2022年12月16日の Qiita Night~プロダクトマネジメント~に登壇しました!
本記事はその際の登壇資料を記事化したものです。
はじめに
登壇自体初めての経験だったので、非常に緊張しました。
何をテーマに持ってくれば良いのか非常に迷いましたが、自分がProductManagerとして活動してきた中で普段考えていることをテーマに選ぶことにしました。
こんなヒトに読んでほしい
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PdMを目指している方
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PdMになりたての方
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PdMって何をするヒトなんだろう・・・、ビジネスサイドとの調整ばかり・・・、と悩まれている方々
Product Managerとは
「これ」といった正解があるわけではない、と考えています。
それは、プロダクトの成熟度、組織の規模によって担う役割は変わり得るはず、と思うためです。
正解がないからこそ、やりがいがあるしおもしろい、と個人的には思います。
でも、その中にも「共通項」はあるはずなので、それを深堀りしてみます。
→ 迷ったときは、言葉の定義から入ってみるべし!
Product Managerの言葉の定義
Product を Manage するヒト
Product:製品、結果、成果
Manage:「(馬)をてなづけるが語源」なんとかする。どうにかしてする。
引用元:英和辞典・和英辞典 weblio
→ 製品、結果、成果を最終的に何とかするヒト と言い換えることができるのではないでしょうか。
もう少し具体的に・・・
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プロダクト
- 有形・無形を問わず何かを成し遂げる価値あるモノ
- 価値 = 誰かを幸せにすること
- 例)抱えていた課題の解決、より豊かな暮らし
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それを何とかする
- 実現する、達成する
つまり、Product Managerとは以下のように言い換えることができると思います。
- 課題を解決したり、より豊かな暮らしを届けるような
- 価値あるプロダクトを実現するヒト、達成するヒト
有名な著書「INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント」でも以下のように記載されています。
機能を実装することではなく、問題を解決することである
引用:INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント
Product Managerは ”顧客の課題にフォーカスしてプロダクトを見つめる必要がある”
前置きが長くなりましたが、IoTプロダクトが不動産業界のPMFを目指すための私なりの考えをご紹介します。
大事なことは「顧客の課題にフォーカスして考える」ということです。
IoT x 不動産業界のPMFを考える
1. ソリューションではなく、顧客のコア課題にフォーカスする
プロダクトを作る際、顧客の声は非常に重要です。
しかし、顧客の言うとおりのソリューションが必ずしも正しいとは限りません。
また、我々ははじめに思いついたソリューションを素晴らしいものと思い込む傾向にあります。
- 事例1)顧客から XXX の機能がほしい と言われた。そのとおりに作ったら、全く利用されなかった。
- 事例2)一番初めに思いついた機能は素晴らしく思えた。スケジュール通りリリースしたが、全く利用されなかった。
このような悲しい事態を防ぐために、我々はソリューションではなく、顧客が抱える「コア課題」にフォーカスする必要があります。
顧客のコア課題にフォーカスするためには、顧客の要求ではなく、その背景にフォーカスしましょう。
顧客は彼ら自身のことに関してはスペシャリストですが、ソリューションを構築するスペシャリストではないからです。
言いかえると・・・
顧客は彼ら自身(BtoBであれば、顧客の業界・業務)のスペシャリストなので、顧客の要求の ”背景” に真摯に耳を傾けること が重要です。
それが顧客が真に求める「コア課題」の定義につながるはずです。
2. 顧客の声(課題)に耳を傾ける
顧客の言うとおりのソリューションが正しいとは限りません。
しかし、コア課題を定義するために顧客の声に耳を傾けることは重要です。
顧客への耳の傾け方には2つあると思います
- 顧客からの直接の声に耳を傾ける
- 顧客からの目に見えない声に耳を傾ける(データを活用して、マーケットで発生している事象を認知する)
私の所属する株式会社ビットキーのソリューションのひとつに「スマートロックをモバイルアプリで操作できる」というものがあります。
実際の声は以下のようなものがあります。
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顧客からの直接の声に耳を傾ける
例)直接ご連絡いただいた問合せ内容
家に近づくと自動でスマートロックが自動で解錠されるが
車に乗っている場合、降車している間にオートロックで施錠されてしまう -
顧客からの目に見えない声に耳を傾ける
例)冬場になると特定の事象が発生しやすい傾向にある
直接いただくお問合せ以外にも、データを活用すると課題が見えてくることがあります。
しかし、顧客の要求どおりにプロダクトを作ると、失敗します。塩梅が大事です。
3. プロダクトの特性を理解する
ここでは、プロダクトの特性のひとつである「変更容易性」についてお話します。
ビットキーのプロダクトのスマートロックを例にとってご説明します。
スマートロックの機構は大きく分けて、3つに分類されます
- Hardware(スマートロックの本体)
- Firmware(スマートロックを操作する組み込みソフトウェア)
- Software(Webやモバイルアプリなどスマートロックを操作するインターフェーズ)
それぞれの特性
- Hardware(スマートロックの本体)
- 市場にアップデートを届ける速度は非常にゆっくり
- Firmware(スマートロックを操作する組み込みソフトウェア)
- 市場にアップデートを届ける速度はHardwareよりは速いが・・・
- Software(Webやモバイルアプリなどスマートロックを操作するインターフェーズ)
- 市場にアップデートを届ける速度はほぼ即時
そこから導かれること
- 例えば、市場で重大なインシデントが発生し即時解決が求められる場合は、Softwareで解決してあげるのがよい!
- FirmwareはSoftwareの変更を受けて柔軟に操作できるようなインターフェースが求められる!
- Hardware起因の問題は改修が非常に難しいため、必要なログが残せる等、初期段階での設計が非常に重要!
まとめ
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ソリューションではなく、顧客の課題にフォーカスする
顧客の言うとおりではなく、「何に困っているか?」に意識を向ける -
顧客の声に耳を傾ける
データを活用すると、見えてくる示唆や課題があります -
プロダクトの特性を理解する
特性を理解することで、プロダクトの方向性が見えてくることがあります