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Authlete を使って超高速で OAuth 2.0 サーバー & API サーバーを立てる

Last updated at Posted at 2016-02-13

Authlete を利用して, 超高速で OAuth 2.0 サーバー & API サーバーを立てる方法を解説する.

対象読者

  • OAuth 2.0 の基本的な概念 (アクセストークン, 認可コードフロー, 認可エンドポイント, トークンエンドポイント等) を大体把握している人
  • (もしカスタマイズしたいなら) Java 屋さん

所要時間

5~10 分

システム構成

構成は下図の通り.
また, 今回は以下のようにダミー情報を用いることに注意.

  • エンドユーザー情報 → 認可サーバー内に定義されたダミー情報
  • リソース → リソースサーバー内に定義されたダミー情報

architecture2.png

手順

手順は以下の通り.

  1. Authlete にサインアップ
  2. 認可サーバーのセットアップ
  3. リソースサーバーのセットアップ
  4. 動作確認

1. Authlete にサインアップ

1.1. サインアップ

こちらから, Authlete にサインアップする.

1.2. サービスオーナーコンソール

登録完了後, Authlete のサービスオーナーコンソールにログインする.

service-list.png

ログインすると, 上図のように「サービス一覧」に既にサービスが一つ作成されているのが確認できる.
サービス名 (上図の「Service 17415701171」) をクリックし, サービス詳細画面へ遷移する.

service-details.png

「基本情報」タブ内の項目にある API キー, API シークレット の値をメモしておく.

1.3. デベロッパーコンソール

Authlete では, あるサービスのクライアントアプリはデベロッパーコンソールで管理する (Twitter でいうアプリ管理コンソールに相当).
デベロッパーコンソールには以下の URL からアクセスする.

# {service-api-key} → 上でメモした API キーで置換.
https://cd.authlete.com/{service-api-key}

cd_login_s.png

上図のように, ログイン時の ID とパスワードは以下のようにする.

  • ログイン ID → 上でメモした API キー
  • パスワード → 上でメモした API シークレット

app-list.png

ログインすると, 上図のように「アプリ一覧」に既にクライアントアプリが一つ作成されているのが確認できる.
クライアントアプリ名 (上図の「Client 67590423360」) をクリックし, アプリ詳細画面へ遷移する.

app-details.png

「基本情報」タブ内の項目にある クライアント ID, クライアントシークレット の値をメモしておく.

2. 認可サーバーのセットアップ

2.1. ソースコードのダウンロード

$ git clone https://github.com/authlete/java-oauth-server.git
$ cd java-oauth-server

2.2. 設定ファイルの編集

authlete.properties 内の項目を以下のように編集.

  • service.api_key の値 → 上でメモした API キーで置換.
  • service.api_secret の値 → 上でメモした API シークレットで置換.

2.3. サーバー起動

# ポート 8080 で起動.
# JAVA_HOME が環境変数に設定されていないとエラーになるので注意.
$ mvn jetty:run &

3. リソースサーバーのセットアップ

3.1. ソースコードのダウンロード

$ git clone https://github.com/authlete/java-resource-server.git
$ cd java-resource-server

3.2. 設定ファイルの編集

→ 2.2 に同じ.

3.3. サーバー起動

# ポート8081 で起動.
# JAVA_HOME が環境変数に設定されていないとエラーになるので注意.
$ mvn jetty:run &

4. 動作確認

以上で準備は整ったので, 以下の動作確認を行う.

  • OAuth 2.0 の認可コードフロー
  • Web API へアクセス

概要は下図のようになる.

authorization-code-flow-qiita.png

4.1. OAuth 2.0 認可コードフロー

まず, 以下の URL (認可エンドポイント) にブラウザでアクセスする.

# {client-id} → 上でメモしたクライアント ID で置換.
http://localhost:8080/api/authorization?client_id={client-id}&response_type=code

すると, 下図のように 認可ページ が返却される.

authorization-page_360.png

以下のようにダミーユーザーの認証情報を入力して「Authorize」ボタンを押す.

  • Login ID → john
  • Password → john

(注) ダミーユーザーの情報については以下のファイルを参照のこと.
java-oauth-server/src/main/java/com/authlete/jaxrs/server/db/UserDao.java

すると, 以下のようにリダイレクトされるので, 認可コード (code) の値 をメモしておく.

redirected_with_code_modified.png

次に, 以下の curl コマンドで トークンエンドポイント にアクセスする.

# {code} → 上でメモした認可コードで置換.
# {client-id} → 上でメモしたクライアント IDで置換.
curl -v -X POST \
-d 'code={code}' \
-d 'client_id={client-id}' \
-d 'grant_type=authorization_code' \
http://localhost:8080/api/token

成功すると, 以下のように アクセストークン を含む情報が取得できる.

{
  "scope":null,
  "expires_in":86400,
  "token_type":"Bearer",
  "refresh_token":"B3lBVAGTQW7EGFjEi8zSxRWpGNUnUX7L-YNuskuCXyY",
  "access_token":"4JA3nS8Z76pnwMqP9n7XvIffwCgnyvMMG4u_dAdmlKw"
}

4.2. Web API へアクセス

上で取得したアクセストークンを用いて, リソースサーバー上のサンプル API Country Endpoint (/api/country/{country-code}) にアクセスしてみる.

# 日本の国情報を取得.
# {access-token} → 取得したアクセストークンで置換.
curl -v -H "Authorization: Bearer {access-token}" \
http://localhost:8081/api/country/JP

成功すると, 以下のようなレスポンスが得られる.

{
  "name": "Japan",
  "alpha2": "JP",
  "alpha3": "JPN",
  "numeric": 392,
  "currency": "JPY"
}

ちなみに, アクセストークンを付与せずにアクセスすると

# アクセストークン無しでアクセス.
curl -v http://localhost:8081/api/country/JP

以下のように, 適切なエラーが返ってくる.

< HTTP/1.1 400 Bad Request
< Date: Wed, 10 Feb 2016 08:27:22 GMT
< Cache-Control: no-store, no-transform
< Pragma: no-cache
< WWW-Authenticate: Bearer error="invalid_token",error_description="An access token is missing."
< Content-Length: 0
...

付録

◼︎ Authlete について

Authlete (オースリート) とは?

OAuth 2.0 サーバーと Open ID Connect プロバイダーをお手軽に実装するためのクラウドサービス.
実体としては「Web API + ライブラリ + 管理コンソール」から構成される.
無料プランから利用可能.

特徴

  • 便利な Web API. OAuth 2.0 および Open ID Connect に関連する処理は Authlete の Web API に丸投げできる.
  • 管理コンソールで楽々設定. OAuth 2.0 および Open ID Connect に関連するパラメーターは全て GUI のコンソールで設定できる. また, Twitter のアプリ管理コンソール のような クライアントアプリ管理の仕組みも独自に作る必要がない. Authlete が各サービスごとにデベロッパーコンソールを提供する.
  • データベース不要. OAuth 2.0 / Open ID Connect 関連のパラメーター群を保存するデータベースを用意する必要はない. それらの情報は Authlete 上に保存される.
  • 既存のサービスにも即導入可能. Authlete の設計上, エンドユーザー認証に関する部分は外出しされており, サービス依存となる. つまり Authlete がエンドユーザー情報を保存したり, その認証方式について制限を課したりすることはない. したがって, 既にユーザーを抱え込むサービスや独自のユーザー認証を行うサービスにも即導入できる.

◼︎ 参考リンク

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