はじめに
- 今回はUiPath v2023.4の新機能である「ライブストリーミング & リモートコントロール」を紹介します。
- この機能はUnattended(無人)ロボット実行時のデスクトップ状態をAutomation Cloud管理画面からリアルタイムで表示することができます。さらに画面操作を行いたい場合にはリモートで制御することも可能です。
- 従来Unattendedロボットによるジョブエラーをデバッグするには実行ログの出力結果によって被疑箇所を推測したり、メディア記録機能などを利用して実行状態を確認していましたが、いずれにしてもリアルタイムで実行状態を参照することはできませんでした。また管理者によって介入するためにはUnattendedロボットのマシンに実行アカウントでログインして操作する必要があり、マシン台数が多い時には運用が煩雑になっていました。
- 今回の新機能を利用することによって、このようなデバッグ作業が容易に実行できるようになりました。
デモ動画
- このデモでは RPA Challenge のサイトからExcelファイルをダウンロードし、各行よりデータを読み込み、対応するWebフォームに自動入力しますが、途中で邪魔なポップアップが表示されます。
- ライブストリーミング機能によって実行状態をリアルタイムで監視し、ポップアップが出たタイミングでリモート制御を行います。
この機能を利用するには?
- まずAutomation Cloud > Orchestrator > プロセス > その他の設定画面にて「ライブストリーミングを許可」のトグルをオンにし、リモート制御の許可を「有効」に設定します。
- 次にUnattendedロボットのマシンにてUiPath Studio/Robot v2023.4以降をインストールします。Community Editionの最新版はこちらからダウンロードします。インストーラーの途中で「Unattendedロボット」を選択し、Orchestratorにマシンキーまたはクライアント資格情報にて接続します。
- さらにUnattendedロボットのマシンにてTightVNCをインストールします。TightVNCはこちらからダウンロードします。インストール時には Register TightVNC Server as a system service のオプションをオフ にします。
- Unattendedロボットのジョブ実行時にデスクトップの状態を確認するには対象ジョブの縦三点リーダー > ライブストリーミングを開く をクリックします。
- しばらくすると別タブでデスクトップ画面が表示され、ジョブ実行の状態をリアルタイムで確認することができます。
- リモート制御を行いたい場合には、画面上部の「リモート制御」をクリックすると画面操作が行えるようになります。ただし管理者権限昇格時のUACダイアログが表示される場合などには画面表示が切断されてしまうため要注意です。
参照リンク
- Automation Cloud リリースノート > 2023年3月22日 参照
- ライブストリーミング & リモートコントロール Webガイド
最後に
- 「Unattendedロボットは画面操作が見えないから扱いが難しい」と思われがちですが、この機能を活用することによってデバッグが格段に効率的に実施できるようになります。
- 今後ともUiPath製品の活用に役立つ情報発信を行っていきますので、どうぞ宜しくお願いします!