これは、ベクトルタイル・アドベントカレンダー 2021の記事です。
tmcw が Maps, a decade later という記事を書いています。かつて ベクトルタイルの必然性について 書いたときと同様、 Maps, a decade later をなぞって日本語で書き直すスタイルで、なぜ地図に関わり続けるのかを整理してみたいと思います。
概要
- リミックスだから
- オープンだから
- 困難だから
- 人文があるから
- 複雑だから
1. リミックスだから
地図レイヤというのは、任意に組み合わせることができる、視覚的でもあるデータコンポーネントです。地図レイヤというコンセプトのおかげで、この業界は再結合と相互運用を深く考えています。ウェブ地図は、技術的にも法的にも、実時間リミックスです。
2. オープンだから
空間に関する共有知はあまりにも大切なため、政府・デジタルプラットフォーマー・スタートアップが対等に参加する状況のもと、オープンソースソフトウェアと規格が優勢になっています。
3. 困難だから
地図のラベル配置に例示されるような困難な問題について、速度・美しさ・単純さといった異なる側面からアプローチ可能になっています。開発競争は今でも進んでいます。地図を作るあらゆるステップはチャレンジであり、すべてのステップは改善可能です。
4. 人文があるから
地図は人文を取り込み、また人文と接続していて、複雑さや矛盾を具えています。
5. 複雑だから
地図は常に難しいです。地図でちょっとしたことを行うのはやりやすくなってきましたが、地図を設計したり、データを扱ったりといった難しいことは、まだ難しいままです。こういった複雑なことは、そもそも今後簡単になり得るのでしょうか。どれだけの「真の複雑さ」がそこにはあるのでしょうか。
まとめ
地図が好きである、というよりは、地図をめぐってはいろいろなことがある、ということが、地図に関わり続ける理由です。