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Smart Maps コミュニティ・バリュー・ステートメント

2022年9月29日に、国連オープン GIS イニシアティブにドメイン作業グループ(DWG) 7 「Smart Maps」が発足しました。このグループはプロジェクトドキュメントを参照しながら活動を進めていきます。このエントリでは、このプロジェクトの中にあるコミュニティ・バリュー・ステートメントに解説を入れていきます。

ベクトルタイルの設計・生産・スタイル・ホスト・最適化を支える

DWG7 on Smart Mpas のミッションは「ウェブ地図をオープンに保つ」ことです。このために、ウェブ地図に表示する地図データであるベクトルタイルを、設計・生産・スタイル・ホスト・最適化する方法を共有していきたいと思っています。

共有の具体的な方法は、コード、ドキュメント、デモ、能力構築、になると思っています。実際に技術を発揮し、発揮した技術を体系化していくのが有効だと思っています。

国連ベクトルタイルツールキット (United Nations Vector Tile Toolkit: UNVT) は主にこの価値を実現するために進めてきたプロジェクトであり、引き続き、UNVT は DWG7 on Smart Maps でホストされ続けます。

資源の限られた環境でこなすことを支える

国連オープン GIS イニシアティブの第一目的は国連活動に必要なオープンソース GIS バンドルを特定し実装すること、第二目的は世界のオープンソース GIS の実効性と効率を高めることです。

いずれの目的のためにも、環境を選ばずに広く動作するウェブ地図を実現することが有効だと思っています。

具体的には、Raspberry Pi で UNVT を動作させる UNVT Portable を用いて、デモや能力構築を進めてきているところであり、引き続き、活動を進めていきます。

ユースケース収集を支える

ウェブ地図には汎用性があるために、回る事業に転換することが難しいです。

幅広くユースケースを把握することができれば、回る事業につながるようなユースケースを選び取る可能性も高まりますし、あるいは、多くの有望ユースケースを横断的にカバーするようなアーキテクチャを考えることができる可能性も高まります。

DWG7 on Smart Maps は、単に開発やドキュメント、デモを進めるための場所となるだけではなく、ウェブ地図のユースケースを収集する目的を持った参加者の役にも立てるようになりたいと思っています。

楽しむことを支える

Linus Torvalds 的な観点からも、Audrey Tang 的な観点からも、fun というコンセプトは戦略的に重要です。参加のレベルを高め、悪意を抑え、しかも参加の幅を広げることができる気がします。なにより、私自身が楽しみたいです。

活動の端々に fun というコンセプトを埋め込んでいきたいですし、具体的にはどのように fun の溢れるコミュニティを作っていけるか常に考えていきたいと思っています。

新しい考えを伝えることを支える

我々は、地図技術者が地図技術者として生きていける世界を作りたいです。そのためには、地図技術者の考えが理解される、伝えられるコミュニティが必要だと思っています。

地図技術者として新しい考えが浮かんだときに、それを話せる場所がなければ、その考えを育てて実装していくことは非常に難しくなります。地図技術者が自分の考えを話し、壁打ちができる場所を提供できればと思っています。

助け合うことを支える

DWG 7 on Smart Maps は、目標を持ち寄って一緒に進んでいくタイプのグループです。ウェブ地図はデータからソフトウェアを使ってサービスを組み上げていく仕事ですから、例えばソフトウェアをシェアする、あるいはデータをシェアする、サービスに組み上げるノウハウを共有する、といった方向で助け合うことができます。

考えを伝え合った上で、それぞれの多様な立場を尊重し合いながら、要求ではなく共感と信頼によって、助け合っていくことができればと思っています。

画像や標高、点群や三次元都市モデルも扱うことを支える

DWG 7 on Smart Maps の母体は UNVT であり、UNVT 主要対象である基本図(base map)はさまざまなアプリケーションの共通要素となる主翼のようなものです。

他方で、空中写真や衛星画像のような画像、伝統的なデータや新しいデータから作った標高、三次元点群(ポイント・クラウド)や三次元都市モデルは、そういった主翼に組み合わせ、用途に応じて機能を発揮するフラップのような機能を持っています。

主翼が主翼として機能するためにも、フラップを自在に出せる状況を作っていく必要があります。DWG 7 on Smart Maps では、そのような発想から画像や標高、点群や三次元都市モデルも扱うことを支えていければ、と私は考えています。

もちろん、違った考えやアプローチもあって良いところであり、そういった考え方やアプローチを共有いただけるばとして DWG 7 on Smart Maps が使われれば光栄だと思っています。

紹介: FOSS4G Thailand 2022 での講演

2022年11月25日に FOSS4G Thailand 2022 で講演する機会をいただきました。その時のスライドを Speakerdeck で公開しています。

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