この記事について
献本頂いた「New Relic実践入門 監視からオブザーバビリティへの変革」の書評となります。
この記事では、本の内容、良かった点について記載したいと思います。
内容紹介
主に3部構成となっています。
- Part1: New Relicを知る
- Part2: New Relicを始める
- Part3: New Relicを活用する
Part1: New Relicを知る
Part1では、Observabilityの説明とNew RelicというPlatformの紹介です。
New Relicの機能を活用するに辺り、Observabilityの考え方はとても重要になります。
また、New Relic Platformの全体像についても触れられており、New Relicを初める方は、まずこのPartから読むのが良いと思います。
Part2: New Relicを始める
Part2では、New Relicの各機能の紹介です。
New Relicを知っていて、気になる機能があった場合には個別に読んでも良いと思います。
以下が紹介されている機能の一覧です。
- New Relic APM
- New Relic Infrastructure
- New Relic Synthetics
- New Relic Browser
- New Relic Mobile
- Serverless
- Logs in Context
- Distributed Tracing
- New Relic Alerts
- New Relic Applied Intelligence
Part3: New Relicを活用する
Part3では、Observability 成熟モデルと、成熟モデルの各Level(Getting Started, Reactive, Proactive, Data Driven)におけるNew Relic機能の活用方法が紹介されています。
Observabilityの成熟モデルの考え方もNew Relicを活用するにあたって重要な概念となります。
また、このPartでは、いくつかのシーンでのNew Relicの活用方法と必要な機能のパターンについて記載されています。
New Relic知っているけど、上手く活用できていないという方には特に役に立つPartだと思います。
個人的には、Level3のData Drivenで紹介されている「ビジネスKPI計測パターン」、「カオスエンジニアリングとオブサーバビリティ」が興味深かったです。
本書のおすすめポイント
「なぜ」必要かも記載されている
New Relicを実践できることを目的とされた本で、内容のメインはNew Relicの機能紹介及び導入の方法となりますが、単純に機能の紹介だけでなく、「なぜ」その機能/アクションが必要で、どういうシーンで活用できるかを丁寧に書かれていた点が好印象でした。
たまに技術書を読んでいると、導入方法については詳しく記載されているが、なぜそれが必要かについては言及されていないため、現在自信が置かれている状況とマッチするイメージが持てず、結果導入しないみたいな経験がたまにあったのですが、各機能毎に「なぜ」が記載されており、導入/活用するモチベーションについても理解することができる点は良かったと思います。
e.g. 5.4.1 外形監視が必要な理由 (P 114)
アプリケーションやインフラストラクチャの監視だけではすべての問題を検知できるわけではありません。皆さんはCDN(Content Delivery Network)やDNS(Domain Name System)で障害が発生し、ユーザーがアプリケーションに到達できなくなった場合、その問題にどのように気づきますか?エンドユーザーからの問い合わせを待つのではなく、実際に外部から常時アクセスしてWebアプリケーションが正常にアクセスできているかを確認し続ける。それが外形監視の役割となります。
実際のシーンに併せた機能のHow toが記載されている
Part3のメインコンテンツがこれにあたります。
機能はわかったけど、実際の業務でどう組み合わせたりするのが良いかいまいちイメージできない場合でも、Part3を読むと理解が進みます。
例えば、03 Mobile Crash分析パターン (P 217)だと、
利用する機能は、以下の二つを使ったモニタリング方法について紹介されています。
- Dashboards
- New Relic Mobile
これらの機能を活用方法と実際のアウトプット例のキャプチャも紹介されているため、New Relicを使った活用が現在直面している課題についてマッチしているかよりイメージがし易くなると思います。
まとめ
この記事では、「New Relic実践入門 監視からオブザーバビリティへの変革」について紹介しました。
私の現在の職種としてはエンジニアというより、プロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーが当てはまります。
Observabilityをより推進していくにはエンジニアはもちろんのこと、プロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーなどシステム開発に携わるメンバーが理解していくことが重要だと考えているため、改めてNew Relicの活用方法について学ぶことができて良かったです。
現在New Relicを活用している方、今後導入を検討している方、両方におすすめの一冊だと思います。