これは、ベクトルタイル Advent Calendar 2021の22日目の記事です。
今回のアドベントカレンダーは、かなり高いレベルの成功に向かっているように思います。ベクトルタイル Advent Calendar 2017と比べて格段に多様性が増大しており、多様性の増大は技術の持続性のために重要です。
昨日付の西川さんのエントリ2021年、デジタル地図について考えたことにも、次の記載があります。
地図のデザインの多様性がさらに上がることを期待している。特に、アニメ、浮世絵、かわいいなどの世界に影響を与えた価値観を生み出した日本での地図デザインが変わっていくといいな
地図の多様性が確保されることで、相互運用性と持続性、さらに信頼性が確保されます。その確保を行うための重要な手段が、自由で開かれていることです。自由のレベルにはさまざまなものがあり、それぞれの自由が共存することが重要だとも思っています。
ところで、かわいい地図を実現するための要素ってなんだろう、と思いました。ざっくりと分析してみたところ、こういうことじゃないかというブレストアイディアが出ています。
- 背景は黄色系
- 建物は青色系
- あちこちに猫がいる
今度、試してみたいなと思います。昨晩は、UNVT Meetupをやりました。若い方々が、UNVT の聳え立つ学習曲線にチャレンジしてくださったのですが、ベクトルタイルって、地図そのものではなく、地図の印刷術であるのだ、というところが難しいのだと思います。地図そのものと比較して、一段メタなのです。
印刷といえば、ベンジャミン・フランクリンですね。彼も我々の仲間なのだ、あるいは、我々は彼の仲間なのだ、と思います。
国連ベクトルタイルツールキットは、地図の印刷術であるベクトルタイルに貢献することによって、世界でも特に困っている人を助けることにつなげるという装置になっています。国連ベクトルタイルツールキット自身の持続のために必要なのは、多様な参加だと思っています。2021-01-19 に、国土地理院と国連 GGIM 防災部会、国連 GGIM アジア太平洋地域委員会が共催する「Workshop on Geospatial DRR for Decade of Action (Day 2) - UN-GGIM WG-Disasters TG-B meeting」でも、似たようなコンセプトがあります。
紙数の残りを使って、上記のワークショップのコンセプトノートの最初の2段落を翻訳してみます。
気象や気候、気候変動、紛争、地震活動、また現在のパンデミックによって、世界のさまざまな地域の人々が脆弱になってきています。強靭な共同体を構築し、人々が最も助けを必要としているときに対応する必要があるのですが、準備や資源の不足に阻まれています。地理空間情報の科学と技術は、そういった資源を最大限に活用するための知的な前進をもたらすものです。なぜなら、災害管理サイクルの中で、リスクやハザードをモデル化したり、脆弱な人々やインフラを特定し支援したり、災害に備えた早期警報を出したり、リスクに晒された人々を支援する早期活動を実施したり、危機が発生で誰と何が影響を受けたのか理解したり、どういった支援が必要で、誰がその支援を提供しているのか、といった極めて重大な役割を地理空間情報の科学と技術は果たすからです。
政府、地方公共団体、国際機関、地域機関そして市民社会は、みな強靭性を構築して幅広いシナリオに対応する必要があるのですが、単一の地理空間ソリューションがあらゆる者に適合するわけではないのです。このワークショップでは、地理空間情報と技術ソリューションをいくつかの異なった見方から見ることで、共通性を見出し、災害管理システムを超えて知識を共有し、データ共有や発見といった、イノベーティブな思考を必要するところにおいて、いくつかのボトルネックや課題を特定します。地理空間コミュニティによる災害マネジメントへの対応は、UN-GGIM のより上位にある統合地理空間情報枠組(IGIF)での、社会を横断的に、マッピングと分析業務を強化するという目標に合致します。しかしながら、このワークショップでの対話は、災害マネジメントや人道支援システムのニーズへの理解を一般的なものから深いものに変えていき、そういった要求により合致するように我々地理空間情報の専門家が自分達の業務を調整するのに役立ちます。