この記事はNew Relic Advent Calender 2023 シリーズ2の11日目の記事になります。
はじめに
レガシーなリテールの会社で社内SEをしています。
自社でどのようにNewRelic導入の承認を得たかという話です。技術的な要素は皆無です。
あくまで私の場合の一例ですが、こんな悩みを持つ方に少しでも参考になれば幸いです。
- 「NewRelic導入したいんだけど、社内を説得できない。」
- 「必要性を理解してもらえない。」
- 「どうやって稟議通せばいいんだろう?」
お話の前提
こんな会社
- 全国に店舗を持つリテール
- 東証プライム上場
- 過去は国内大手SIer様にシステム開発・運用丸投げ。ここ2年ぐらいで内製化にシフト、推進中。
- ITリテラシーはそこまで高くない。「オブザーバビリティ??何それ?」
こんな人
- 中堅・大手SIerで業務アプリケーションの開発・導入・保守を20年以上。
- 2年ぐらい前に中途入社。
- ITに詳しい人と思われている
- 私自身はレガシーな開発のみ。ウォーターフォール、C#・VB.net・COBOL・PL/SQL
- アジャイルとかフルスタックエンジニアとかに憧れが大きい。
ただスキル不足のため、その道に進む勇気はなく、エンジニアリングマネージャ的な仕事をしてます。
どうやって導入したか?
STEP1 キーワードをインプット
繰り返し、当然のように言いましょう。
- 「これからはオブザーバビリティが必須です」
- 「オブザーバビリティ製品を導入していないなんて、あり得ません」
- 「NewRelicというサービスが良いらしいです、みんなそう言っています」
もし、ここで「みんなって誰?」と言われた成功です。時間を貰って説明しましょう。
STEP2 具体的事象と関連させて、効果とコストを伝える
多少盛っても良いです。
- 私「あー、NewRelicを導入していれば防げた可能性高いんですけどね、この障害。年間○○○円ぐらいのツールなんですけどね~。」
(ここは、障害により発生した喪失・対応コストより少なく言いましょう。) - Q「××(システムの稼働状況に関するなにか)って分かる?」
私「データが無いので分からないんですね~」 - Q「なんでこんなに時間かかるの?」
私「オンプレと違って、クラウドの場合、いろんな個所を確認しないといけないんですよね」
(相手によっては、EC2だけを使ってる単純なシステムでも、こう言えばいいんです。)
STEP3 いつでも止められる/乗り換えられることを伝える
導入したのち、本当に止められるか/他サービスに乗り換えられるか気にしない。
- 私「SaaSです。年間契約です。価値がない・要らなくなったら止めればいいんです。」
- Q「他サービスと比較検討したの?」
私「しました。これ以上は実際に使ってみないと分かりません。
とりあえずNewRelic使って、駄目なら来年他サービスに切り替えます。」
(本当に他サービスへの切り替えを求められることは皆無です)
STEP4 虎の威を借りる
説明相手にとっての権威を担ぎ出しましょう。誰・何が権威になるかリサーチしましょう。
- ガートナー
- 日経○○
- ××総研、◆◆コンサルティング
- 海外事例
- 同業他社の導入事例
STEP5 予算編成時期を逃さない
このあたりはレガシー企業ならではかもしれませんが、一般的に会社というのは、
予算を確保しやすい時期とそうではない時期があるかと思います。予算確保しやすい時期が来たら、全力で承認を貰いに行きましょう。
結論
目的は オブザーバビリティを実現することだったので、オブザーバビリティの必要性を会社の共通認識にすることは、次のステップとして割り切ってました。
環境が恵まれていた部分も多分にありますが、
早くオブザーバビリティを実現しないとまずい、放置しておくとそのうち組織が回らなくなるという考えが大事だったかなと思います。
「見えないシステム」って怖くないです?