは処理をしたときの時刻

としてくれます。

普通の insertメソッドを使ってbulk insertする場合は、created_atupdated_atは自動入力されず明示的に含める必要があるので、これは便利だなと思いました。

【おまけ】実装例

実際のコードの書き方の例も残しておきたいと思います。

これはupsertだけでなく通常のbulk insertにも言えることですが、DBを更新するための配列をforeachfor文を回して作る際は、以下のように書くとスッキリします。

// POSTされたデータ配列 $postedAnswers をupsertする場合

$upsertAnswers = [];

foreach ($postedAnswers as $answer) {
  $upsertAnswers [] = [
    'id' => $answer['id'] ?? null,
    'body' => $answer['body'],
    'type' => $answer['type']
  ];
}

// idが一致するレコードがあれば更新、無ければレコード作成する
Answer::upsert($upsertSelections, ['id']);

私ははじめarray_pushを使って配列に要素を追加していっていましたが、先輩にレビューいただいて上記の書き方を知ったのでこれもメモでした!

参考記事

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