はじめに
MSBuild にシアトル現地参加しています。本日発表された新情報の一覧は こちらのページ にまとまっており、既に ニュースサイト でも取り上げられはじめているようですが、熱気が冷めないうちに私の感想も書いておきます。
KeyNote
発表された個々の新情報はもちろん興味深くて、たとえばマルチモーダルのCopilotで、靴をPCのカメラに見せて「🧑キャンプに行くんだけどこの靴で平気かな? ⇒ 🤖おすすめしないですね。定番の靴をカートに入れときましたよ」みたいな未来感のあるデモ動画が流れたりとか、まあすごかったのですが、Buildは開発者向けのイベントなので、発表のストーリーラインが開発者をエナジャイズするものになっていたのも非常に印象的でした。 Day1の opening keynote では重役陣がそれぞれ下記のようなメッセージを発信していて、それぞれイチ開発者として身の引き締まる思いでした。(個人の感想です。24-48h以内に動画が公開されるとのことなので、ぜひご自身でもご確認ください。)
サティヤ・ナデラ
エンパワメント、AIは人々に力を与える
(※直接そういう発言はなかったかもしれないが、全体のニュアンスとして)
サム・アルトマン(サプライズで登場)
(スタートアップ開発者へのアドバイスはあるか?と聞かれて)
今は特別な瞬間で、最高にエキサイティングな時期。プラットフォームシフトのタイミングで、世界を一変させるようなものを作れる。ただしAIさえあればあなたのプロダクトが魔法のようにすばらしくなるわけではない。すばらしいプロダクトを作るための努力は変わらず必要、見失ってはいけない。
ケヴィン・スコット
"We make the platform, you make it matter"
プラットフォームは我々マイクロソフトが作る。そこで動くアプリを作って世界を変えるのはあなたがた開発者の役目。
Copilot extensions (by Teams Toolkit)
KeynoteのうちRajesh Jhaには上記で言及しませんでしたが、彼からはCopilot extensionの発表が多かったです。私は現在Teams Message ExtensionによるCopilotの拡張に取り組んでいるので、 Keynote 後のブレイクアウトセッションはCopilot関連の下記セッションを視聴しました。
Developer’s Guide to Customizing Microsoft Copilot
Developer deep dive on building plugins for Microsoft Copilot
どちらもよく整理されていて、短時間で現状整理と新情報のキャッチアップができたので有益でした。動画が公開されたら見直す予定ですが、私のメモは下記です。なお Copilot Studio と Descriptive Copilot は詳しくないため割愛しています。
Copilotを拡張する方法としてまずGraphコネクタがある。これはM365境界の内側にデータを注入できるのが特徴で、注入されたデータにはSemantic Indexが付与される。非構造データ、更新頻度の低いデータ、ナレッジベースやWebサイトに好適。
もうひとつ、プラグインによる拡張。APIを通じて都度、外部からデータを取ってくるパターンで、リアルタイムデータ、大量データ、高度に正規化されたDBテーブルなどに好適。現在GAになっているTeams Message Extensionベースのプラグインにくわえて、OpenAPI仕様からプラグインを作成できる "API Plugin" も近々Public Previewになる予定。API Pluginでは外部からのデータ取得だけではなく、APIを通じて外部データを更新することも可能。またTeams Message Extensionでも今後Copilotからデータ更新が可能になる予定(アクションメッセージ拡張。現在でもアダプティブカードのアクションでデータ更新は可能だが、Copilotからも可能になる予定。)
API Pluginによるアクションのデモ。「🧑OneDriveから工数表のExcelを探して、そこに書いてあるwoodgroveの時間で請求書を作って」「🤖 "MyHours" というExcelにWoodgrove bankの工数は14hと書いてありました。これでよければ下記のボタンを押してください(Copilotがユーザーの代理としてAPIを実行する)」
おわりに
このあと日本時間12:00から、日本マイクロソフト社員による最速レポート 超速報!現地からお届けする Microsoft Build レポート が企画されています。ランチを食べながら新しい情報にワクワクしていただける時間としてお楽しみください、とのことで、私もゲスト参加する予定です。