MicrosoftEdgeでIEモードを使用する際に記述するエンタープライズモードサイトリストの
<open-in>要素について、設定値ごとの動作の違いをまとめました。
IEモードやエンタープライズモードサイトリストの詳しいことについては、こちらの記事をご参考ください。
<open-in>要素とは
指定するURLをどのモードで開くか(Edge or IEモード)を定義する要素です。
設定値ごとの動作
設定可能な値と動作のまとめは以下の通りです。
Mode | (1)画面を表示したときのモード | (2)ユーザーによるモードの切り替え | (3)他の画面から遷移したときに使われるモード |
---|---|---|---|
未設定(空) | Edge | できる | Edge |
none | Edge | できる | 遷移元がEdgeの場合はEdge IEモードの場合はIEモード(※) |
MSEdge | Edge | できない (Edge固定) |
Edge |
IE11 | IEモード | できない (IEモード固定) |
IEモード |
※Microsoftのドキュメントでは「none または未指定。 従業員が選択したブラウザーで開きます。」と記載があり、どちらを設定しても同じ動作になるように見えますが、実際には「(3)他の画面から遷移したときに使われるモード」で、動作に違いが発生します。
(1)画面を表示したときのモード
<open-in>を指定した画面を表示した場合の挙動です。
ブックマークからの遷移やURLを直接したときなど、当該画面が最初の画面になる場合に限ります。
他の画面から遷移した場合は「(3)他の画面から遷移したときの挙動」となります。
(2)ユーザーによるモードの切り替え
<open-in>を指定した画面を表示した場合の当該画面の操作に関する挙動です。
MSEdgeおよびIE11を設定した場合は、それぞれのモードに固定され切り替えのメニューが選択不可になります。
下記のキャプチャのように指定したモード以外への変更が行えなくなります。
MSEdgeを設定 | IE11を指定 |
---|---|
(3)他の画面から遷移したときに使われるモード
遷移元のモードにより使われるモードが異なります。「前の画面でIEモードを使っている場合は、IEモードで表示したい」というケースではnoneに設定し、「前の画面でIEモードを使っていても、Edgeで表示したい」というケースではMSEdgeまたは未設定に設定する必要があります。
後者のケースでMSEdgeと未設定どちらを設定するかですが、必ずEdgeで表示したい(ユーザーによるIEモードへの変更を許さない)場合は、MSEdgeを設定する形になります。
本記事では特に触れておりませんが、EdgeとIE11モードでクッキー共有を行う場合、クッキーを発行する画面はEdgeで表示する必要があります。
以下の表は「設定値ごとの挙動」の表を、「遷移先モード」の観点で表し直したものになります。
Mode | 遷移元画面のモード | 使われるモード |
---|---|---|
未設定(空) | Edge | Edge |
〃 | IEモード | Edge |
none | Edge | Edge |
〃 | IEモード | IEモード |
MSEdge | Edge | Edge |
〃 | IEモード | Edge |
IE11 | Edge | IEモード |
〃 | IEモード | IEモード |
おまけ
- エンタープライズ モード スキーマとは
- Microsoft Edge にて、IEモード(IE互換)を使用するための、「どこどこのサイトはIEモードで開く」というような設定を記載するスキーマ(XML)です。
- https://docs.microsoft.com/ja-jp/internet-explorer/ie11-deploy-guide/enterprise-mode-schema-version-2-guidance
- https://docs.microsoft.com/ja-jp/internet-explorer/ie11-deploy-guide/review-neutral-sites-with-site-list-manager
- SiteListのXMLがEdgeにどのように認識されているか確認したい
- Edgeで以下のURLを表示する
- edge://compat
- Edgeで以下のURLを表示する