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事業会社のUI/UXデザイナーがデザイン領域外へ寄り道する理由

Last updated at Posted at 2022-12-12

この記事は株式会社ビットキー Advent Calendar 2022 13日目の記事です。
User Experience Designの[Hikari Yoshioka | @hikari_yyy]が担当します。

前談

この記事では、株式会社ビットキーでUI/UXデザイナーをしている
Hikari Yoshioka | @hikari_yyyが、
事業を進めていく中で必要だと感じた「寄り道」について話します。

最初に少しだけ自己紹介をします。
新卒から現職を含めて4社経験しており、うち3社はベンチャー、1社が大手コンテンツ会社でした。

ジャンル分けすると、総合的なコンサル・企画・デザインをやったり、
代理店のもと広告デザインをやったりと、代理業務と事業会社のどちらも経験しています。

その経験から、私は「事業好き!」なデザイナーになり、
今ビットキーでは「UI/UXデザイナー」をやっています。

事業会社にいる「デザイナー」はどんなことができるといいだろう、
事業を作る「デザイン」ってなんだろうと日々考えながら、さまざまなプロジェクトに関わっています。

寄り道とは?

寄り道というと、目的地までの道を最短距離や決まった道だけで行くのでなく、
違うところを通ってどこかに寄って歩くことを言うと思います。

よく、デザイナーがやるデザインの範囲がどこなのか?という議論がありますが、
自社サービスのアプリケーションの体験性・UIデザインを考えて形にすることが、
私の「いつもの道」なのだと思います。

ただ、デザインは
目的を達成するために関わる人みんなが気持ちいい体験ができるようにすること。
だと思っており、事業を進める上でUI/UX領域外でデザインをすることもあっていいと思っています。
関わる人は作り手側も受け手側であるユーザーも含みます。

注力している領域以外の経験をすることを、ここでは「寄り道」と呼びます。

寄り道を始めたきっかけとそのエピソード

私の体験談ですが、あるプロジェクトでメンバーの動きや、コミュニケーション、
プロジェクトの目的がチグハグになって、業務に終わりが見えなくなる瞬間がありました。

プロジェクトの目的や方法論で、プロジェクトメンバー間で納得のいく案が出てなかったり、
同じゴール・方法を見れていなかったところに問題があったと思います。

何かできないか?と思った時に、そのプロジェクトを引っ張ってくれていたマーケターと
一緒に企画から仕事をさせてほしい、、!!とマネージャーに頼み込み込んだことがあります。

この一歩を踏み出した動機は2つあります。

一つは、以前にマーチャンダイジングをやっていたり、マーケティングの知識が少しだけあって、
そのプロジェクトの企画や企画側のメンバーに親和性を勝手に感じていたということ。

そして、デザインの力で課題を可視化したり、
方向性ややり方をわかりやすく伝えることを掛け合わせて企画をすれば、
その先でプロジェクトメンバーの不安を少しでも解消できるのではないか、と考えたからです。

「寄り道とは?」のセクションで書いた、
「目的を達成するために関わる人みんなが気持ちいい体験ができるようにすること。」
という意識が働いたのだと思います。

今思えば、OKしてくれたマネージャー、受け入れてくれたマーケティング側の方々に感謝です。

これを機に、少し開発をしてみたりデータ分析をしてみたり、と少し寄り道の幅が増えていきました。

寄り道デザイナーの価値とは

一般的に業務を進める上で抱える不安には、
「クオリティ的な不安・時間的な不安・コミュニケーションミスによる不安」が
多いのではないかと思います。

これらの不安は、プロジェクトの不確実性に繋がり、
不確実性に振り回されると下記のようなことが起こってしまう原因となります。

  • 新たな課題がどこからともなくわんさかと出てくる
  • 大きなやり直し・手戻りが発生する
  • ゴールがわからなくなり目の前が真っ暗になって消耗する

物事が良くなることが見えない中で、この状態を喜ぶ人はあまりいないと思います。

しかし、この状態になりやすいのも事業会社、
特に新しい価値作りに向き合っている会社だと思います。

それは、前例や参考例の見つけにくさや、仮説立ての難しさなどから、
新しいことをやることに対して、誰もがクリアに先が見えているわけではなく、
不確実性多くがつきまとうからです。

寄り道をしてわかったデザイナーの価値の一つとして、
他部門への理解を深めデザインの力と掛け合わせて課題と解決策を可視化したり、
プロジェクトに関わるメンバーとコミュニケーションをしていくことで、
物事が少しずつクリアになり、前へ進められることがわかりました。

デザイナー例での価値ではありますが、
このように何かを掛け合わせることで生まれる価値が必ずあると思うので、
寄り道もいいと思っています。

具体的にどんないいことがあったか

私の仕事の進め方は、ビジネスサイド・プロダクトサイドの両方とやりとりをして仕事を進める、
やや間接・横断部門的な動きが多いです。

その環境下で、この寄り道をした結果下記のようないいことがありました。

  1. 他部署の人との意思疎通のスピードが速くなった

    • ビジネスサイドがどんな目的でどんなことをやりたいと思っているのかの理解が早くなった
    • 周りの人の動きを今まで以上に汲み取るとってコミュニケーションができるようになってきた
    • 他部門の業務内で情報を整理・可視化することで意志決定が早くなった
  2. スキルアップしてQCDバランスも良くなった

    • Web開発を自分でもやってみたことをきっかけに、コードを書くスキルを少し持ち、
      今までソフトを使ってぽちぽち頑張っていたものを自動化・効率化できるようになった
    • 新しいことをやろうとしたときになんとなく前にやったアレと似てるな〜と言う既視感が増え、
      ラーニングコストが低減した
    • 表現の幅が広がり、今までこうしたら伝わるだろうという
      仮説があるも叶えにくかったものが、世に出せるようになってきた

また、少し方向性が違いますが周囲から気にかけてもらうことも増え、
キャリアについて考えるきっかけにもなリました。

長いこと寄り道続けていると、「キャリアプランは大丈夫?」と
突っ込んでくださる方もいました。

その時に、「あれっ、確かに!」とも思いましたし、
UI/UXデザイナーとしての仕事を疎かにしないことがちゃんとできてたかな?と、
少し反省する部分もありました。

色々と考えましたが、私は、事業会社という環境下において、
この寄り道力を少なくとも強みの一つだと今は考えています。

事業のフェーズが超整え期・拡大期に入ったときにどうですか?と言われると
断言できることはありませんが、
どんなフェーズでも不確実性はつきまとってくるので、
この寄り道して鍛えた筋肉💪は無駄にはならないと思っています。

ツラかったこと

自分という不確実性との闘いが一番しんどかったです。
いかに勉強の時間をとるか、ちゃんと理解できるか、やりきれるかなど、
ヒヤヒヤしながらやっていました。

新しいことをしているので当然失敗してやり直し、ということもあったり、
クオリティに対して、残された時間や手段と相談しながら折り合いをつけたりしました。

どの職業でも、不確実性が高い中で誰よりも先にアウトプットするのは
環境的にも心理的にも負荷がかかると思いますが、
寄り道中は慣れないことをしているので特に大変です。

この「デザインで物事をよくしたい!でもちゃんとできるかな…」という怖々した感情は、
デザイナーあるあるの心情な気もします。笑

最後に

ひたすら寄り道の話をしましたが、
私は一つのことを極める人のことをものすごく物凄く尊敬しています。

ツラかったことに書いたような思いをしていたときに、
「あ〜〜お餅屋さん召喚したいなあっ」と何度も思いました。笑

さまざまな状況・制限がある中で、何が最適解か?どんな動きができるか?は
人それぞれいろんな考え方があると思います。

事業会社大好きデザイナーの一つの生き方として、ここまで読んでいただけたのであれば、
とても嬉しい限りです。

他部門へ足を突っ込んだり、飛び込んだりする機会がそもそも少ないと思うので、
個人的には「機会があればぜひ、、!!」と思っています。

もし「寄り道、してみたいかも!」とか
「もっと寄り道したろ〜」なんて思ってくださった方がいればぜひ、
ちょっとだけ齧ったことがある領域とか、業務上密接に関わりの多い「隣接する領域」から、
寄り道をしてみるといいのかな、なんて思いました。

いつもの道じゃわからなかったこと・会えなかった人との出会いがあるかも、、ですよ。(ポエム)

そんなことできないよ…とか、やってみたけどうまくいかなかったよ…とか、
さまざまな状況があると思うので、
寄り道の難しさや楽しさについての理解をもっともっと深めるためにも、
そういったお声をたくさん聞けたらなと思っています。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

14日目の株式会社ビットキー Advent Calendar 2022は、Workspace & Experience Productの@maruwareが担当します。

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