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午後問題に苦しんだ応用情報技術者試験 合格体験記

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はじめに

こんにちは。非IT業界で、ITに関する企画業務等々を行なっているヒエと申します。
少し前になりますが、2022年の春期の応用情報技術者試験(以下:応用情報)に合格したので、試験対策や攻略法について書きたいと思います。

私は業務では自身でコードを書いたりアプリを設計したり…といったことは今の業務ではほとんど無いのですが、一方でシステムを発注する立場になることが多いです。
時には外注先のSEが打ち合わせでお話しする言葉の意味が分からないことがあり、ITに関して幅広く学習しなければ、、と日々感じておりました。
そこで、IPAの基本情報と応用情報を取得することに決めました。

まず、基本情報は2019年の秋に一発で合格しました。
この調子なら応用情報もすぐに取れるだろ!とタカを括っていたのですが、、お恥ずかしながら、応用情報にはこの後3回不合格してしまいました。 
今回の取得は4回目の受験でした。

毎度午前問題は合格ラインを超えるのですが、午後問題が点数が足りず・・・ということを繰り返してしまったのです。それでもなんとか今回合格することができました。

この記事では、計4回の受験の失敗と成功の経験から、学習方法や試験攻略のコツ、午後問題の分野選択に関する所感、試験当日の留意点をまとめたいと思います!

初めての記事投稿のため、読みにくい部分もあるかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

応用情報の基本的な試験内容は、ここでは省略させていただきます。

試験合格のために学習した内容について

私が合格するまでに行なった学習内容と教材を紹介します。ポイントは以下の4点です。

  • まずは参考書を一通り読んでインプット
  • 午前問題はひたすら応用情報技術者試験.comで反復学習
  • 午後問題は可能なかぎり広い分野の問題を抑える
  • 午後問題は何回か通しで過去問に取り組む

それぞれ解説していきます。

まずは参考書を一通り読んでインプット

知識が無ければ到底ほとんどの問題は解けないので、まずは参考書を一通り読みます。
応用情報は範囲がとにかく膨大なので、1週目から1から10まで覚えようとすると心が折れます。
おおまかな内容を理解する気持ちで読み進めると良いかと思います。

インプットに使用した参考書について、「キタミ式」が参考書としては一番有名ですが、私は下記の「応用情報技術者教科書」を選びました。

応用情報技術者教科書 令和5年度

こちらの参考書は、本媒体の参考書を購入すると付録でPDF版も付いてきます。
基本的に本ベースで勉強したいけど、出先で少し確認する時はデータが良い!という人にはおすすめの参考書です。

午前問題はひたすら応用情報技術者試験.comで反復学習

他の応用情報攻略記事でもよく言われている事ですが、基本情報と同様、応用情報の午前問題は全体の約半分は過去問と全く同じ問題が出題されます。そのため、午前問題は過去問の反復学習が非常に有効です。過去問に慣れておけば反射神経で解答できる問題も多いです。

また、残りの約半分も過去問の内容を改変した問題が多く、過去問の知識で解くことができます。(1割ほど、普段見ないような変わった問題も登場します。)

この過去問の反復学習で欠かせないのは・・・もはや紹介するまでもないお馴染みサイト、「応用情報技術者試験.com」です。
ユーザー登録を行えば、一度間違えた問題を記録することができるため、覚えるまで反復的に問題を解く練習を行うことができます。午後問題も解説が充実しているため、過去問演習の際は参照するのをお勧めします。

応用情報技術者試験.com

午後問題は可能なかぎり広い分野の問題を抑える

さて、午前問題は以上のような対策で対処ができるのですが、記事タイトルの通り、私は午後問題にとても苦しめられました。。
どうしても合格点の60点を越えられなかったのです。

午後問題は、最初の情報セキュリティ分野以外は、全10分野のうち4分野を選択して解答する、という特徴があります。
午後問題を私が何度も失敗してしまった原因は、この解答選択候補を当時絞りすぎていたからではないかと思います。

午後問題は記述問題を含む1大問30分相当のボリュームであり、毎回問題の取り扱うテーマが異なるため、出題難易度を一定にすることはまず不可能です。
また、テーマが自分の業務経験やノウハウに合っているか否かで解答難易度も変わってくるため、試験ごとに個人によって最適な午後問題の選択が変わります。

このため、4分野だけを対策する!のではなく、可能な限り多くの分野を勉強し、試験当日に「今回は難易度が低そう・自分の経験から解きやすそう」な問題を選択する、というやり方を強く推奨します。

私は1回目の試験では午後問題は4分野、2回目、3回目も5分野しか対策していませんでした。結果として、当日選択した1-2分野が悲惨な結果となり50点代に…ということを繰り返してしまいました。

ここは反省し、4回目の受験では、本当に苦手な「経営戦略・ネットワーク・データベース」以外は全て解答候補として幅広く勉強し、当日の試験内容で臨機応変に解答する分野を選択する方式に切り替えたところ、ようやく合格しました。

・・・ということで、長くなりましたが、以上の理由から午後の回答候補は6-7分野は持っておいた方が良いと思います。

この回答候補をあらかじめ選択する基準等の考え方は後述します。

また、午後問題は記述問題も含むため、回答には色々ノウハウが必要です。
そこで午後問題は別途専用の参考書を購入することをお勧めします。

有名ですが、「応用情報技術者 午後問題の重点対策」(通称:緑本)は、応用情報の過去問をベースに記述の解答を出すまでの過程をとても詳しく解説しているため、参考になります。
午後問題が難しく感じる方は、2冊目の参考書としてぜひ購入してみてください。

応用情報技術者 午後問題の重点対策

午後問題は何回か通しで過去問に取り組む

午後問題のもう一つの大きなハードルは、「長い試験時間」です。

午後問題の勉強は通常は1問ずつ過去問を解くため、全部通しで過去問を解くことはなかなかないかもしれません。
しかし、150分集中力を維持しながら問題を解くのは大変なもので、実際に通しの試験を受けてみると、ケアレスミスの頻度があがります。また、午後問題は試験時間もギリギリまで使って解くことになるため、全体の時間配分にも気を遣う必要があります。

さらに、前述したように午後問題は試験問題を見てから「難易度が簡単そう・自分なら解きやすそう」な大問を当日選択する、といったやり方が有効です。
そこで、「試験時間中に解く問題をその場で判断する」練習をやっておくと、当日は安心して受験できるということがあります。

以上の理由から、タイトルの通り、「午後問題は何回か通しで過去問に取り組む」ことをお勧めします。

勉強法の例として、令和●年春の問題は練習用に解かずに取っておく、と覚えておき、ある程度午後問題の勉強が進んだ段階で模試のような感覚で150分使って1回分の午後問題を解いてみる、というやり方が考えられます。
以上の勉強は1-2度取り組んでおきましょう。

午後問題 各分野の選択の考え方と所感

さて、私が散々苦しんだ午後問題ですが、この午後問題の各分野について個人的に感じた点を以下コメントしていきたいと思います。

前提として、ありきたりなコメントですが、自身の業務経験に直結している分野はもちろん解きやすいと思うので積極的に選択するべきです。(例:SQLを業務で扱う人→データベース インフラエンジニア→ネットワーク)

また、一度一通り全分野の午後問題を試しに解いてみて、自分の解答率を見てみることをお勧めします。
業務経験がなくとも、意外と得意な分野を見つかることがあります。
自分の場合はエンジニアではないものの、プログラミングの分野は得意だったり、サービスマネジメントが未経験にもかかわらず正答率が高かったりしました。

様々な人の応用情報の合格体験記を読んでいると、人によって面白いほどにおすすめする分野が異なっているのがわかります笑
人によって業務経験や得意不得意が異なるので、そのようになるのは当然かもしれませんね。

以下、個人的に各大問で思ったことをつらつらとまとめてみました。
最初から選択しないと決めていた分野はコメントが少ないですがお許しください。
他の人の記事も参考にしつつ、自分でも問題を解いてみて、自身にあった分野を選択してもらえると良いと思います。


情報セキュリティ

  • 必須問題なので避けて通ることができません。
  • 全分野通しても、かなり知識問題の比重が大きい分野です。ここはとにかく暗記しましょう! 
  • IPA試験の頻出単語から少し外れたような語句を記述式で問う問題が出題します。例えば令和4年春のSIEMを問う問題など。正答率を上げるためには、幅広くインプットしておくことをおすすめします。
  • 問題パターンが比較的限られているので、過去問を解くことも重要です。

経営戦略

  • 私は解答の選択肢に入らなかった分野です。 企画課なのに?ということはどうか突っ込まないでください
  • 簿記の分野を問う内容から、情報システム戦略、経営戦略等々、出題分野の幅が午後問題の中でもトップクラスではないかと思います。
  • その場で文脈から解答を考える問題もあれば、純粋に知識を問う問題もあります。幅広い知見が必要です。
  • よって、この分野は、既に簿記等の試験で学習をしているか、業務で習得をしている人が選択することをお勧めします。1から勉強するには範囲が広く、あまりお勧めはできない印象です。
  • 将来的にITストラテジストを目指す人はいずれ通る道なので学習をしておいた方が良いかもしれません。

プログラミング

  • 事前知識はほぼ不要で、純粋にプログラミングの力が問われる大問です。
  • 基本情報ではアルゴリズムが必修ですが、それの応用といった感じの問題です。行単位で疑似コードの筆記を行う必要があるため、プログラミングの基本的な素養が求められます。
  • 個人的には感覚としては「センター数学」に似ているなあなどと思いました。 式(応用情報ではコード)を順を追って穴埋めしていく感覚が近いですね。大学受験でセンター数学が少し得意だった人はお勧めかも?(※偏見)
  • 少し難し目のコードには、これでもかというくらい出題コードにコメントアウトで処理に関する説明が載っていることがあります。しんせつ。 
    難しい!と感じても、コメントアウトを参考にしながら、今どの処理を行なっているのか? といったことを冷静に考えると意外と回答ができたりします。
  • 全分野で最もケアレスミスしやすい分野です! 
    変数のスペルミス、配列の数え間違い、for文は0スタート?1スタート?などなど・・・ 
    余力があれば試験回答後にしっかり見直しを行いましょう。
  • この大問は、上記のように見直しが有効であるということ理由で、回答時間を長く割くほど回答精度が上がります。
    個人的には、他の大問を短めに解いて、この問題には40分ほど割くと良いと思っております!
  • 再帰処理を活用したコードは割とよく出る印象です。過去問を解いて慣れておきましょう。

システムアーキテクチャ

  • 解答の精度が私は良くなかったのであまり選択しなかった分野です。申し訳ないのですがこちらはあまりコメントができないです。
  • ほぼ高確率で何かしらの計算問題が求められます。問題文には計算には実際は使用しない数字も多数記載していることが多いので、問題の解答に使用する数値を自分でピックアップする必要があります。ここの判断は人によって得意不得意が分かれそうです。

ネットワーク

  • こちらも解答の選択肢には入らなかった分野です
  • 情報セキュリティの応用でできるよ!という意見もよく見かけますが、個人的には本分野はちゃんと独自に勉強しないとうまく回答ができない印象です・・・

データベース

  • こちらも解答の選択肢には(ry
  • 私は経験がないので選ばなかったのですが、DBを普段から業務で扱っている友人は、「この分野は絶対に得点源にしている」と話していました。SQLに慣れている人は選択したほうが良いでしょう。
  • 全分野の中でトップクラスに出題範囲が狭い大問です。E-R図の読み込み・穴埋めと、特定のSQL文を筆記するのが王道パターンです。このため、対策はしやすいのではないかと思います。

組込みシステム開発

  • 業務経験によってお勧めする大問が変わってくる午後問題ですが、この分野は事前知識があまりなくても解きやすい内容であるため、普遍的にお勧めできる大問です。
    この記事を執筆する前に他の方の記事も参照しましたが、この大問選択をお勧めしている方は多いですね。
  • 計算問題も登場しますが、午前問題で出るような内容を午後問題に落とし込んだものも多いので、しっかり対策をしていれば問題はないです。
  • ある組込みシステムの処理の流れを穴埋めしたり、ある動作が発生する理由や不具合が発生する理由を問う問題がよく出題されます。問題文中に解答のヒントは必ずあるので、根拠を問題文から探しましょう。
    (他の午後問題にも言えることですが、問題文の根拠なしに自分で記述問題の解答を作ろうとすると大体間違えます)
  • 事前知識がほぼなくても、論理的に思考することで解答できることが多いです。落ち着いて解答しましょう。
  • 身近なシステム(給湯システムやドライブレコーダー)を題材にした問題が多いので、普段から「このシステムは実際はどういう仕組みで動作しているんだろう?」と興味のアンテナを張っておくと、この大問は解きやすくなるかもしれません。

情報システム開発

  • かなり出題の幅が広い分野なので、対策が難しい大問です。アクティビティ図・クラス図の穴埋めや、ソフトウェアテストに関する問題、あるいはデータ中心設計のようにDBの分野に触れるような内容などなど・・・ 毎回出題ネタが大きく変わる印象です。
  • 一方で、たまに「明らかに簡単」な問題が出ることがあります。H29秋の「ソフトウェア適格性テスト」はよくよく見ると中学生レベルの数学とテストに関する少しの知識で回答ができます。またR1秋の信号機の状態遷移に関する問題も、落ち着いて処理内容を理解すれば事前知識なくとも回答ができます。
  • 難易度の上下が大きいので、試験本番の選択の見極めが重要であると言えます。
  • アジャイル開発に関する問題も過去に何回か出ております。この題材は実際に業務で経験していないと回答が難しいと感じました…

プロジェクトマネジメント

  • 情報システム化計画について問う国語の問題や、開発工数を計算する問題まで幅広く出ます。
  • H31春のように作業工程管理やクリティカルパスについて問うようなオーソドックスな問題は解きやすいですが、その他の題材(リスク対応やパッケージ調達)についてはPMBOKの体系的な知識が無ければ記述問題の解答が厳しい時があるという印象です。PM経験者は解きやすい問題が多いと思います(当たり前なコメントですが…)

サービスマネジメント

  • ITILに基づいた問題が出ます。ITIL特有の知識、例えばサービスデスク組織の種類についてや、SLAについて等々題材にされます。
  • 個人的には習得するべき知識の範囲が限られているので勉強はしやすいという印象です。一方で英字の略語が妙に多く(例:RFC、CAB、CMDB…)、それを記述式で問われることもある分野なので、人によっては拒否反応が出るかもです。単語帳的な学習は有効です。
  • 基本的にITサービスをリリースした後の運用とインシデント対応に関する問題が出題されます。ITILに関する体系的な知識がなくとも、システムの運用経験があれば、「普通だったらこうするよね」という一般常識的な考え方で記述回答ができることもあります。
    (もちろん自分の考えだけで解答を作るのではなく、問題文から必ず解答根拠を探しましょう)
    ITIL知らないよ!!という人でも、運用経験がある人は回答の選択肢に入れてみても良いかもしれません。

システム監査

  • 暗記的な事前知識はほぼ不要な分野です。
    他の応用情報に関する記事でもよくコメントされていますが、純粋な国語の問題です。
  • システム監査、ということで、ある業務フローが実際に稼働した時に問題が発生しないか?といったことを注意深く問題文から読み解くセンスが問われます。
    指摘事項としてよくある例は権限付与のミスのために不正行為が発生するリスクが見られる、業務記録に抜け漏れが発生している、、等々です。
  • 題材こそITシステムを取り扱っていますが、他の業種の業務にも当てはまるお話しが多いです。業務で様々な立場の人を取り巻く仕事をしたり、業務の進め方を検討する立場を経験したことがある人は、解答しやすいかもしれません。

試験前日・当日に気をつけること

最後に、試験の前日と当日の注意点をちょっとだけまとめます。

持ち物はしっかりチェック

受験票、筆記用具は当然ですが、時計も会場に設置されていない場合があります。正確に時間を合わせたアナログ時計も用意をしておきましょう。
また、会場によっては上履きが必須である場所があります。そのような会場には受験票に上履きを持参するように、と記載されております。受験票はよく読んでおきましょう! 
私は上履きが必要であることを分かっておらず靴下で受験をしたことがありました。皆さんは気をつけましょう。

午前問題は90分で解いて午後に温存

午前問題は順当に解けば90分程度で解くことができます。午前問題は試験開始から60分後以降は途中退出ができるので、ざっと見直したら早めに退出して昼休みの時間を長めに確保することをお勧めします。

午後のセキュリティ分野を最後に見直すのもありですが、午後問題は高い集中力が求められるので、少し休んで体力を温存しておくのも良いと思います。

終わりに

いかがでしたでしょうか。筆者は試験に3回も落ちてしまいましたが、最後は諦めない心が大事です。
午後問題が鬼門だったので、筆者は最終的に午後については各分野20回前後は過去問を解きました。

応用情報は基本情報よりも難易度は高い試験ですが、ITの様々な分野を広範的に学ぶことができます。
ぜひ皆さんも挑戦してみてください!

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