#はじめに
2021年4月からAdMobのOpenBidding機能が一般開発者にも開放されました。
私のアプリにも導入して一定期間経ったのでその効果などを記します。
先に書いておくと、多少は効果がありましたが大きく収入が伸びたわけではありません。
まだ導入して2ヶ月程度なのでこの先伸びる可能性はありますが…
#OpenBiddingとは
一般的に広告枠には特定の広告配信会社の広告を表示します。
ところがOpenBiddingは複数の広告配信会社に一斉にリクエストを飛ばし、一番高い単価を提示した会社の広告を表示するというものです。
しかもリクエストを飛ばすのはAdMob(Google)側のサーバが担うため、スマホ側への負荷は無くいい事だらけの技術です。
リアルタイムオークションと言ったほうが伝わりやすいかもしれません。
日本語では「公開入札」と呼んだりします。
なお、各広告配信会社とは個別に契約する必要があります。(契約といってもユーザ登録+αレベル)
また、一部の広告配信会社はアプリにSDKを組み込む必要があります。
SDKが出てくると難しく感じるかもしれませんが、想像しているより10倍は楽に終わりました。
詳しくは公式サイトを参照。
https://support.google.com/admob/answer/9234488?hl=ja
以降は広告配信会社のことを「広告ソース」と呼称します。
#実績
早速ですが過去1週間のレポートです。
見てもあまり意味の分からない数値もありますが、OpenBiddingを使っている人が見比べられるように載せておきます。
今現在(2021/5/27)OpenBiddingに22個の広告ソースが対応していますが、私は6個利用しています。
効果のない広告ソースもありますが害もないのでそのままにしています。
なお、このアプリはAndroidのツール系アプリで主にバナー広告とネイティブ広告を使用しています。
それぞれの列の意味は以下です。
単語 | 意味 |
---|---|
推定収益額 | おおよその収益額。 推定収益額をそのまま載せるのは良くないらしいので下2桁はブラインドしています。 |
有効CPM | eCPMのこと。eCPMとは広告1000回表示あたりの収益のこと。 広告が500回表示されて40円の収益が発生した場合、eCPMは80円となります。 |
有効なリクエスト | オークションへの参加資格があった回数 |
入札リクエスト | 広告ソースへのリクエスト数 |
オークションに参加している入札数 | 実際にオークションへ参加した回数 |
一致したリクエスト数 | オークションで落札でき、アプリに広告を返した回数 |
表示回数 | 広告がユーザに表示された回数 |
###上記実績の補足
- eCPMがかなり低いですが、私のアプリの作り的にそうなってしまっているので他の方のアプリであればもっと高いと思います。
- ほとんどAdMobが落札していますが、他の開発者の方も同じような感じらしいです。
- 一部の広告ソースの入札がほとんどありませんが、正常らしいです。
又聞きですがアプリの種類(ゲーム/ツール)や広告の種類(バナー/インステ/リワードなど)、配信している国などにより広告ソース側の在庫が無いみたいです。 - AdMob以外の広告ソースで全体収益の15%程度なので、今の所効果は限定的といえます。
OpenBiddingを使用していなかったらその15%の枠もAdMobが取っていて収益が生まれたはずなので、収益が15%伸びたというわけではありません。
#各広告ソースの導入
先述した通り、OpenBiddingを使用するには各広告会社へユーザ登録しなければなりません。
また、登録・申請後の審査で却下される場合もあります。
私が申請した広告ソースについて軽くどんな流れであったか記載します。
一番最初に行う申請の方法はAdMob公式ページを参照。
なお、申請し許可されたものの導入しなかった広告ソースもあります。
ゲーム系に強いため効果が出なさそうだから、などの理由です。
| 広告ソース| 申請後の流れ|その他|
|:-----------------|:------------------|:------------------|:------------------|
| Facebook Audience Network(FAN) | 申請後は個別のやり取りなし。楽。| 要SDK|
| Applovin | 申請後は個別のやり取りなし。楽。|要SDK|
| AdColony| 申請後は個別のやり取りなし。楽。|要SDK|
| Fluct | 申請後は担当者とメール(日本語)で4往復くらいやり取り。
色々と準備があるらしく広告が表示されるまで1ヶ月程度かかりました。||
| Chocolate Platform | 申請後は担当者とメール(英語)で1往復だけやり取り。
契約書への署名あり。||
| Media.net | 申請後は担当者とメール(英語)で1往復だけやり取り。
ただOpenBiddingの配信に問題が起きているらしくまだ表示できませんと連絡がきました。||
| TapJoy | 申請後速攻で許可されました。個別やり取りなし。|要SDK|
| Index Exchange | 許可されてるけどなにも覚えてません。。。||
| Ad Generation| 総合的判断により拒否されました||
| PubMatic | 様々な理由により拒否されました||
| YieldOne| 個人開発のため拒否されました。
法人のみ許可しているとのこと。||
| OpenX| 申請後音沙汰なし||
| Rubicon | 申請後音沙汰なし||
Ad Generationに拒否されたのは少し痛かったです。
個人開発者でも使っている方が多く、単価が高いらしいので…
ちなみに拒否と書くと堅くて怖いイメージですが、実際はどの会社も大変丁寧な内容のメールが送られてきました。
#その他注意
各広告ソースのapp-ads.txtへの反映を忘れないようにしましょう。
特にSDK導入の広告ソースについてはAdMob公式の導入手順にapp-ads.txtついて触れていないので注意です。
更新しないとその広告ソースからは配信されないはず…たぶん。
#まとめ
多少は効果が出ますがあまり期待しすぎないほうが良いかもしれません。
ただ、副次効果としてリワード広告の在庫切れを防ぐといった効果は見込めると思います。