inverse function ( 逆関数 )
- $x$ の関数 $y=f(x)$ において, $y$ の値を定めると, $x$ の値がただ $1$ つ定まるとき, すなわち, $x$ が $y$ の関数として $x=g(y)$ と表されるとき, $g(x)$ を $f(x)$ の逆関数といい, $f^{-1}(x)$ で表す.
- 逆関数とは,$x$ と $y$ の「役割」を交換し,同じ対応を逆から見た関数のこと.
逆関数の求め方
- $y = f(x)$ という関係式を,独立変数 $x$ について解き, $x = g(y)$ の形にする.
- 独立変数が $x$,従属変数が $y$ になるように書きかえて
(つまり,多くの場合,$x$ を $y$ に,$y$ を $x$ に書きかえて)
$y = g(x)$ とする.
独立変数が x ,従属変数が y になるように書きかえる理由
進研ゼミ高校講座 高校生の苦手解決Q&Aによると...
数学のルールでは,一般に,関数を「$x$の関数」で表すから.
(そう言われても,いまいち納得出来ない...理由を知っている方がいらっしゃったら教えて下さい.)
逆関数の性質
- 逆関数では,もとの関数の定義域,値域が,値域,定義域となる.
(このことを「定義域と値域が入れかわる」と表現される場合もある.) - $y = f(x)$ のグラフとその逆関数 $y=g(x)$ のグラフは,
直線 $y=x$ に関して対称である.
例
$ y = x-1$ があるとして,この関数を $ x $ について解くと, $ x = y+1$ となる.
つまり, この関数は, $x$ が $y$ の関数であるのと同時に, $y$ も $x$ の関数である.
このように,
$y = f(x)$ において
$x$ が $y$ の関数であるのと同時に,
$y$ もまた $x$ の関数であるとき,
$x$ について解いた式を
$$x=g(y)$$ とし,
$x$ と $y$ の値を入れ替えた関数 $$y = g(x)$$ を $f(x)$ の逆関数といい,
$$f^{-1}(x)$$ で表す.
$y= x-1$ の逆の操作を言葉で表すと,「ある数 $x$ に $1$ を足す関数( $y = x+1$ )」
つまり, 逆関数 $f^{-1}(x) = x+1$ となる.
どんな関数でも逆関数をもつわけではない.
例えば, 関数 $y=x^{2}$ において, $y=1$ に対応する $x$ の値は $1$ と $-1$ の $2$ つあるから, 関数 $y=x^{2}$ の逆関数は存在しない.
ところが, 関数 $y=x^{2} (x\geqq0)$ については, $y$ の値を定めると $x$ の値がただ $1$ つ定まるので,逆関数が存在する.
inverse trigonometric function (逆三角関数)
$$ y= \sin x $$
$$ y= \cos x $$
$$ y= \tan x $$
の逆関数はそれぞれ
$$ y= \sin^{-1}x = arcsin x $$
$$ y= \cos^{-1}x = arccos x $$
$$ y= \tan^{-1}x = arctan x $$
と表す.
逆三角関数の値を求めると,例えば
$$ \sin^{-1}1 = arcsin 1 = \frac{π}{2}$$
$$ \cos^{-1}\left(-\frac{1}{2}\right) = arccos \left(-\frac{1}{2}\right) = \frac{2π}{3}$$
$$ \tan^{-1}\left(-\frac{1}{\sqrt{3}}\right) = arctan \left(-\frac{1}{\sqrt{3}}\right) = -\frac{6}{π}$$
逆三角関数のグラフは三角関数のグラフと,直線 $y=x$ に関して対称である.
(逆関数のグラフはもとの関数のグラフと, 直線 $y=x$ に関して対称)
参考文献
- 今井 勧 (監修, 監修):『大学生のための なんとかなる微分積分』ナツメ社, 2009.
- 進研ゼミ高校講座 高校生の苦手解決Q&A
- 逆関数とは何?