ライントレース
コースに描かれた黒い線にそってロボットを走らせること。(参考: https://my-laboratory.jp/line-trace/ )
カラーセンサで色や反射光をキャッチし、黒い線を見つけたらモーターの駆動方法を変えてロボットの進行方向を変化させる。
カラーセンサーが黒色の線を見つけるということは、反射率の値が小さくなるということなので、もしカラーセンサーの反射光の値が小さくなったときに、モーターの動きを変更するというプログラムをつくることによって、ロボットの動きをコントロールすることができる。
制御方法(P制御・PID制御)
ロボコンではフィードバック制御で滑らかなライントレースを行うことにより、スピードや安定性を向上させることができる。
簡単なライントレースを行うプログラムを作る場合には、カラーセンサーで路面の明るさをみて、「暗い場合」と「明るい場合」で動きを変えてライントレースを行うのが一般的(オンオフ制御と呼ばれる)
このようなシンプルなプログラムでもライントレースは可能だが、スピードや安定性に欠ける。
(参考:https://afrel.co.jp/product/spike/technology-spike/prime/competition/50348/ )
P制御
Proportional制御(比例制御)。
P制御は最も基本的な制御内容であり、偏差に比例するよう操作量を増減させる方法。
偏差が大きいほど応答値は急峻に指令値に近づき、またP制御のゲインを大きくすることでその作用は強く働く。
ただし、ゲインを大きくしすぎると応答値が振動的になるため、振動が発生しない範囲での調整が必要。また、応答値が指令値に十分近づくと同時に操作量が小さくなるため、重力や摩擦などの外乱がある環境下では偏差を完全に無くせない。制御を行っても偏差が永続的に残ってしまうことを定常偏差と呼ぶ。
(参考: https://freelance-aid.com/articles/3227.html#:~:text=紹介しましょう%E3%80%82-,比例制御(P制御),の調整が必要です%E3%80%82 )
PID制御
PID制御はP制御に積分(Integral)と微分(Differential)を組み合わせたもの。
制御では偏差の時間積分、つまり制御開始後から生じている偏差を蓄積した値に比例して操作量を増減させる。
I制御
P制御と組み合わせることで、外乱によって生じた定常偏差を埋めることができる。I制御のゲインを強くするほど定常偏差を速く打ち消せるが、ゲインが強すぎるとオーバーシュートやアンダーシュートが大きくなるので注意する必要がある。極端な場合は制御値が収束しなくなる可能性もあるため、I制御のゲインは慎重に選択することが重要。
D制御
P制御やI制御では、オーバーシュートやアンダーシュートを繰り返しながら操作量が収束していくが、それでは操作に時間がかかってしまう。そこで、急激な変化をやわらげ、より速く目標値に近づけるために利用されるのがD制御
D制御は、偏差の微分に比例するため、偏差が縮んでいるなら偏差が増える方向に、偏差が増えているなら偏差が減る方向に制御を行う。P制御とI制御の動きをやわらげる方向に制御が入るため、オーバーシュートやアンダーシュートを抑えられるようになる。
ただし、D制御を入れると応答値が指令値に近づく速度は遅くなるため、安易なゲインの増加には注意が必要。
制御性能の評価基準
- システムの安定性
- 追従精度
- 応答速度
- オーバーシュート・アンダーシュートの有無
- 外乱への感度
- 特性変動への感度
(参考: https://controlabo.com/control-performance/ )
用語集
ゲイン
制御対象の応答(車の例ではスピード)を一定量変化させるために必要な制御出力(車の例ではアクセルの踏み込み量)の割合を制御ゲインと表現する。
オーバーシュート
目標値に到達した後、現在値が目標値を超えて行き過ぎる状態。
アンダーシュート
矩形波(方形波)の立ち下がり部分において、波形が定常値となる基線を下回ること
ステアリング
乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置のこと。日本語の専門用語では「操舵装置」という。