anyone can host vector tiles
この記事は、FOSS4G Advent Calendar 2016の12/25の記事である。
目的
バイナリベクトルタイルが隆盛している。バイナリベクトルタイルは数年も昔から実用されてきたが、事実上の標準としてのフォーマットが定まりつつあるためだ。事実上の標準が定まりつつある今、バイナリベクトルタイルの隆盛を加速するために必要なことは、多数の実装が世の中に現れることだ。
バイナリベクトルタイルの事実上の標準が定まりつつあり、そのファイルを作る方法もオープンソース実装をつないで実現できる。
また、基本図以外の多くの地理空間情報は小規模である。バイナリベクトルタイルは大規模データでも賢く空間的に分割して統治するところが強みであるが、大規模データでも問題がないバイナリベクトルタイルの手法は、小規模なデータでも簡単に適用できる。
小規模なデータを持つ多くの方に、バイナリベクトルタイルでデータを出して欲しい。今、バイナリベクトルタイルは、小ロット生産者とともに歩むべきである。
バイナリベクトルタイルは、ファイルセットとして展開すれば、小さなファイルの塊にすぎない。このようなファイルセットは、例えば gh-pages のようなサービスで簡単にホストすることができる。
GeoJSON ベクトルタイルではファイルセットが大きすぎて実現できなかったホスティングが、バイナリベクトルタイルの圧縮と間引きのおかげで、gh-pages のような無償ホスティングの範囲ですら実現できるようになったことは、とても大きい。
今や、例えば Shapefile で表現できるようなほぼあらゆるデータは、誰でもベクトルタイルとしてホストできる。その上のレベルでの勝負に進むべきである。
実証
基本図ではないデータで、それなりの規模のあるデータとして「電子国土基本図(地名情報)住居表示住所」を選定し、これをバイナリベクトルタイルに変換して gh-pages にホストし、ウェブ地図(表示サイト)を作成した。具体的には https://hfu.github.io/gsi-address-vt/ である。この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子国土基本図(地名情報)住居表示住所を使用した。(承認番号 平28情使、第679号)
この地図を使うと、住居表示住所データを次のように地図表現することができている。
この地図の作り方の詳細をいま説明することができないが、詳細は間違いも含めて GitHub のソースコードに記載されている。質問があれば、GitHub Issue などに頂けるとありがたい。