はじめに
UN Open GIS Initiative DWG7 on Smart Maps は開かれた実践コミュニティであり、オープンさの中に共通のカルチャーと求心力を持っていく必要があります。
しかし、開かれたコミュニティであるからこそ、共通の経験やアイデンティティを共有する良い方法を持つ必要があります。
ストーリーテリング(storytelling)はそのための良い手法であるように思います。ここでは、Smart Maps のストーリーを試作してみようと思います。
The setup
地図というのはそもそも、空間の認識を共有するためのツールです。空間は共有のものと私的のものとがありますが、多くの場合、地図は共有の空間を扱います。そういった地図は、共有の空間についての認識を共有するものなので、情報は自由になりたがるの原理に従います。
だからこそ、地図技術者は多くの場合、地図を開かれた共有のものにする中で相応の報酬を得ることを狙います。
The Confrontation
しかしながら、地図を開かれた共有のものにすることが妨げられる状況は発生するものです。例えば、事業的な戦略から、あるいは政治的立場の多様性から、あるいは情報管理の必要から、地図の共有が妨げられる場合があります。
国連のような多国間の協力においても、さまざまな事情から地図の共有が妨げられることがあります。
地図を開かれた共有のものにすることを通常のモードとする地図技術者にとって、地図の共有が妨げられる状況との直面は大きな危機でした。
The Resolution
UN Open GIS Initiative DWG7 on Smart Maps では、ウェブ地図を開かれたものに保つ(Keep Web Maps Open) ことをビジョンにし、技術の共有をデータの共有以上に重視しています。データの共有は必ずしも叶わない場合もあるし、データが示す情報の内容に必ずしも合意する必要はない、それでも、技術であれば共有できることがある、というのが我々の答えです。
このようなビジョンやアプローチに賛同してくれる、可能な限り多くの方が、Smart Mapsの活動に参加していただけるようにしたいと思っています。
おわりに
引き続き、ヒントや支援や参加をいただければと思います。良いお年を。
来年は、少しでも多くの方が、FOSS4G 2023 が開催される Prizren に行けるようにしたいと思っています。