はじめに
未経験者、あるいは経験年数の浅い方がいきなりハイレベルなIT企業、例えばGAFAだったり、自社開発企業だったりに参画したとき、ほぼ間違いなくレベルの高さに驚くことでしょう。
そして、せっかくそういった企業に入れたとしても、レベルの高さについていけなくなり、精神を病んでしまうというリスクがあります。
当然ながら、これは未経験、あるいは経験年数が浅い人が遭遇しやすいです。
上記に挙げた企業だけでなく、SES企業でもこういった事象に遭遇したりします。
特に最近、プログラミングブームによってエンジニアを目指す人が増えているので、このリスクにどう対処するかが重要かと思われます。
自分自身も、当時の自分からすれば明らかにレベルが高いと感じる現場に参画したことがあります。
最初はキツかったものの、自分なりに考えて行動し、結果的に精神的に追い詰められるリスクを回避し、無事契約終了までやり遂げることに成功しました。
そこで、本記事ではどのようにしてレベルの高い現場を乗り越えていったかについて、当時の記憶を思い出しながらまとめたいと思います。
レベルの高い現場とは
まずは、レベルの高い現場の定義を行いたいと思います。
自分が思う「レベルの高い現場」とは、以下の通りです。(人によっては違うかもしれませんが)
- 最新技術が使われている
- アジャイル開発である
- 開発メンバーのレベルが高い
- 有名企業である(ただし、古い体質の日系の大企業は除く)
- 堅苦しい雰囲気がなく、オープンマインドである
- ブラック企業ではない
そして、当時の現場がまさにこれら全てに該当しています。
当時の自分のスキルセットでは、まず入れないだろう現場でした。(ぶっちゃけ参画できたのは奇跡だと思います笑)
アジャイル開発では要件定義からリリースまでを1スプリント内でこなす必要がありますが、自分はコーディングしかまともな経験がなく、開発メンバーの中ではスキルが1番低かったのではと思います。また、開発メンバーの中では最年少でもありました。
ここからは、自分がそんな中でどういった行動をしたのか、具体例を出していきます。
仕事ができる人を見つけ、徹底的にマークする
参画した当初はスキルはもちろん、そのシステムに関する仕様の理解度も1番低いので、何とかしてそれらを底上げしなくてはなりません。
最初のうちは毎日2、3時間は残業していましたし、先輩方にも仕様などについて教えてもらっていました。
ただ、それだけでは足りないと感じました。先輩方の時間をいつまでも奪い続けるわけにもいかない。
そこで、自分は「開発メンバーが各々何をしているか?」をつぶさに観察することにしました。
設計書の書き方、資料の作り方、Gitにプッシュされたソースコード、プルリクエストでのやりとり、メールでのやりとり、タスクチケットの書き方、周囲の会話、etc...
いきなりがむしゃらにやるのではなく、他の開発メンバーが何をしているのかを把握することで、自分が今やるべきことや、どうやって仕事を進めたらいいのかが見えてきます。
当然ながら、会社は学校と違って誰も手取り足取り教えてくれません。「技術は教えてもらうものではなく、見て盗むもの」と言いますが、これは間違いないです。
その中で、「設計書の書き方が上手い人はこの人だ」、「ソースコードはこの人のコードが綺麗だ」と、それぞれの分野におけるスペシャリストが見つかるはずです。
あとはその人を徹底的にマークし、真似しまくりましょう。ガンガン盗みまくりましょう。
先輩方の時間を奪うこともないし、何も後ろめたいことはありません。自分のスキルも格段に上がるはずです。
同じ指摘を2度食らわない
初めて設計書レビューを受けた時や、プルリクエストを出した時、指摘の山が返ってきて、それらを直すのに予想以上の時間がかかってしまうことがありました。
初めてのうちはしょうがないですが、いつまでたっても指摘の山を返されるようでは「こいつは見込みがないな」と見限られてしまいます。
そこで、自分の中で「同じ指摘を2度食らわない」ことを心がけました。
具体的には、以下のような「指摘された内容を一覧化したセルフチェックリスト」を作り、プルリクエスト前には必ず確認するようにしました。
- DRY原則に乗っ取っているか
- マジックナンバーは使われていないか
- 例外を無視していないか
- etc
これにより、指摘の数を格段に減らすことに成功しました。そして、もう指摘されなくなった(自分の中に無意識レベルで身についた)ら、セルフチェックリストから減らしていきます。
このリストから項目がどんどん減っていくことで、自身の成長を実感することができました。
そして、プルリクエストが1発で通るようになり、それが快感でたまらなかったのを今でも覚えています。
「自分はこんな有名な企業で働かせてもらえているんだ」というモチベーションを持つ
どうして自分がここまで頑張れたかといえば、「自分はこんな有名な企業で働かせてもらえているんだ」というモチベーションがあったからだと思っています。
誰もが知る有名企業で、当然のように自社ビルがあって、設備も桁違い。オフィスの中にファミマがあって、めちゃくちゃ広い社食もあって、最初はめちゃくちゃ興奮した記憶があります笑
社員も私服の人が多くて日系大企業の堅苦しさもなく、外国人も多くてどちらかというと外資系に近い雰囲気でした。それが自分はすごく好きでした。そして何より社員の方々のレベルがすごく高い。英語も喋れて技術もできる、とにかくスゲー!って感じでした笑
そんな環境で働くことができたら、自分は間違いなく成長できるし、より多くのことを学ぶことができる、またとないチャンスだと思いました。
そういった向上心や憧れ、誇りが持てたからこそ、それらが原動力となり、ここまで頑張れたのだと思います。
開発メンバーから頼られる存在に
努力を積み重ね、成長して成果を出していく中で、次第に開発メンバーから信頼されるようになりました。
しまいには「兄貴」と呼ばれ、「ここの実装方法について教えて欲しい」といった感じで頼られるようになりました笑
それが嬉しくて、自分の時間を割いて親身に教えていた記憶があります。
成長する姿を見せることで、いずれは開発メンバーから頼られる存在になっていく。
それを実感することができました。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
レベルの高い現場は本当に大変ですが、その分自分が成長する可能性を大いに秘めています。
自分のことでいっぱいいっぱいになるかもしれませんが、まずは周りに目を向け、他の人のやっていることに興味を持ちましょう。
そこに仕事がうまくいくヒントがたくさん隠されています。いわば財宝の山です笑
ぜひ、尻込みせずにどんどんチャレンジしていったらいいと思います。
仮にダメだったとしても、そこで死ぬわけではないので大丈夫です。
死ぬこと以外は〜、なんて言いますが、本当そうだと思います。
この記事が、今レベルの高い現場で潰されそうになっている人たちの力になりますように。