LoginSignup
3
2

More than 5 years have passed since last update.

Oracle Cloud InfrastructureのFile Storage Serviceを使って、KubernetesのPodに共有ストレージをマウントする

Last updated at Posted at 2018-06-30

これはなに

Oracle Cloud Infrastructure(OCI、OracleのIaaS)のFile Storage Service(FSS)は、少容量から始められて、高パフォーマンス、NFS接続を謳う共有ストレージサービスです。
このエントリーでは、OCI上に構築したKubernetesのPodに、FSSの共有ストレージをマウントする手順を書きます。

OCI上にKubernetesを構築するには、Terraformベースのインストーラーと、マネージドのKaaSサービスであるOracle Container Engine for Kubernetes(OKE)を使う方法があります。
このエントリーの手順は前者の方法で構築したクラスターで動作確認していますが、どちらでも適用可能と思います。

手順の概要

大まかな手順は以下のとおりです。

  1. FSSをセットアップする
  2. PodからFSSをマウントする

1 . FSSをセットアップする

まずはFSSをセットアップしていきます。

1-1. FSSのボリュームを作成する

OCIのコンソールにログインしたら、画面左上のハンバーガーメニューアイコンmenu.pngをクリックします。メニューが展開したら、File Systemsをクリックします。

1.png

File Systemsの画面が表示されたら、画面左下のメニューで、Kubernetesクラスターを構築してあるCompartmentを選択します。そのうえでCreate File Systemボタンをクリックします。

2.png

Create File Systemダイアログで、以下のように値を設定し、Create File Systemボタンをクリックします。

  • File System Information
    • CREATE IN COMPARTMENT: (Kubernetesクラスターを構築してあるCompartmentが選択されていることを確認)
    • NAME: (値は任意。例えば fss4oke)
    • AVAILABILITY DOMAIN: (任意。FSSを構成したいAvailability Domainを選択)
  • Mount Target Informantion
    • NAME: (任意。例えば fss-mount-target)
    • VIRTUAL CLOUD NETWORK: (Kubernetesクラスターを構築してあるVCNを選択)
    • SUBNET: (Worker Nodeが配置されるサブネットを選択。サブネットが配置されているADが、上のAVAILABILITY DOMAINで選択したものと一致すること)
    • PATH: (任意。例えば /fss)

3.png

FSSが構成されたら、File Systemsの画面で、FSSの名前のリンク(上の例のとおりであればfss4oke)をクリックします。

4.png

Mount Targetの配下に、上記で作成したMount Targetが表示されています。この中にある、Private IP Adressをテキストエディタ等にコピーしておきます。

5.png

これでFSSのボリュームの作成が完了です。

1-2. FSSに接続するためのネットワークの設定を行う

OCIコンソールの画面左上のハンバーガーメニューアイコンをクリックします。メニューが展開したら、Virtual Cloud Networksをクリックします。

6.png

Kubernetesクラスターが構築してあるVCNの、名前のリンクをクリックします。

7.png

画面左のメニューでSecrity Listをクリックします。

8.png

KubernetesのWorker Nodeが配置されるサブネットに適用される、Security Listを選択します。

9.png

Security Listに、FSSとの通信を許可するための設定をしていきます。
Edit All Rulesボタンをクリックします。

10.png

Ingressのルールに、Stateful(StatelessのチェックをOFFに設定)のルールを作成していきます。
例えば、ルールの作成後に、以下の図のようなルール設定が追加されていればOKです。

11.png

以上でFSSのセットアップは完了です。

2 . PodからFSSをマウントする

ここまでの手順で構成したFSSを、2つのPodにマウントして共有ストレージとして使ってみます。
FSSはNFSとしてアクセスするので、PodにVolumeの設定をする方法は、一般的なNFSの共有ストレージをマウントする方法と変わりません。

2-1. Worker NodeにNFSをインストール

Worker NodeがNFSクライアントとして動く必要があるので、NFSをインストールしておく必要があります。

Worker NodeにSSH接続した上で、以下のコマンドを実行します(yumベースのパッケージマネージャを使っている例)。

$ sudo yum install nfs-utils

これをPodが配置されうるすべてのWorker Nodeに対して実施しておきます。

2-2. PodからFSSをマウント

ここでは、共有ストレージ上のテキストファイルに定期的にメッセージを追記するPod(hello-fss)と、そのファイルをtailするPod(welcome-fss)とを作成して、2つのPodから共有ストレージを利用できることを確認します。

まず、hello-fssのmanifestです。

hello-fss.yaml
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: hello-fss
spec:
  containers:
  - name: hello-fss
    image: busybox
    args: [/bin/sh, -c, 'i=0; while true; do echo "$i: Hello FSS!">>/mnt/fss/hello.txt; i=$((i+1)); sleep 1; done']
    volumeMounts:
      - name: fss
        mountPath: "/mnt/fss"
  volumes:
  - name: fss
    nfs:
      # FIXME: use the right IP
      server: 10.0.40.8
      path: "/fss"

spec.volumes配下にFSSのMount Targetの情報を記述しています。サーバーのアドレスは、先の手順で保存しておいたIPアドレス、パスはFSS作成時に指定したものになります。
この辺りは、通常のNFSボリュームをマウントするときの記述方法と全く変わりません。

spec.containers.argsでコンテナが実行するコマンドを記述しており、FSS内のファイル(hello.txt)に定期的にメッセージを追記しています。

続いて、welcome-fssのmanifestです。

welcome-fss.yaml
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: welcome-fss
spec:
  containers:
  - name: welcome-fss
    image: busybox
    args: [/bin/sh, -c, 'tail -f /mnt/fss/hello.txt']
    volumeMounts:
      - name: fss
        mountPath: "/mnt/fss"
  volumes:
  - name: fss
    nfs:
      # FIXME: use the right IP
      server: 10.0.40.8
      path: "/fss"

ボリュームのマウントに関連する記述は、hello-fssと同様です。

spec.containers.argsのコマンドでは、hello-fssが作成するファイルをtailするにように記述しています。

これで、hello-fssがhello.txtにメッセージを追記していき、welcome-fssがhello.txtをtailした結果、その標準出力に追記内容が順次表示されていく、という動きになるはずです。

それでは動作確認してみます。まずはPodをデプロイします。

$ kubectl create -f hello-fss.yaml
pod "hello-fss" created
$ kubectl create -f welcome-fss.yaml
pod "welcome-fss" created
$ kubectl get po     
NAME          READY     STATUS    RESTARTS   AGE
hello-fss     1/1       Running   0          10s
welcome-fss   1/1       Running   0          10s

続いてWelcome-fssの標準出力を確認します。

$ kubectl logs -f welcome-fss     
0: Hello FSS!
1: Hello FSS!
2: Hello FSS!
3: Hello FSS!
4: Hello FSS!
5: Hello FSS!
6: Hello FSS!
7: Hello FSS!
8: Hello FSS!

こんな感じで Hello FSS! のメッセージが表示されていけばOKです。
これで、2つのPodから、FSSで構成したひとつの共有ストレージをマウントして、ファイルを操作できていることになります。

本エントリの手順は以上です。

3
2
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
2