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[AWS] Step Functionsで遊んでみる(SAM + Lambda) Part.3(分岐編)

Last updated at Posted at 2020-08-17

Part.2のおさらい

Part2では、主に以下のことを行いました。

  • Lambdaに固定引数を渡してみる
  • Lambdaに外部からの引数を渡してみる
  • Lambdaにコンテキストオブジェクトを渡してみる
  • Lambdaの戻り値を、別のTaskの引数に渡してみる

今回は、その続きからはじめてみます。
ここから始める方は、
https://github.com/hito-psv/sam-demo-005
のコードをgit cloneしてもらっても大丈夫ですし、Part2からやってみてもらっても構いません。

今回のターゲット

  • Lambdaでランダムな結果を返す
  • 結果に応じて、次に実行するタスクを変える
  • リトライ時は、しばらく時間が経ってから再実行する

をターゲットにしてみたいと思います。
Lambda部分については、Part2で作成した「HelloWorld」の関数を少しだけいじって、色々試してみたいと思います。

準備

Lambda関数を修正する

現在のコードに、乱数でいくつかのパターンの文字列を返すようにしてみたいと思います。

hello_world/app.py
import logging
import random

logger = logging.getLogger()
logger.setLevel(logging.INFO)

def lambda_handler(event, context):
    logger.info(event)

    message_array = [
        "hello world",
        "retry"
    ]
    message = random.choice(message_array)
    logger.info(message)

    return {
        "statusCode": 200,
        "body": {
            "message": message,
        }
    }

これで、結果のメッセージには

  • hello_world
  • retry

のいずれかの文字列が返されます。

ビルド・デプロイする

この状態で、sam buildsam deploy --guidedを実行し、Lambda関数をデプロイしましょう。

Lambda関数の戻り値によって振る舞いを変える

ステートマシン定義の修正

まずは、ステートマシンの定義を修正します。
修正内容は後ほど説明しますので、まずは、このように修正してみます。

step_functions/state_machine.json
{
  "StartAt": "hello world 1",
  "States": {
    "hello world 1": {
      "Type": "Task",
      "Resource": "${HelloWorldFunction}",
      "Parameters": {
        "p1.$": $.p1,
        "p2.$": "$.p2",
        "p3": {
          "p3-1": 20,
          "p3-2": "xyz"
        },
        "all.$": "$"
      },
      "ResultPath": "$.hello_world_result",
      "OutputPath": "$",
      "Next": "check state"
    },
    "retry lambda": {
      "Type": "Task",
      "Resource": "${HelloWorldFunction}",
      "InputPath": "$",
      "ResultPath": "$.hello_world_result",
      "OutputPath": "$",
      "Next": "check state"
    },
    "check state": {
      "Type" : "Choice",
      "Choices": [
        {
          "Variable": "$.hello_world_result.body.message",
          "StringEquals": "hello world",
          "Next": "hello world 2"
        },
        {
          "Variable": "$.hello_world_result.body.message",
          "StringEquals": "retry",
          "Next": "wait state"
        }
      ],
      "Default": "fail state"
    },
    "wait state": {
      "Type": "Wait",
      "Seconds": 5,
      "Next": "retry lambda"
    },
    "hello world 2": {
      "Type": "Task",
      "Resource": "${HelloWorldFunction}",
      "InputPath": "$",
      "End": true
    },
    "fail state": {
      "Type": "Fail",
      "Cause": "No Matches!"
    }
  }
}
  1. 「hello world 1」は次のステートに「check state」のステートを実行する
  2. 「check state」は「$.hello_world_result.body.message」の値が「hello world」なら、次のステートに「hello world 2」を実行する
  3. 「check state」は「$.hello_world_result.body.message」の値が「retry」なら、次のステートに「wait state」を実行する
  4. 「check state」は「$.hello_world_result.body.message」の値が「hello world」「retry」以外なら、次のステートに「fail state」を実行する(今回は起こり得ない)
  5. 「wait state」は、5秒経ったら「retry lambda」のステートを実行する
  6. 「retry lambda」は、lambda関数をコールした後、「check state」のステートを実行する
  7. 「hello world 2」はlambda関数をコールした後、ステート実行を終了する
  8. 「fail state」は、異常終了としてステート実行を終了する

という記述になっています。
「Choices」の中で

  • Variable:チェック対象
  • StringEquals:文字列がこの値と同じなら
  • Next:次に実行するステート

を指定します。
なお、StringEqualsの箇所に指定できる演算は、AWS Step Functions開発者ガイドを参照ください。

ビルド・デプロイする

この状態で、sam buildsam deploy --guidedを実行し、デプロイしましょう。

ステートマシンの確認

まずは、ステートマシンの定義更新によって、可視化されたステートマシンがどのようになっているかをみてみましょう。

sf1.png

変更したように、「check state」から分岐し、「retry lambda」の後「check state」に戻っていることが確認できたと思います。

ステートマシンを実行してみる

マネジメントコンソールから、ステートマシンを実行してみましょう。
Part.2からの修正のため、入力値のp1、p2を使用するため、入力蘭を以下のように指定してください。

68747470733a2f2f71696974612d696d6167652d73746f72652e73332e61702d6e6f727468656173742d312e616d617a6f6e6177732e636f6d2f302f3432373939382f64303138383561632d323261362d623039372d646435622d3135383438333539616634372e706e67.png

  • p1に、9999数値を指定
  • p2に「p2 strings.」という文字列を指定

結果をみてみる

まずは、ビジュアルフローを確認してみましょう。
見事に、全パスが通ってくれてます(ランダムなので、「hello world 1」→「check state」→「hello world 2」という流れもありえます)。

sf2.png

では、Choiceの処理が正しく動作しているのか、確認してみましょう。
まずは、「hello world 1」のステートから呼び出されたLambda関数の戻りがこちらです。

sf3.png

bodyのmessage部が「retry」であることが確認できます。
その結果、次に「wait state」が実行され、5秒後(#10と#11の時間をチェック)「retry lambdaのステートが実行されています。

sf4.png

実は、この後、更に2回連続して「retry」が返ってきますが、3回目に「hello world」が返されます。

sf5.png

その後は「hello world 2」のステートが実行されていることがわかります。

sf6.png

そして、そのままステートが終了します。

新しく追加された「Choice」ステート

2020/8/13に、アップデートされた内容があります。

値のテスト(型チェック)

  • IsNull
  • IsString
  • IsNumeric
  • IsBoolean
  • IsTimestamp

によって、Variableの型をChoiceで確認することができます。

   "Variable": "$.foo",
   "IsNull|IsString|IsNumeric|IsBoolean|IsTimestamp": true|false

存在チェック

  • IsPresent

によって、Variableそのものの存在チェックを行うことができます。

  "Variable": "$.foo",
  "IsPresent": true|false

ワイルドカードチェック

  • StringMatches

によって、ワイルドカードを使用した判定チェックが行えます。

  "Variable": "$.foo",
  "StringMatches": "log-*.txt"

別の入力フィールドとの比較

  • StringEqualsPath

によって、入力フィールドを別の入力フィールドと比較できます。状態の変更などを確認するときに使用できます。

  "Variable": "$.foo",
  "StringEqualsPath": "$.bar"

詳細

こちらから確認できます。

AWS Step Functions adds updates to ‘choice’ state, global access to context object, dynamic timeouts, result selection, and intrinsic functions to Amazon States Language

まとめ

今回はChoiceによる分岐を行なってみましたが、ここまで来ると、ようやくワークフローっぽくなってきた感じがしますね。
ここまでのPart.1〜Part.3の内容だけでも、ある程度のステートマシンが定義できるようになっているかと思います。
次回は、Lambda以外のサービスをタスク定義で呼び出してみたいと思います。

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