目的
Arduinoの基板は完成したが、そこには志半ばに倒れたVカッターの残骸の山が残った。
切削開始直後に折れたものも多々あり、これは(勿体ない)可哀そうだ。
そうだ先端を再研磨して、もう一度使えるように新たな命を吹き込もう。
※なぜ折れたのかは、前回の内容におおよそ書かれた通り。
※大した値段じゃないのだから、ケチケチしないで捨てればといわれそうですが。
経緯
前回の施策によりかなり安定して切削可能となり、Vカッターの消耗は激減した。
しかし、それまでにダメにしたVカッターが多数出来てしまった。
また、購入したVカッターも先端形状がそろっている保証もなく、切削に不安がある。
そこで、使用するVカッターの先端の確認を行い、必要とする切削幅に合致しない場合、
再研磨を行い、基板切削の安定を図る。
※Vカッターは焼き入れされていると思われるが、これを再研磨して再焼き入れは未実施。
実質工具の寿命が短くなっているとは思われるが、現在の所は著しい消耗は見つかっていない。
下記は所詮しろうとのお遊び。効果は自分で確かめてね。
使用工具
(1)ダイヤモンド砥石
(2)デジタルマイクロスコープ
(3)ルーペ用目盛板 ※Amazonで購入したJT-27 (J&T-F6)を使用、但し今は0.1mmは売っていない。
1.正常な先端の確認
購入したVカッターは下記のような形状をしていた。
これが一般的なのか、このメーカー特有なのかは未確認。
(1)刃の形状は、円錐を半分に切ったような形をしている。
(2)写真のでは判り難いが、半円の一部がカットされている。(逃げ角か?)
(3)先端は平らにカットされている。多少水平ではないが、これも何か理由が有るかも。
(4)背面は45度程度にカットされている。
※これがないとカッター食い込みが悪く、下降時にトンと基板を叩く音がして着地点がずれる。
2.折れた先端の確認
折れたVカッターの先端を写真で示す。
切削中に割れて、0.5mm程度短くなった。
3.再研磨作業
手作業で先端を再研磨して、もう一度使えるようにする。
作業の途中途中には、マイクロスコープで研磨結果を確認しながら行う。
(1)Vカッターを垂直に保持し、砥石(#1000)上で数回往復して先端を水平に研磨。
※削りすぎに注意、結構よく削れる。
(2)Vカッターを斜め45度に保持し、背面を研磨。
(3)スケールに当てて、プリント基板での切削幅(刃の太さ)を確認する。
(4)切削幅が所要の幅を超えている場合、幅を調整(研磨)する。
・VカッターをCNCに取り付ける。
・モーターを低速で回転させる。
・Vカッターに砥石を当てて周囲を削る。
※削るのには多少の時間を要するので、大きく折れたものは再研摩不可となる。
※回転部に注意し、巻き込まれ等で怪我をしないように。
4.再研磨の効果確認
再研磨したVカッターでプリント基板を切削し、効果を確認する。
刃面の平滑度が悪くなるので、切れ味も悪くなる。
切削例で示すようにバリがたくさん出るので、表面にヤスリをかけて綺麗に洗い流す。
金属片が残っていると、はんだ付け時に回路をショートさせ泣きを見る確率が高くなります。
上記記載内容は無保証であり、各自の責任においてご利用願います。
不都合な結果になっても、当方は責任を取れません。あしからず。