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私文から国立理系大学院(神戸大学院科学技術イノベーション研究科)に合格するまで

Last updated at Posted at 2024-01-24

はじめに

筆者は院進,就職するにあたってQiitaが必要だと感じ,noteと両立するのがめんどくさかったので技術と全く関係ない記事となります.ご了承ください.

この記事を読む対象の方は以下が想定されます.
・大学に入ったはいいが,他の勉強・研究がしてみたい

大変ご立派な考え方だと思います.なお以下は筆者の院進の動機です.
・学部卒でまだ働きたくない(何とかしてまだ遊びたい)
・学歴コンプを解消したい
・学割使いたい
・尊敬する先輩に院進を勧められた
・院試説明会に圧倒的美女なリケジョがいた

大学はどこに合格するかより,入学してから何をするかがとても重要なのは重々承知しています.なので上記のふざけた理由はあまり好ましくありませんが,あくまで今回は合格するまでの話を記します.筆者は塾の生徒にいつもこう言っています.「成績上がって受かるんやったらモチベなんてなんでもいいねん.」この考えは今でも変わりません.院進を目指している方がこの記事を読んで少しでも前向きな考えになれたらなと願っています.

プロフィールと高3から学部卒業まで

かなり個人的な話になるため,ご興味がない方はこの章は読み飛ばしてください.

筆者は高校生の時,数学が得意だったにも関わらず,高校生活の楽しさを選んで文系でした(ここでも変な動機でしたが後悔はありません).進学校に通っていたので,国立大経済学部を受験し,見事に不合格.浪人はしたくなかったので,なんとなくで決めた私立の情報学部に英数で受験し合格.後で知りましたが,後期受験だったため,倍率が15倍でした.それなりに学力はあったみたいです.

筆者が入学した学部は文理融合学部だったので,コンピューティング系の授業がありました.そこでプログラミングの楽しさに出会い,大学で理転する考えに至りました.理転といっても元文系なので高校物化などは全然できません.あくまで数学に限った話です.

学部2年生くらいから,エンジニアとしての就職を目指し,友達と一緒に立ち上げた学部公認プログラミングサークルにて競技プログラミングにチャレンジします.そしてプログラミングはあくまで目標達成の手段であることに気づき,すぐに飽きました.決して競プロを批判しているわけではありません.そこから,エンジニアとして就職するならまだまだ勉強時間が足りないことを痛感します.同時期に尊敬する先輩が,「俺がサポートしたる」と言って院進を勧めてきて,筆者の中で院進の考えが出てきました.

学部3年がはじまり,学部の研究室に配属し,先輩と同じ大学院(神戸大学)の研究科を目指すことにしました.まずは敵を知るということで過去問を見たところ,数学の線形代数の問題を少し見たことあるくらいで,アルゴリズム,数理計画や制御の問題などは全く分かりません.まずは線形代数・微積・複素解析・微分方程式を解けるようになることを目標に,数Ⅲの微積の勉強とTOEICの勉強から手を付けました.10月にTOEIC725点を取り,12月時点で数学の過去問15年分を一通り解き終わり,3月時点で数理計画,アルゴリズム,制御の過去問にチャレンジできるくらいにはなりました.ヨビノリたくみさんや学習系YouTuber,数理計画の授業をしてくださった外部教員のI先生,制御を教えてくださった先輩,早稲田の数学科の幼馴染,一緒に勉強してきたバ先の同期には頭が上がりません.

学部4年になり,筆者が合格した,科学技術イノベーション研究科・先端IT分野の存在を知ります.そこからなんやかんやあって7月に無事合格.したがって当初予定していた先輩と同じ研究科は受験しなかったので,約一年間の勉強が半分ほど無駄になりましたが,またどこかでその知識が活躍することを祈るばかりです.院試を終え,研究活動に時間を割き,担当教員の勧めもあって12月に初学会出場を果たします.と同時に周りのレベルの高さに絶望し,理系を名乗ることがとても恥ずかしくなります(まあ発表の仕方や喋り方では負ける気しませんでしたが).同時期に東大松尾研のプログラムに参加し,現在1月はエンジニアというよりも,データサイエンティストを目指して日々奮闘しています.

院試の準備で必要・やってよかったこと

さて,ここからが本題です.あくまで神戸大学院科学技術イノベーション研究科の入試方式に沿って話を進めますが,他大学でも共通する部分は多々あると思います.

そもそも,理系大学院の入試方式はおおまかに以下のようなものが考えられます.

①学部の成績や面接はさほど関係なく,試験当日の数学と専門科目の点数とTOEICの結果がすべて(筆者が当初受験予定だったもの)
②学部の成績,小論文,面接,研究計画書とTOEICなどで総合的に判断する(筆者が合格したのはこれ)
③高専出身や学部3年の時点で学会出場経験のあるようなつよつよ学生が受験する推薦方式
④私立などでよくあるエスカレータ式

今回は②について個人的に優先度が高い順に記していきます.

1.研究室訪問

院試対策を始めるにあたって,皆さんネットなどで何から始めるべきかを調べると思います.必ず出てくるのが研究室訪問です.外部受験を考えているなら必須ですね.

私は早めが良いと思って学部3年の9月と4年の4月に,とりあえず自分が少しでも掠りそうな研究室に訪問のメールを10件くらい送りました(やってよかったことその1:メールを送りまくる 理由は後述します).送るメールの内容は他記事を参考にしてください.

9割の先生方からお返事を頂き,訪問先の研究室のサイトで研究内容を予習し,アポを組みまくりました.ここでやってよかったことその2です.
自分の研究(予定)内容をまとめたレジュメを用意する

研究室訪問の目的は,研究内容のマッチングです.ネットで研究室のサイトを見ただけでは,マッチングするかどうかなんて分かりません.教員側の意見も聞くべきです.

レジュメを用意できたら,軽く説明できるようにしておきましょう.

強面な先生もいらっしゃいますが,誠意をもって話をすれば,「君の内容なら,○○さんのとこがいいんじゃないかな~」と教えてくれます.

2.研究計画書

小論や面接対策より大変だったのが,研究計画書です.出願の際に必要なので,配属予定先(第一希望)の教員とメールなどで相談しながら執筆します.大抵の人が学部4年から研究活動を始めるので,まだ自分がやる研究が定かではない中,一年後の研究内容を書けという無理難題です.なので自分の現担当教員とも話し合いながら,最低でも以下の条件を含むものを作成します.

・現在(学部)の研究内容の延長線上である
・配属先の研究内容とある程度合致している
・技術や数値的な新規性(目標)を伴う

理由は後述しますが,特に3つ目はかなり大切です.

3.面接対策

面接は言わずもがな研究計画書について問われます.出願後,自分の計画書をみて,突っ込まれそうな部分を対策していきます.やってよかったことその3は
有識者の他人(教員や友人)に計画書を見て疑問点を探ってもらう です.
やはりこういうのは他人にチェックしてもらうと,意外と見落としていた部分が見つかります.あとは疑問点を基にした想定質問とその答えを考え,喋って練習して身体で覚えてしまいましょう.

また,高確率で問われる質問が
この研究の新規性はどこにありますか です.
新しい技術なのか,モデルなどの精度が高い数値を出すという意味で新しいのか,などをきちんと説明できるようにしましょう.

ここで,やってよかったことその1:メールを送りまくる の理由を説明します.面接は1:5の圧迫面接です.人と話すので,研究内容についてしっかり説明できるか,という観点はもちろん,修士でも頑張れそうか,といった人間性もみられます(たぶん).

試験当日,面接官は5人いましたが,なんとその内3人は顔見知りでした.内訳は,配属先の教授,そこの准教と研究科長です.筆者は研究室訪問の際,"絶対にこの研究室には研究内容的に配属されないだろう"と分かっておきながらも,研究科長の研究室に訪問していました.

そこで熱心に自分の研究内容を話すと,「君の顔と名前は覚えた!」とおっしゃってくださいました.

筆者が言いたいのは,面接時は,初めましてよりも顔見知りの方が印象が良いに決まっているので,研究室訪問は数打っとけということです.所謂"根回し"的なことですね.これほど自分の性格に感謝した日はありません.

4.小論文対策

イノベの小論文は経営系の課題資料を事前に読んで,そこから関連する問題が出題される形式です.課題資料を5回くらい読み込んだら,資料に載ってある具体例を他の企業で探してみましょう.

もうひとつの専門科目の方は,はっきり言って範囲が広すぎて対策のしようがありません(配属先の教員が言ってました).かといってなにもしないわけにもいかないので,筆者がしたことをまとめます.

①過去問をChatGPTに解かせる
②話題の技術を調べる

まず①,過去問の答えがない分,自分で作るしかありません.AIの答えが全てではありませんが,頼ってみて,気になる技術があれば深追いすれば良いと思います.

続いて②,時事問題とはいきませんが,昨今注目されている技術は調べておくべきです.ちなみに筆者は2023年夏受験でしたので,2022年秋から注目を浴びていた生成系AIについてめちゃくちゃ勉強しました.結果掠りもしませんでしたが,話題の技術に詳しくなれたので満足です.

当日は経営系の問題には自信を持って完答,専門科目は,できるだけ配属先の研究内容に近いような内容を書いて提出しました.

おわりに

大学で理転して理系の大学院に進むという特殊な進路の話でしたが,いかがだったでしょうか.始めてのQiita執筆でしたが,思ってた倍の量になってしまいました.拙い日本語の中,ここまで読んでいただきありがとうございます.
大学院試験の倍率は1.5倍程度です.筆者は他大学の併願はしませんでしたが,アリだと思います.何か意見や質問があれば遠慮なくコメントしてください.皆さんの挑戦を応援しています.

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