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#CivicTech

アクセシビリティとシビックテック

Code for Nerima(東京都練馬区)の代表の青木秀仁と申します。加えてもう一つの肩書きとして「UDトーク」と言うコミュニケーション支援アプリの開発者でもあります。

今回初めてこのアドベントカレンダーに参加させていただきます。

Code for Nerimaの活動紹介とともに「なぜシビックテック活動においてアクセシビリティに取り組むことは大事なのか」をお伝えできればいいかなと思っております。

と堅苦しく始めてしまいましたが気楽に進めます(笑)

まずはこちら、

「Code for Nerimaのイベントにはいつも日本語/多言語のリアルタイム字幕があり、2〜3日中には全文ログを公開しています」

そんなことできるの?そもそもリアルタイム字幕ってなに?とこれだけだと声があがりそうですが、これがUDトークを使ってできることです。音声認識技術を使って話しをすべてリアルタイムに文字化、自動翻訳技術で多言語へ変換します。記録はすべて保存ができるので少し修正してすぐに公開することもできます。UDトークは先のCode for Japan Summit 2018でも採用されすべてのセッションでリアルタイム字幕を提供させていただきました。ちなみにUDトークは団体活動で使用するのは無料です。

ではこれが何のためにあるのか?

・聴覚障害をお持ちの方のため

・外国人の参加者のため

つまり「いままで参加ができなかった人へ機会を創れる」と言うことです。

「課題解決をしようとしている人たち、実は課題がそんなにないよね」と言う投稿をとあるブログでみました。その通りだと思います。僕も東京都練馬区に住んでいて「特に気になる課題がない」のです。もしCode for NerimaがUDトークを使っていなかったら、そこに参加できない人がいます。聴覚障害者の方や外国人の方です。その時点でその方たちは「参加できない課題」を抱えてるわけで、UDトークを使うことで「課題が解決」できたことになります。そういう方たちは他にもたくさん課題を持ってきてくれます。つまり

「課題は探すより、持ってる人に参加してもらった方がいい」

と言うことです。そのためにシビックテックの活動は「アクセシビリティ」に取り組んでいろんな方の参加の機会を増やす必要があると考えています。アクセシビリティと言うとちょっと聞きなれないかもしれませんが、障害者に対してのアクセシビリティは日本だと「バリアフリー」と言う言葉を使うかもしれませんがイコールではありません。アクセシビリティよりも「ユニバーサルデザイン」や「ユニバーサル対応」などの言い方の方が近いです。参加がしづらかったりできない人に対しての参加の機会を作る、これが活動におけるアクセシビリティへの取り組みだと考えています。

では参加がしづらい人、できない人とはどう言う人のことを指すでしょうか?さきに出した例で言うと聴覚障害を持っていたり日本語がわからなかったりがありますが、その日に予定があって来れられない人も参加できない人に含まれます。その日に来られないのは予定があることがだけが理由ではありません。例えばガイドヘルパーが必要なかたで都合が合わせれなかった視覚障害者や身体障害者の方たち、雨が降って車椅子で移動が難しかった、子供がいて家を空けることができない方たちなど、さまざまな理由があります。

ではそうした方たちに広い意味で参加をしてもらう、参加ができるようにするにはどうしたらいいでしょうか?

Code for NerimaではZOOMによる生中継を行なっております。かつUDトークを一緒に動かして「遠隔での字幕付き動画配信」を行なっています。こうすることで当日その時間に物理的に来れない人にも参加をしていただくことができます。その時間に予定があるかたも、そのあと全文の記録をウェブに公開するので、後から読んで把握することができます。

これらのアクセシビリティに取り組むことでCode for Nerimaは圧倒的に参加がしやすくなっています。

実はCode for Nerimaのメンバーにはたくさんの障害者の方たちがいらっしゃいます。でもCode for Nerimaとしては「障害者の方に参加してください」と一言も言っていません。参加しやすい、参加ができると言うことで自然と集まってきていただいています。もともと僕自身が聴覚障害者の方たちとつながっていたことも大きな要因ではありますが、その方たちが友達を誘って気軽に参加できる団体であり場になっています。アクセシビリティに取り組むことで多種多様のいろんな方たちがCode for Nerimaに参加しています。

アクセシビリティの一例としてUDトークの活用を紹介しましたが「どうやったらイベントに参加しやすくなるか」を考えてみていただければと思います。

Code for Nerimaの例でのアクセシビリティは障害者の方たちの参加がしやすくなる例を示しましたが、実はアクセシビリティは「対象となる人への取り組み」ではなく「発信するイベントのあり方への取り組み」だと考えています。つまりアクセシビリティに取り組むことによって

・あらゆる参加者が理解を深めることができる

これが一番のメリットであり重要なことです。リアルタイム字幕は聴覚障害者の方たちだけではなく、聴こえる人にも情報を追うのに便利です。聞き逃しても、途中でトイレに行っても(これは実際好評です)、開始にちょっと遅刻しても参加できます。全文ログは振り返ることが簡単にできますし、検索をかけることができます。

なのでこの記事を読まれているイベント主催者の方は改めてイベントへの「参加しやすさ、機会創出」をアクセシビリティの観点から一度考えてみてはいかがでしょうか?先にも述べましたがシビックテック団体で課題解決を掲げているのであればまずは「活動に参加できない」と言う課題を持っている人への解決に取り組んでみていただけたらいいかと思います。

最後になりますが、東京都練馬区ではこうしたCode for Nerimaのアクセシビリティへの取り組み自体が区と連携した「区民協働活動」となっています。東京都練馬区は「区」としてUDトークを導入し活用を進めており、区のアクションプランにもUDトークの名前が掲載されています。区の公式イベントでの運用サポートをCode for Nerimaで行っています。また区内の団体主催のイベントへのサポート等も行っています。Code for Nerimaではこうしたサポートもシビックテック活動の一つと位置づけています。「アクセシビリティの町、練馬」を目指しています(笑)。

もしアクセシビリティへの取り組みやUDトークにご興味がある方はCode for Nerimaのイベントにぜひご参加ください。