国連ベクトルタイルツールキットのコンテキストで、Raspberry Pi のサーバーとしての活用について検討することがありますが、一般的な観測について共有すると、次の通り。
- インターネットに接続するサーバーとして用いる場合にも、組織の正規のネットワークの公開セグメントに接続して用いるユースケースと、ワークフロムホーム環境を含むよりオープンなネットワークから用いるユースケースは区別して考える価値がある。おそらく後者の方が、現代のコンテキストにおいては魅力的であるように思える。
- オフライン環境での使用については、まずオフライン環境のユースケースについてよく知る必要がある。なぜなら、我々の日常生活は常時オンラインの環境である場合が多いからである。
- ローカルネットワークについても上記段落と同様で、ユースケースをよく知る必要がある。なお、最近、特に Google Chrome のコンテキストで、ローカルネットワークとグローバルネットワークを混ぜて使うことを抑制する施策がとられている。ローカルネットワークを活用する場合、背景地図も含めてすべてをそのサーバでホストする提案をした方が、サービスの長期安定稼働を図れる可能性がある。
- オフライン環境やローカルネットワークと HTTPS の関係はかなり悪いと考えたほうが話が早い。HTTPS を使えないと HTTP/2 の恩恵を享受できない。この点でも、インターネットへのアクセスを前提とできるネットワークと、ネームサーバー1つのコントロールを確保していることを仮定した問題設定の方が、性能を出しやすいだろう。この問題設定のもとで、しかしサーバーはローカルネットワークにぶら下げるというコンフィギュレーションは、安価に適切な情報管理を実現できる可能性が高いという意味で、魅力的である。
- ラップトップPCを WiFi アクセスポイントにする方法は、その PC を使いにくくする、あるいはその PC の環境を汚すことになる。Raspberry Pi を WiFi ポイントにする方法の方が、より優れる可能性がある。
- Raspberry Pi と端末とを Ethernet ケーブルで直接接続するユースケースは魅力的である。この場合、原理的に、接続は HTTPS ではなくて HTTP で十分である。
- インターネットをカジュアルに活用するが、外部向けという訳ではない、というユースケースを掘り下げることも考えるべきである。この場合、認証ということをより深く考えることになる。